港に灯がともる

2025-01-19 22:17:00 | 映画
たった2時間の物語なのに、情報量が多くて、たくさん言葉が浮かんだり、記憶映像がフラッシュバックされたりと尋常じゃない多さだった。

いつも以上にカオスな文章になっています、を前提に、何を書いても差別発言になること承知で感じたことを書いています。

気を悪くされたら本当に申し訳ありません。


「だが、情熱はある」の静ちゃん役、「ブギウギ」の小夜ちゃん、「3年A組」にも出てたね、

冨田望生ちゃん演じる静ちゃん役を初めて観た時に、センセーショナルに頭角を表したそれなりに経験がある女優さんだと思ってWikipediaを見たら、めちゃくちゃドラマに出ていたことに驚いたが、一番の驚きは、「ソロモンの偽証」の松子ちゃん役だったこと。しかもこれが女優デビュー作だったとは!

静ちゃん役と松子ちゃん役を望生ちゃんが演じていると知ってからは、大注目の女優さんになった。

今回、初主演というおめでたいだけでなく、阪神大震災後の神戸を舞台にした作品ということで、去年の年末からめちゃくちゃ観たい映画でした。

去年は、そんなに観たい映画が少なかったので、久々にめちゃくちゃ観たい作品でした。

震災後の神戸を舞台にしているのに、しかも震災から30年という節目の年の、しかも1月17日に封切られるというメモリアルな作品なのに、上映館も回数も1日1回となぜか少ない。

こんなに素晴らしい作品なのに、なんで封切られたばかりなのに、上映回数が1回しかないのか不思議でならない。

望生ちゃんの役は、震災後に生まれた在日コリアン三世の金子灯(あかり)。

予告を観た時は、在日だから灯は差別されて双極性障害になったのかと思っていたが、

全然違った。

灯は、本来普通の女の子。在日も日本人も関係ないどこにでもいる女の子だった。

灯を苦しめているのは、根っ子は日本の政治や社会だが、現実は親や大人たち。

灯自身何も悪いことはしていない。

くれぐれも言っておきますが、灯の両親を否定することは、在日だからと差別しているわけではないので悪しからず。あくまでも両親を一人間として見た上での発言なので誤解なきように。

そもそも、在日という言葉自体、LGBT同様に差別用語にしか感じられないので使いたくないのですが、今日は使わせてもらいます。

たけしさんの「血と骨」でも描かれていたけど、灯のおじいちゃんとおばあちゃんは、好きで日本に来た訳じゃない。好きで差別されてきた訳じゃない。好きで貧しい生活をしている訳じゃない。好きで大変な仕事をしている訳じゃない。二世の方々(灯のお父さん)が、背負わされたものも、完全には理解できていないが、想像はつく。

同和地区問題しかり、住み場所が限定されて、出生や住所だけで差別されてきた。

学校で同和問題を取り上げる度に、なんでその地区に居座り続けるのか?その地区から離れて、素性さえ黙っていたら誰にも差別されず生きていけるんじゃないのか?とずっと思っていた。

LGBTQしかり、自分たちも自分たち自身を差別してるんじゃないの?と思っていた。

ぶっちゃけさ、そもそもLGBTQ に関しては、同性婚を認めない国家がおかしい。人間同士の結婚に男女である必要があるのか?

政治家が生産性なんて言ってる時点で間違ってる。結婚=子作りという発想がそもそもの間違い。

愛し合った者同士が契りを交わすのが結婚じゃないの?

同性婚に限らず、子供が欲しいなら、養子でもいいやん。不妊治療に励まれた方、励まれている方々には申し訳ないけど、血が繋がってないといけない理由が私には分からない。産みたいのか?育てたいのか?どっちなん??産みたいだけなら、子供はオモチャか?と聞きたくなる。

今ある命も大切にすべきじゃないの?と思ってしまう。

私は、生まれてこなければ良かったと思ってきた人間だし、産んでくれとは頼んでない!と言ったきた人間なので、血にこだわる方々の気持ちが正直分からない。

少子化問題だって、同性愛者が増えてきているからか?私みたいな独身主義が増えているからか?

子育てにお金がかかるからじゃないの?

それって国の問題でもあるんじゃないの?

戦後の第一次ベビーブーム、高度成長期の第二次ベビーブームって一体何なんで起こったんですか?明るい希望が想像出来たからじゃないの?

だったら、第三次ベビーブームになるように経済政策すべきじゃないんですか??って思う。

それも取り組んでないのに、同性愛者や独身主義者、子供作らない夫婦のせいにされては迷惑でしかない。

実際のところ、各地方自治体では子育て援助の取り組みはしてますけどね。それって出産前提ではありますが…。

私は、自分が生まれてきて良かったと思えないのに、子供を作る気にも育てる気にもなれない。結婚しないのはホモとかゲイだから?とか言われても気にしない。結婚しないと出世できないと言われても、だったら余計結婚なんて真っ平ご免。それってある種の政略結婚でもあり偽装結婚じゃないの?それって本来の結婚のあり方か?と甚だ疑問。ま、中村うさぎさん夫婦の関係性は個人的に好きですけどね。信頼関係で成り立っているからね。

それはさておき、

生まれてこなければいい命があるなら、わざわざこんな人間と結婚して、しなくていい苦労をさせるくらいなら、私は独身を貫きます。自分の両親を見て結婚したいとは一切思えない。ま、そもそも私自身が心を改める気がない。それが問題。

だからこそ、自分勝手発言だけども、

生むと決めたなら、育てると決めたなら、どんな子であっても子供に愛情を持ってください!と言いたくなる。

日本人と在日の方との結婚もすごく考えさせられる。

ぶっちゃけ書くと、私は、母親から在日とは結婚したらダメと言われて育てられてきた。

母親のお姉さんは、部落出身の方と駆け落ちして、広島から東京に行って結婚した。相当苦労したと聞いた。

でも、地元広島で家族や親戚に差別されて暮らすくらいなら、東京で暮らす方が正しい選択だと私は思った。

この作品を観て初めて、差別を受けると分かっていても、その土地に留まる人の気持ちが見えてきた。灯のお父さんもその一人だったからね。帰化したくない灯のお父さんの気持ちもしっかり描かれていた。

正直なところ、愛国心があっても、帰る場所が日本しかないのであれば、メリットが多いのであれば帰化した方がいいと私は思ってしまった。私が外国で永住すると決めたら間違いなく帰化を望むはずだから。

お父さんの愛国心、ルーツを大事にしたい気持ちは凄く伝わった。


私の両親は、私が生まれる前までは、灯の両親が震災まで住んでいた長田区で生活し兄貴が生まれた。両親は間違いなく在日の方々と関わりがあったはず。でも、良い思い出がなかったのかもしれない。

親父も、在日朝鮮人の方を差別するチョンって言葉をよく使っていたから。

両親に在日の方と結婚してはいけないと言われてきたから、それ以来、相手は誰であろうともフィルターを通して人と関わり、色眼鏡で人を見てしまうようになった。

私自身、差別する気がなくても、フィルターが出来上がった時点で差別しているのと同じなのである。

今思えば、余計な知識や価値観を子供に植え付けるなよ!と言いたい。もう言い返す母親も親父もいないけど。

長い前置きになりましたが、結局何が言いたかったかというと、早い話が、私自身が灯そのものだってことなんです。

私の両親は長田区に住んでいましたが、在日ではありません。

灯の家庭は在日コリアンではありますが、それ以外、私の家庭と何も変わりません。

灯の父親が、仮にアル中の暴力男だったら、まさに私の親父です。発言の仕方も押し付け方も、俺の気持ちを分かってくれよ的発言も私の親父と全く同じ。

酒さえ飲まなければいい親父なのに、灯のお父さんだって、普段はいい人だと思う。ただ在日に関することになると価値観の押し付けが始まる。

私の親父に関しては、酒を飲まなければいい人と書きましたが、むしろお酒の力を借りて素面では言えないことを発言していたのかもしれない。

いずれにせよ、灯りのお父さんも私の親父も同じ。日本人も在日も関係ない。

誰のお陰でご飯が食べれると思ってるんや!って怒鳴られたら、

だったら、セックスするな!子供作るな!産んでくれなんて頼んでない!って言い返したくなるんよ。

今なら、私の親父の気持ちも分かる。

職場では安い給料でこき使われて、家に帰ったら妻はご飯も作らず長電話。金がないない言うなら長電話せず節約しろ!と言いたくなる親父の気持ちも分かる。

妻は、小豆相場で大損をきっかけに親父の暴力が増え、顔面麻痺発症。暴力に耐え兼ねて新興宗教に救いを求め始める。いくら共働きと言えども、お布施は余計な出費。妻は、人間より神様への食事が優先。

そりゃ、一家の主は誰やねん!って言いたくなる。

しかも、子供たちは妻の味方やから親父は蚊帳の外。酒を飲まないとやってられない。

親父が酒を飲み始めたら、もう負のスパイラルが止まらない。暴力あるのみ。どれだけ殴られ、壁に穴が空き、テレビが壊れたことか…。

母親もよく離婚せずに親父と暮らしてたと思う。確かに、母親は母親で、何度も離婚を考えていたし、実家にも相談していた。もちろん親父の実家にも。兄貴を連れて家出したとも聞いた。よく我慢したと思う。

って思うと、

やはり、灯の家庭と私の家庭と何の違いがありますか?ってことになる。

それって、在日と関係ありますか?

くれぐれも言っておきますが、灯の両親を在日だと差別しての発言ではありませんから。人間として発言しているので悪しからず…。

そりゃ、灯は、私以上に、出生、家庭内、社会生活において幾重にも重なったフィルターで息が苦しくなったのも分かる。

灯は私と違って女性だから、暴力に対して暴力で返すことはない。ひたすら我慢して内に溜めてきたから。だから、お父さんのいつもの言葉で、抑えつけた心にスイッチが入って感情を抑えることが出来なくなったんだと思う。

灯は、何度も苦手なお父さんに歩み寄ろうとしても、お父さんは自分のことしか考えていないからまた同じ言葉を発して、灯の負のスイッチを押してしまう。

そりゃ、灯のお父さんも、今まで築いてきたもの、夢や希望が震災で全て壊され崩され、人生設計が狂わされてしまったら絶望しかない。

灯のお父さんだけじゃない、

コロナ禍で仕事がなくなったら、アルコールを辞めていた、山中崇さん演じる青山さんだって、アルコールを飲まないといられない。

灯だけじゃない、お父さんも、青山さんも、私だって、親父だって母親だって、誰しも心に闇を抱えて生きている。どうすることもできない闇の深淵にもがき苦しんでいる。

もがき苦しんでいる内は出口は見つからない。陽の光が照らす出口を見つけようとしない限り、光は見えてこない。だからこそ、このままでいいじゃなく、出口を見つけようとする意思や希望を持つことが大事になってくる。

この作品は映画だから、ラスト、灯は、陽の光が照らす出口を見つけることが出来たが、双極性障害や統合失調症は、数年で治ることは難しい。再発しやすい。出口を見つける意思を持つ続けることは難しい。

この作品の素晴らしいところは、どう精神疾患と向き合っていくべきか、助けていくべきかを示唆している点である。

もちろん自分の力で乗り越えられるのがベストだが、渡辺真起子さん演じる精神科医のように、患者さんの闇に向き合ってくれる人の支えも必要。

そうなんだよ、心の闇は、その人だけの問題じゃない。根っ子にあるのは家族の存在だと思っている。

本来ならば、明るい日差しの中ドキドキやワクワクでときめいているはずの心に、鉄の扉を備え付け鍵をかけ真っ暗闇にした原因をしっかり究明・解明していく必要なのである。

なぜ苦しいのか、なぜ苦しくなるのか、表面的な闇ではなくもっともっと深い闇の根っこになる箇所を見つけない限り治すことは難しい。

無意識の闇だから、無意識を意識に変えていく作業は本当に大変。他者には見えても、本人も見て気付かないと前に進めない。正論かざしても相手に響かなければ意味がないのと同じ。

ぶっちゃけ、読書できるだけのメンタルがあれば自己分析できるが、字を読もうとしない、読みたいと思わない限り、人の話や意図を理解できない、しようとしないなら尚難しい。本人の意思決定が本当に大事になってくる。

だから、お医者さんどう導き、どう引き出せるかにかかってくる。話を聞いて肯定するだけなら、ただ時間がかかるだけ。でも、これは精神科医あるあるなのかもしれないが、逆に精神科医に依存してしまう患者さんもいるので、医者も患者との距離を取らないといけないのも事実。

精神疾患を治す最大の薬は、医師の処方ではなく、家族の理解だと思っている。あえて家族の愛とは書きませんが…。

本当は、家族は家族で自己分析して欲しいんだけどね。家族の態度や発言が本人を苦しめている要因になっていることは大いにあるから。ほったらかすのはただの逃げ。だからといって構いすぎは甘やかしになる。自分を知る事で相手の気持ちを理解していくことができると思うんよね。それが家族や本人に対して学びと気付きに繋がると思っている。

この作品は、家族の問題と心の闇は深く結び付いていることもしっかり描いている。

あと、灯の大声で喚く発作症状があまりにもリアルに表現されている。それに限らず、

同じ発作症状でも、内に秘めたる思いが爆発する症状だけでなく、アル中で意識消失した青山さんを助けたい思い一心で大声を出す行為は、映像では同じ言動に見えるけど、全く別物。後者は明らかに自我の芽生え。そこが表現されているのも素晴らしかった。このシーンは思い返すだけでも涙がでる。

望生ちゃんの役作りに関して、インタビュー記事を読みました。東北の震災経験を役に活かすのではなく、まっさら状態で灯と向き合ったとのこと。確かに、灯は震災後に生まれたから震災を知らずに育ったからね。人生の経験が役に活かされることもあれば、逆に削ぎ落とさなくてはいけないこともあるという発言はごもっともだと思った。

映像に映る望生ちゃんは、灯そのものだった。憑依してたと書いたら、演技という表現も含め、むしろ安っぽく感じるので、望生ちゃんに対しては使いませんが、静ちゃん役もしかり役の向き合い方が本当に素晴らしかった。

お父さん役の甲本雅裕さんが、本当にリアル私の親父だった。灯の気持ちがめちゃくちゃ分かる。

自分の子供やねんから、父親としてちゃんと向き合って欲しいよね。優しい言葉をかけて欲しいよね。自分の都合が悪くなったら、決め台詞みたいに俺の気持ちはお前たちには分からない!とか、私の親父みたいに暴力で解決しようとしたら、話し合う余地ないんよ。

せやねんな、子供の頃は、親は完璧な存在だと思っていたけど、特に男親は何歳になっても子供なんよね。ま、私もしかり。

そうそう、灯を発作症状を起こさせる発言やその負のスパイラルの一連の流れが本当にリアルだった。何を話してもそこに持っていくか!?的発言が本当にリアル。私の親父をモデルにしてますか?と聞きたくなったくらい。


望生ちゃん、甲本さんに限らず、登場する皆さんリアルで素晴らしかった。麻生祐未さんも私の母親を見てる気になった。闇も発言も似てた。

精神疾患を患った灯にとって必要不可欠な存在が、渡辺真起子さん演じる精神科医、友達役の山之内すずちゃん演じる親友、そして、職場の上司役の山中崇さんと中川まさ美さん演じる上司役の二人。皆さん素晴らしかった。

特に、山中崇さん演じる青山は、灯の心の重たい鉄の扉を開けようするきっかけとなる人物でもあったし、また、青山自身、在日ではなくても闇を抱えて生きてきたわけだから、在日も日本人も変わらないを象徴した人物だったと思う。もちろん、灯の双極性障害と青山のアルコール依存症が対になる存在でもあったけども、作品しても大事な存在だったと思う。

灯の友達の存在も大きい。家族に言えない悩みを聞いてくれる人がいるのは心強い。信頼できることが大前提ですが。

中川さんも癒しの存在だった。

灯が自身の病気と向き合うための対になる人物が、青山以外に同じ病院?クリニック?に通う同じ在日の青年の存在も大きい。灯とは真逆で感情が抑えられず攻撃的になってしまうタイプ。

いずれにせよ、精神疾患は、誰かの理解がないと前に進めない。もし身近にそういう人がいたら否定せず受け入れることが治す第一歩。

私も若い頃は、灯の症状とは違って、むしろクリニックに通う青年に近いが、攻撃的になることは多々あった。今思うと、私自身、言葉に変換できなくて感情が先走っていたね。今は反省してます。

この作品、たった2時間なのに、前に挙げた灯と対になる人物や症状だけでなく、対比の仕方がお見事でした。震災前と震災後の対比だけでなく、

なぜ韓国から移住してきたのかも、太平洋戦争とロシア・ウクライナ戦争とも対比していた。当時とは移住の理由は全く異なるが、前者は強制連行、後者はウクライナから多くの戦争難民。

たった2時間なのに色んな要素が詰め込まれていたし、私自身、精神疾患や親子関係もとても他人事だとは思えなかったし、なにより、

私も、母親が失くなるまでは兵庫区(長田区の隣)に住んでいたし、手に職をつけるために長田区で働き、在日の方とも仕事をしてた。日本人より情が熱かった。体育会系以上の熱さ。優しい人ばかりだった。手に職をつけるために転職したけど、結局、仕事についていけなくて自分の無能さ故に辞めてしまった。もともと引きこもり人間ができる仕事ではなかった。考えが甘かったと反省しかない。今では良い経験。

長田商店街も懐かしかった。グランドがあってよくそこでお弁当を食べてた。

灯もふとしたきっかけでフラッシュバックで症状が再発してたけど、私も映像を見ながら色んなの記憶が蘇ってきた。

色んな意味で、私のたもの映画でもあった。

望生ちゃん、導いてくれてありがとう!

この作品、精神疾患を抱えている方には辛いけど、それでもたくさんの方に観て欲しい作品でした。

間違いなくフィクションなのにめちゃくちゃリアリティーを感じる脚本だった。感情移入しまくりでした。演出もカメラワークも素晴らしかった!

演技を越えた灯のリアルな感情を皆さんにも見届けて欲しい。

正体

2024-12-01 19:38:14 | 映画
心も顔も洗われた気持ちになった!

昨今のマスメディアの在り方とか国家権力の行使とか、本来しないといけない捜査や調査を疎かにして、罪なき人間を罪人に貶める冤罪行為に対してメスを入れる内容であると同時に、

本来あるべき人間や社会の在り方、日本に生まれて良かったと思えるようにより良き未来への希望をメッセージにした内容だった。

ラストは、涙で心と顔が洗われた。

映画自体は、横浜流星君演じる主人公目線?中心に描かれているので、また、(刑務所から、厳密には救急車から)逃亡した主人公と関わった、里帆ちゃんや慎太郎君、杏奈ちゃん演じる登場人物の目線も相まって、主人公の冤罪を引き立てる見せ方になっているけども、

もし仮に、原日出子さん演じる被害者の家族目線で描いていたら、果たして流星君演じる主人公を冤罪だと思えたか甚だ疑問。

マスメディアの印象操作も含め、何が真実で何が嘘か分からない情報社会の中で、真実を見極めることなんて本当に困難。

全テレビ局が同じ批判をしていたら、視聴者だって同じ意見になるでしょ?

もし、一つのメディアだけが反論していたら、多数派と少数派の意見、どちらを信じますか?

それを象徴したのが、今回の兵庫県知事選挙だったと思うんよ。

真実を述べるべき人間が沈黙を貫いたり、または誰かが隠蔽するから、真実が見えてこなくなることは多々ある。

スキャンダルを揉み消したり、メディアで拡散させたり、させなくしたり、

メディアの在り方が本当に問われる。

ということで、

ぶっちゃけ、観る予定は全くなかったのですが、今年は映画自体あまり観てない…、

はい、明日で、貯まったポイントが消滅するので、他に観たい作品がなかったのでポイントで観てきました。

まるで、導かれたかのような作品でした。

だって、去年どハマりした「Gメン」の里帆ちゃんと慎太郎君が出てるなんて知らなかったから!(笑)

なんてたって、横浜流星君は、来年の大河の主人公だからね!

ついついミーハー心で観たら、

めちゃくちゃ良かった!

流星君は、空手のイメージしかなかったのでm(__)m、めちゃくちゃ演技が上手くてびっくりした。

逃亡犯の役で、人相を変えて里帆ちゃん達と関わるので、その表現が素晴らしかった!

しかも高校生の役まで!全く違和感なし!

本当にピュアな青年にしか見えなかったので、それが伏線ではない役作りだったのが良かった。そうと見せかけて実は…という役柄ではなかったから良かった。

冤罪なのに死刑判決を下され、逃亡を実行し、逃亡中に出会った里帆ちゃんや慎太郎君らによって、自分が無実だと信じて貰えることで生きる希望を見いだしていく。

里帆ちゃんらは、嘘で固められた真っ暗闇の世の中に一筋の光を差す存在となった。

彼の逃亡犯中に出会う役どころの、里帆ちゃん、慎太郎君、杏奈ちゃんも良かった。

やっぱ、里帆ちゃん最高やわ!感情の揺れがリアルで演技や表情に魅入った。

慎太郎君もやっぱ上手い!今回は、見た目はヤンキー風なのに小心者な役柄で、警察に電話をかけるシーンがピカ一でした!

杏奈ちゃんは断然声が良い!どこにでもいそうな女の子をリアルに演じていた。

犯人を逃亡させ、既のところで逃がしてしまい、冤罪と分かりつつ上層部の命令に逆らえない、出世と名誉とプライドが邪魔して、真実から目を背けていたが、全てのしがらみを捨て真実と向き合う役どころの、

山田孝之君が、最高に良かった!

国家警察の一員として威厳を持ちつつ、権力を行使する上層部には逆らえない立場でありながらも、真実と真正面で向き合う姿がウルウルもんだった。

刑務所の面会シーンは、里帆ちゃんも慎太郎君と杏奈ちゃんにもウルウルさせられた。

普通に良い作品だった。


まる

2024-10-19 18:08:52 | 映画
めっちゃ、荻上ファミリー集結してるやん!?

ま、聡美さん、はいりさん、柄本明さんだけやけど…。

いやいやいやいや、十分最強アシスト&ディフェンダーやで!

かもめ食堂好きには堪らんキャスティング!!

柄本さんは、ホンマにドラマでも映画でも引っ張りダコやね!

ということで、舞台挨拶ライビュー付き上映回を観てきました。

久々のつよっさん。生ではないが…。

本来なら、8月、毎年恒例の平安神宮奉納公演に行けたのに、台風10号のせいで中止。

だけども、つよっさんの活動は凄まじい!あらゆる音楽フェスに呼ばれ、参加し、つよっさんが敬愛しているジョージ・クリントンとのコラボ曲も配信となり、結婚してもSTARTOを退所してもその勢いは劣らず。

素晴らしい&カッコイイとしか表現できない!

そして今作は、まさにつよっさんへの当て書きのような物語。

めちゃくちゃメッセージ性があり、また、ワタシタチはモノガタリを観るのが必然かのような内容に、これまた、いつもの

お導き!

(笑)

どこにでもいる普通の青年が、ある人との出会いによって世界的なアーティストへと変貌していく。 

あ、あくまで私のイメージであって、映画の粗筋ではないので悪しからず。

例えば、芸名があれば、芸名の自分が世界を駆け巡り、出すCDや本が大ヒット。あっちでもこっちでもテレビ局やマスコミに引っ張りだこ。

求められるのは世間が求める姿や言葉。本名の自分は、決して世間が求めるような強い人間じゃないのに、まるでトイレにも行かないような人物像を作り上げられ、自らも作り続けなくてはならない。世間の評判も、賛否両論。少しでも、いや、ほぼ全ての否を減らすために必死なってイメージアップに努めなくてはならない。

本名の自分が芸名の自分についていけなくなって、精神を壊すことは多々ある。

もしくは、別に有名人になったり出世したいとは思ってなかったのに、出会いやふとした行いが評判を生み、有名人や出世することもある。

上手く風に乗って立身出世していき大手を振って喜べるか、その地位を維持するために自分の心を殺すかは己次第。

良かった、芸能人にならなくて!!

という話ではなく、

芸能人に限らず、誰もが、理想と現実のギャップに自分がどう生きていけばいいのか一度は悩んだことはあるはず。

目標に向かって一生懸命勉強したり努力して、やっとこさ目標を叶えたのに、現実は、自分が想像した以上に過酷であったり虚しくあったり…。理想が高ければ高いほど、現実とのギャップに苦しんだり…。

逆に、有名人に憧れて真似たり、偽物になったり作ったり…。

結局のところ、自分は自分でしかない。誰かを真似ても、同じことをしても、その人にはなれない。ダイエット本と同じ。その人に出来たことが万人に通用するとは限らない。むしろ、本なんて購入されてナンボ。成果ありか無しかは二の次。

いかに購買意欲をそそる宣伝ができるか、マーケティングで世間の関心を調査できているかで、売上が変わる。それが現実。

結局、自分の理想は理想。現実には敵わない。理想は、現実のはるか先にあるもの。

ワタシタチはモノガタリでも書きましたが、売れるために、読者が喜ぶ作品を作るのか?売れるまで自分が表現した作品を作り作り続けるのか?をテーマにしたような作品でもありました。

今作もそうだけど、結局のとこ、アンタは何がしたいの??に結びつくと思うんよね。

今作は、つよっさんと綾野君のダブル剛君が対照的に描かれていたので、よりメッセージ性がリアルに表現されていたと思う。

そう、世の中の90%は綾野剛君演じる横山なんだよ。

アーティストとして、芸能人としてそれだけで生活出来る人はほんの一握りなんだよ。

テレビに出てるからといって、みんな六本木ヒルズに住んでいるわけじゃない。

あ、つよっさん演じるさわだより、綾野剛君演じる横山よりに書いてます。私も横山側の1人だったからね。今は、人は人、自分は自分精神で生きてます。

そういった格差社会も描いていたし、世界平和への想いもあの○の中に込められていたと思う。

森崎ウィン君が舞台挨拶で言っていたように、人間は丸くならないと生きづらいと思うし、

荻上監督が、○に込めたメッセージがつよっさんや他のキャスト陣を通して随所に散りばめられていたと思う。

まさに主人公の生き様が、今の、昔のつよっさんと被る脚本になっていて、

関西弁を喋ってくれたら、マジつよっさんのドキュメンタリー映画と言っても過言じゃないくらい、ラジオやライブで語られているつよっさんの過去の経験や生き様がそのまま主人公に投影されていたと思う。

つよっさんだけでなく、綾野剛君や森崎ウィン君の役柄も世間を象徴する人物像でもあったし、吉岡里帆ちゃんの役は、まさしく、弱者の心の声だったと思うし、彼らの学びや生き様、そして考え方は、観客への強いメッセージになっていたはず。

本当に本当に素敵な作品でした。

27年ぶりのつよっさんの主演作がまさかの荻上直子監督作品とはね。

めちゃくちゃ当て書きされていて、とても名誉なことだったと思う。

主人公の闇がつよっさんのかつての闇にも感じられて、エンドロールの♪街♪の歌詞がめちゃくちゃ響く。

すべての音楽はつよっさんだったんやね。めちゃくちゃ自然にマッチングしてた!

主人公の隣に住む、綾野君演じる横山も、破天荒にデフォルメされているけど、大多数の弱者?の代表だと思った。

みんな一握りの一員に選ばれたくてもがき苦しんでるんよ。

森崎ウィン君こそ、そのままの役で、彼が発する悟りや哲学は心に響く。

せやねん、いつまでも泣いていても助けてくれへんね。特に私みたいなオッサン?人間は。

セクハラ発言するわけじゃないけど、若くてカワイイ女の子なら誰かが助けてくれるかもしれへん。若いうちだけや。

年をとったら男も女も扱われ方はさほど変わらん。

だからこそ、

アンタ、何がしたいん?どう生きたいん??

を強く訴えかけてくる作品に感じた。

なんのために生きるのか?

20%の働かない蟻は生きる価値はないのか?

そりゃ、自分の存在が誰かの役に立てれば、それに越したことはないが、

だからといって、誰かの役に立つために身をすり減らしてまでも自己犠牲する必要はない。

今の私が言えることは、心臓が動いている限り生き抜け!

ただそれだけ。

どう生きるかは己次第。

つよっさん✕荻上直子監督作品ということで、それだけで楽しみしていたら、

まさかの小林聡美さん、まさかの片桐はいりさん(最初誰だか分からなかった)、荻上監督の前作「波紋」でもエエキャラだった柄本明さんが出演されていて、より作品の価値がグレードアップしたよ!

もう一回観たくなる作品だった。

そう、志村けんさんの間かどうか確かめないといけないし(笑)

舞台挨拶の内容はいずれYouTubeにアップされるのでそこでご確認してください。

チョイ役だったが戸塚純貴君も舞台挨拶に出てた!めちゃくちゃ引っ張りダコやな!

つよっさんが描いた○欲しい!!

憐れみの3章

2024-10-06 01:44:40 | 映画
めっさオモロいっ!

エンドロールで面白さが倍増したわ!

そして、字幕が我が敬愛する松浦美奈さんだったので、最高!!に変わった。

(笑)

ということで、去年貯めたポイントの有効期限が間もなく切れるため、つよっさんの「まる」を観たかったけど公開される前にポイントがなくなってしまうので、面白そうだと思ったこの作品を観てきました。

正直、監督のヨルゴス・ランティモスは何を撮りたかったんだろう…と脳内???マークを浮かべながら観てたんですが、

エンドロールでメッセージがドバっと降りてきた。

ヨルゴスは単純に、人間の内面に潜む愚かさと哀れさ、惨めさ、グロテスクさ、そして滑稽さをアイロニーという舟に乗せて観客に届けようとしていたのがエンドロールから伝わってきた。

途中、ビデオ映像を見るシーンで吹きそうになるくらい滑稽さがあったり、

かといったら、◯を切断するシーンをグロく見せたりと、

各章を通じて何を伝えたいのか全く分からないまま観ていたのですが、

アイロニーたっぷりのエンドロールに

マジ、可笑しみが倍増した!

全く意味不明なタイトルの3章からなるオムニバス形式になっており(オチあり)、

正直、脚本がどうこう言うより、単純に登場する人物が面白い!

各章で、メインキャストが全くの別人を演じており、それがま〜見事な演じ分けでオムニバスだからこその見応え感、バケモノ好きには堪らない演技表現が最高でした!

北島マヤみたいに仮面を付けたり外したりしてるんじゃなくて、着ぐるみごと全身脱いだり着たりしてる感があってキャラが違い過ぎてマジで見ていて楽しい。あ、脚本演出はさておきね。

皆さん、役者バカと言っても過言でないくらい、表現することを楽しんでいるのが伝わってきて、その才能が羨ましくなった!

もう、ウィレム・デフォーがマジ天才!超バケモノ級!エリート社長?いや、マフィアのボス的な役柄であったり、ただのパパであったり、そしてカルト宗教の教祖の吹っ切れ感…。

マジ最高!!!助演男優賞もん!

ウィレムの紳士っぷりと怪優っぷりを一度で味わえるのはオムニバスならでは。

エマ・ストーンなんて、前作では見事な脱ぎっぷりではありましたが、今作でも脱いでます。エロさより滑稽さが上回ってたけどね。

正直、そこで脱ぐ?脱ぐ必要がある?そもそも見せる必要がある?とは思いましたが、オムニバストータルでエマの演技を見させてもらったら、ニコール同様、エマも女優という演じることが好きなのが伝わってきた。

エマに関しては第3章が主役って感じでしたが、マジで素晴らしかった!

映像的には、舞台はアメリカなのに、北欧の映画を観てる感覚だった。色であったり、カットであったり、アキ・カウリスマキとか「ミッドサマー」とか、グロさはラースかな?デヴィット・リンチ感もあったな〜。

音楽性がなんとも言えない不協和音さがあって、恐ろしさをめちゃ引き立ててた。

役者さんも北欧系の俳優さんも起用しているのでは?と思うくらい北欧感があった。

あとで検索したら、第1章と第2章の主役のジェシー・プレモンス、めっさアメリカ俳優やん!?キルステン・ダンストの旦那やん!?北欧の俳優さんだと思った。っていうか、最初マット・デイモンだと思った…。

第1章と第2章は、ニコールの「聖なる鹿殺し」のような愚かさとグロさが散りばめられてリアルな恐怖感があったけど、第3章は、グロさもあったけど滑稽さが上回ってた。

まさか、エンドロールで作品が昇華するなんて思ってもみなかった!

映像的にグロさもあるけど、役者陣の演技が素晴らしいからそれだけでも充分楽しめる!



それにしても、「聖なる鹿殺し」でニコールがヨルゴスの作品に出てたわけですが、プロデューサーとしてのニコールの着眼点はマジで素晴らしい!

いつになったら、ニコールを映画館で観れるのだろうか…。


このろくでもない世界で 

2024-08-06 20:12:48 | 映画
まさに〇〇ノアールという表現がピッタリなくらい、今の日本でコンプライアンス等で映像化出来ないだろね、とことん不条理な出来事しか描かれていない。

地味にグロいシーンもあり。最初、ペンチで何をしているのか分からなかった…。

最後までストーリーの軸が見えてこない、いや、単純に私が置いてけぼりを食らってるだけだが…、何を描こうとしているのかさっぱり分からなかった。

一体どんなラストになるのかも想像がつかない。いや、主人公は自〇するしかないくらい、主人公に覆い被さってくる不条理さにただひたすらゲンナリするのみ。

ラストは救いなのか否か?私にはどちらとも判断が付きにくかった。それくらい主人公が背負った無秩序さが本当にいたたまれない。

でも、作品全体として、監督が伝えようとするメッセージは、

大人は、ホンマ、自己中な生きモンやな!

社会、マジ腐りきっとんな!

子どもはペットちゃうぞ!

いや、まだペットなら愛がある。

ゴキブリやないんやぞ!

リモコンで動くロボットちゃうねんぞ!

虐待するなら、金出して一人暮らしさせたれや!

虐待を見て見ぬふりするのも同罪やぞ!

自分の子供も守れないなら、さっさと離婚せーや!

なんでも金や暴力で思い通りになると思ったら大間違いやぞ!

汚れた金で政治家にさせるな!

韓国だからではなく、日本も同じや!

主人公も、なんで家に帰ってくるねん!?

虐待されるために帰ってきとるのと同じやんけ!

なんで同じこと繰り返すねん!

主人公を取り巻く環境もなんでやねん!?やけど、

主人公に対しても、なんでやねん!?とツッコミたくなるくらい、自ら負のスパイラルに何度も足を踏み入れる。

最後まで、不条理な出来事がたたみかけてくる。

だからといって、ここで描かれているのは、ただの不条理だけではない。

不条理の裏に潜む愛の渇望が描かれている。

どうしようもない親やけど、子どもにとっては、やっぱり自分の親やねん。たとえ理解して貰えなくても、それでも子どもは好きやねん。息子は息子で。娘は娘で。

それに引き換え大人は…。

大人は大人で、金と暴力で物を言わせ、不都合なものは排除。

子どもは、いつも大人に振り回されっぱなし。

そんなに権力が欲しいんか?

人を支配したいんか?

マジで、これでもか!ってくらい醜い社会を容赦なく見せてくる。

ぶっちゃけ、底辺に住む人間の、裏社会でしか生きられない人物達の、ごく一部を切り取った物語だとは思わない。

これぞ、社会の現実であり、世界情勢だと思う。

逃げようにも逃げ方が分からない。そもそも、逃げるという発想も思いつかない精神状態なのかもしれない。

悪いことだと分かっていても、自分を守るためには長いものに巻かれるしか術がない。

だれも自ら弱者になる選択はしない。

自ら進んで、好んで虐められたいと思う者はいない。

弱者にならないための方策しか考えないものだ。

それでホンマにええんか!?

そんなんで、大事な人を守れるんか? 

という監督の問いかけが私には伝わってきた。

本当に本当に辛い内容だったが、見終えたあとジワジワ余韻が棚引く作品だった。

ということで、本来全く観る予定になかったのですが、去年たくさん映画を観たのでポイントが貯まり、今年はあまり観ていなかったため、有効期限が近づいてきたので、無駄に消滅させる前に観てきました。

他に観たい作品がなかったので、予告編を観てこれに決めました。

〇〇ノアールというか、不条理ドラマを書く脚本家として有名な野島伸司さんの1990年代のドラマ群がフラッシュバックされた。

「家なき子」もそうだけど、「高校教師」とか「未成年」も不条理モノやん。

ま、一番フラッシュバックされたのは三上博史さんと鈴木保奈美さんの「この世のはて」でしたが…。

あ、恋愛ものではありません。世界観が「この世のはて」に近かっただけ。

もう誰も救われない!報われない!

それにしても、ソン・ジュンギ、めちゃくちゃイケメンやな!

と対照的な主役のホン・サンギ。イラッとさせるくらいリアルな存在感だった。でも、ウルッとくる演技もあった。

まさしく、「女殺油地獄」の与兵衛を彷彿させるシーンがあって、めちゃくちゃリアルで怖かった。

人間は、一瞬で人格を(見)失うことがある。これぞ、魔が差すの真意だと思った。

それを踏まえても、映像は抵抗があると思うが、たくさんの大人に観て欲しいと思った。政治家もね。

ま、近くに座っていたオジサンは、退屈そうにしていたから、響かない人には響かないだろうね…。