エンジェルス・イン・アメリカ 通し二回目

2023-05-28 00:30:00 | 舞台
いやー、まさか、二回目でロイ・コーンに強く共感するとは思わなかった。ジョーに対するアドバイスは間違ってないよ、第一部「ミレニアム迫る」ではね。


ということで、兵庫公演が観れかどうか分からなかったので、せっかくの2連休、コロナワクチン接種日を変更し東京一泊して、丸1日エンジェルス、丸1日歌舞伎を観てきました。

結局、6月は兵庫公演も豊橋公演も仕事で行けないので観に行って正解でした。


まさか前回観たあと、キュンキュンではないが数日余韻を引きずってしまい、こういう時はもう1回観るに限るので予定を変更してチケットを取り、夜行バスで帰ろうと手配していました。そしたら、まさかの例の報道で東京に一泊して歌舞伎を観てきたわけであります。

結果的には、コロナワクチン接種日変更して大正解だった。

ワクチン接種した次の日は勤務しないといけない状況でしたが、副反応の発熱は薬で大分マシになったが倦怠感が酷かった…。


ということで、

第一部を観る限りでは、

ロイ・コーンは、天使と悪魔が渾然一体となる象徴人物に感じた。

天使(守護天使=導き屋)と悪魔(超自己中と権力魔)のどちらも素であるところがロイ・コーンの最大の魅力だと思った。

決して偽善者ではない。善を売り物にしていない。性格が真っ直ぐなだけ。発言もド直球だしね。

前回観た時は、ロイ・コーンは、アメリカ社会の象徴的人物(権力を傘に人を支配する)だと思っていたが、実はアメリカの腐った社会を変えようとしていた人物だったのでは?と善人に見えてきた。

彼は、共和党のレーガン大統領を支持していたか?

いや、違う。

ゲイ差別をするレイシストか?

いや、違う。

本当に悪い人間なのか?

決して違う!

彼こそ本当の意味でのリベラリズムの人間だったのかもしれない。

絶対悪の象徴の人物だと見せかけておいて、実は、当時のアメリカの共和党一辺倒の風潮を変えて、それこそ多様性の社会作りをしようとしていたのではないか?といい人物に見えた。第一部ではね←ここ強調!


彼は、間違いなく同性間(愛とは書かないよ)のセックスでAIDSを発症した。

彼の言い分は、男同士でセックスしたからといって、それがホモセクシャルとイコールではないと主張。

これは、私の解釈だが、同性とセックスしようが、異性とセックスしようが、LGBT枠にはめるな!と言いたかったんだと思った。それこそ偏見なんだよ。

ロイ・コーンにとって同性とのセックスはお酒を飲むのと感覚的に変わらないんだよ。今日はワイン、明日はスコッチみたいな…。

だが一方では、彼は、エセル・ローゼンバーグを強引に死刑へと導いた冷血漢。それは、彼女がユダヤ人なのに共産主義者のスパイだったから。冷戦当時では、ソ連はアメリカの敵である。

エセルを強引に死刑へと導いた。それは、ロイ・コーンが権力思考が高いというより、自分が法律だと思っているような人間だから。

彼が決めたことは絶対。NOは言わせない。


ロイ・コーンは、ああいう物言いのきつい人物ではあるが、特にジョーに対する発言は、私には正論にしか聞こえてこなかった。

そうなんだよ!

たとえ夫婦間といえど、夫婦間だからこそ自己犠牲はつきものなのかもしれないが、自分はどう生きていきたいか?が重要だと思う。

ジョーとハーパーはお互い問題を抱えているから、どんなに話し合いをしても結局平行線を辿る一方だけどね。

ロイ・コーンの言ってることは一理ある。私もロイ・コーンなら同じこと言うね。

君には君の人生がある。選択する権力がある。奥さんにも奥さんの人生を選択する権利がある。お前の本心はどうしたい?魂がワクワクする方を選択しろ!

ってね。


ジョーの気持ちも二回目にしてめちゃくちゃ共感してしまった。あ、ゲイのカミングアウトではないですよ(汗)

あ、ちなみに、私の場合、パートナーが男性であれ女性であれ、誰に惚れるかが重要なので性別は全く関係ない。最近流行りの人間愛者ですわ(笑)ま、少なくとも面倒くさい相手はお断りだけどね。

あ、相手にも選ぶ権利あるね(汗)

ま、このブログを始めてから誰とも付き合ってないけど…。っていうか、どうやって付き合うのか、付き合いの始め方を忘れたわ…(汗)


それはさておき、

私も、母親が新興宗教信者だったから、いい子になりなさいと躾けられてきた。

それこそ悪いことをしたら地獄に行くと教えられてきた。

自殺したら成仏できず地を這い回るとも言われ続けてきた。

人に良いことをすれば、得を積めば天国に行けると言われてきた。


偽善者になれ!とは教育されてないが、たとえ偽善であったとしても、自分の本心を隠して人に尽くすことは正義だと思っていた。

ジョーと同じで、良いことをすれば罪悪感や罪が軽くなる、いや消えると思っていた。

それは、本心の善行ではないから、当たり前だけど良いことが起こるわけじゃなく、むしろ輪をかけて悪いことが続くことがある。

それこそ、一昔は、こんなに人のために自己犠牲してるのになんで悪いことばかりおこるねん!とそれこそ神様全否定していた時期もあった。

そう、押し付けがましかったね。そりゃ神様も嫌うよ。

でも、今は、何事も必然。起こるべくして起こり、過去の因果によって導かれた結果が今である。与えられた試練に対してどう乗り越えていくかが本当のお試しなんだよ。結局のところ、社会でもそこの対応力を問われるんだけどね。

それこそ、一昔だったら思い通りにいかなかったらブチキレることがあった。やっぱ親父の血を引いてるなーとつくつくづく思うし、今なら親父の気持ちもよく分かる。

だからね、何事も焦っても仕方ない。過去には戻れないのだから。最善策を見つけて前進するしかない。


職場でも、一昔は、困っていたら積極的に助けてきた。ここで助けないと辞められては困るという下心があったから。あ、スケベ心じゃないからね!(汗)

今は、必要最低限の助けしかしない。

助けることとお節介は別ものだから。

何でもかんでも助けてしまったら、その子は成長しない。

自分で困難を乗り越える術を学ばないといけない。

その子の人生は私の人生じゃない。もちろん私の子供でもない。もし、退職を希望したならばその意志は尊重するしかない。

本心は、誰かを救いたいんじゃない。結局は、職場のため。


本当の救済は、自分が自分を救済することから始まる。

魂の救済は、神様が行うんじゃない。自分なのである。

誰かを救いたいなら、自己犠牲の救済ではなく、自分自身を救済してからである。

自分自身を救う術が分からないのに、どうして他人を救える?

本当の自由とは、自由意志で生きていくこと。たとえそれが法を冒す行為であったとしても、自分の意志を自分自身が尊重すべきなのである。

その象徴がロイ・コーンだったのではないかと思った。

ジョーに言う、2つくらい冒せる法律を見つけろ!的な台詞がめちゃくちゃ私の心に響いた。ちゃんとした台詞は忘れたけど…。

何でもかんでも、親の言いなり、社会の言いなりになるな!と言いたかったんだと思うよ。

しきたりやルールに縛られずに生きていくこと。もちろん法律を冒したら犯罪になってしまうが、そうじゃないなら、自由意志で生きていくことが魂の救済に繋がると思った。

極悪人になるならなるで覚悟を決めろ!結果を恐れず、自分が良いと思ったことは、他人の意見に左右されず覚悟して実行しろ!の象徴人物だと思うよ。

彼は、自分の責任で悪事を行ってきたと同時に、信頼できる相手は出世させようと彼なりに愛情を注いできたと思うんよ。特にジョーに対しては、同性愛ではなく、父性愛で接していたと思う。

と思うと、ロイ・コーンがめちゃくちゃ愛おしい人物になった。

と第一部「ミレニアム迫る」では思ったんだけどね…。

でも、

第二部「ペレストロイカ」では、やはりロイ・コーンは酷い人間だと思った。ジョーの出世の口利きは自分の味方を増やしだけ。不正の代行に利用したかっただけ。

もちろん、父親のいないジョーの精神的な面において…?経済面において…?仕事面において…?父親になりたかったのは事実だと思うけどね。ロイ・コーンにとってジョーは息子みたいな存在だったと思うよ。

第二部ペレストロイカにおけるロイ・コーンは、AIDSに効果があるかもしれない治験薬(だったはず)をたくさん貰っておきながら結局亡くなってしまったというアイロニーの対象人物になってしまったけどね…。



そして、第二部のテーマは、預言者、変化、そして生きる

プライアーは預言者となって、夢または妄想でVISIONが視えて、面白いのは、ハーパーの夢または妄想の世界でお互いが出会ってしまうこと。プライアーが預言者であると同時にハーパーも実は預言者になっている。VISIONが視えているから。

私流に言えば、2人とも妄想というパラレルワールドで生きることを選択する。妄想の中で、変化を留まらせようとする(=死へと導く)天使と闘い、妄想の世界に現実逃避することをやめ、プライアーは自由意志と自由選択で生きることを望み選択し、ハーパーはジョーと決別し新しい世界で生きていくことを選択する。

2人とも、誰かに与えられた自由選択では生きるのではなく、自分で進む道を決める。

前回は、ジョーが全然救われていなくて、あんなにも自分の殻を破って前進しようとしているのに、全く報われなくて…。正直、数日経っても余韻を引きずっていて、二回目を観る決心をして東京まで来たわけですが、

二回目は、まさかのジョーに若い頃の自分と重なる部分があることを発見し、というか思い出し、ジョーはジョーで未熟ながらも愛を学んでいるし、そりゃ以前は自分を抑圧した愛情を注ぎ、その愛情は、善人になるための振る舞いであって、俯瞰した上で相手を想ってのことではなかった。それは完全に自己満足の救済に過ぎない。

自己犠牲と無償の愛は、似て非なるものである。

自己犠牲は、やっぱり犠牲なんだよ。やっぱり苦しくて辛いんだよ。

無償の愛は、最初から見返りを求めていないから、覚悟も出来ているし、相手の喜びが純粋に自分の喜びになる。

自己犠牲は、やはりどこかで見返りを求めている。無意識にね。

幽霊のロイ・コーンがジョーに何を学んだのか聞いてキスするシーンが印象的で、前回は、えっロイ・コーンとキスするの!?とは思ったが、

今回は、おはようの挨拶のキスでも、肉欲のキスでもなく、ジョーはジョーなりに苦しんで苦しんで苦しみ抜いた果てに、習慣でも私利私欲でもなく、相手を想う優しさ学んだキスに感じた。

前回は可哀想な人だと思ったが、ジョーは長年蓄積してきた分厚い殻を破りやっと自己開放することが出来た。次は、自己犠牲の愛ではなく思い遣りをもって誰かを愛することができるだろうな~と希望を持って見届けることができたよ。

そう、ジョーよりルイスの方が酷かったね。ルイスが二番目に自己中だね。

少なからずとも人間はルイスのように、臭いものに蓋をし、見たくないものは見ない都合のよい人間がほとんどなんだよ。


第二部のタイトルがなぜ旧ソ連のペレストロイカだったのか?

そう、旧ソ連もまた、ゴルバチョフ政権時代にペレストロイカ政策を打ち出し、結果、社会主義国家が崩壊し、資本主義とは言えないが、新しい国家に変化した。ドイツもベルリンの壁が崩れ資本主義の国家統一を果たした。


変化するということは、間違いなく前進している証。

踏みとどまることも平和なら時には大事だし、変化することで新たな争いを生むのも事実。

そして、経済成長を果たすことで、チェルノブイリの原発事故や地震による福島の原発事故のように取り返しがつかない大惨事も起こりうる。

国家にとって変化することは、政治家の私利私欲や私腹を肥やすためではなく、国民が平和に幸せに生きていけるために必要な変化でなけはならない。

旧ソ連はなんのために崩壊したのだろか?再びソ連復活しようとする現状が嘆かわしい。

今、「エンジェルス・イン・アメリカ」を上演する意味が、世界情勢からもコロナの感染面からも、そして精神面からも大いにあったね。

性格云々さておき、生きてだけでそれだけで素晴らしいんだよ。

だから、もっと人を大事にしろ!自分を大事にしろ!

私なら、

干渉しすぎるな!相手にも人生があるのだから。

と付け加えるが…。

本当にいい作品だった。


最後に、

素晴らしい作品を上演して下さりありがとうございました!

第一部第二部通し日は、役者さんもスタッフさんも大変でしょうが、全然退屈感なく観させていただきましました。

明日で東京千秋楽。長期間本当にお疲れ様でした。

次は、豊橋と西宮で通し上演。頑張って下さい!

演劇ファンは必見ですぞ!









市川猿之助奮闘歌舞伎公演

2023-05-27 00:52:00 | 古典芸能
さすが植田御大!と言うべきか、さすが猿之助さん!と言うべきか、

「不死鳥よ、波濤を超えて」は、

宝塚とスーパー歌舞伎が融合された、宝塚ファンには堪らん内容でした!

ベルばらと風共で宝塚史上空前の大ヒットを飛ばした御大の、もっとも脂が乗った時代の作品だけあってめちゃくちゃ良かった!

音楽は変更されたということで、猿之助さんのセンス素晴らしい!

っていうか、メッセージがめちゃくちゃタイムリー過ぎて、上の巻も下の巻も鳥肌ものだった!

團子君のお芝居を観るのは初めてだと思うが、度胸と根性が座ってる!
團子君の知盛、めちゃくちゃカッコ良かった!

そのオーラに身震いするくらい鳥肌ものだった!

いやいやいやいや、ほんまに19歳なん??

19歳とは思えない貫禄と包容力にぶったまげた!

こんな言い方したら悪いけど、

さすが猿翁さんのお孫さん!さすが世界が認めた香川照之さんの息子さん!(あえて中車さんとは書かないよ)

身長も高く宝塚的な白の衣装がめちゃ映える!

團子君だけではないが、1日で仕上げてくる集中力と責任感に感服します。めちゃくちゃ素晴らしかった!

隼人氏のお芝居を観るのは初めてではないと思うが、楊乾竜を演じた隼人氏のオーラも凄まじかった!

こちらも高身長で、歌舞伎界のトップクラスのイケメンだから、中国の派手な衣装が似合う似合う!

スーパー歌舞伎の主役を演じてきただけあって、團子君とダブル主演?と言いたくなるくらいオーラが半端なかった。

こんなこと書いたら申し訳ないけど、ただのイケメンさんだと思っていたので、ぶっちゃけ毛嫌いしていましたm(__)m

隼人氏の役者根性も伝わってきてめちゃくちゃ素晴らしかった!


ということで、團子君が猿之助さんの代役をするということで、単純にミーハー心で観てきました。

本当はね、演目が発表された時から観たかったのですが、観に行く日がなかったのです。たまたまコロナワクチン副作用療養期間のための連休があったので、ワクチン接種日を変更して観ることにしたのです。

日付を変更せずそのままワクチン接種をしてたら、元気であれば中村座の当日券を並ぶ予定にしていましたが、團子知盛観たさでコチラを優先してしまった次第でございます。それくらい食指が動かされてしまったわけでございます。もう一つ理由があるけど、それは後日。

結果、本当に素晴らしかった!

ひさびさに作品で鳥肌立ったよ!私の記憶では、お花様の東宝版エリザベート初出演以来だよ。


脚本に関しては、あらすじから予想はしてたけど、めちゃくちゃ「この恋は雲の涯まで」踏襲してましたね!

よくよく考えたら、「我が愛は山の彼方に」の方が近かったね。いずれにせよ、三作品の構図は似ている。

ほんま、この恋は〜大好き人間なので、不死鳥も必然的に好き!(笑)

この恋は〜は源義経。不死鳥〜は平知盛。

まさしく源平合戦最終地、壇ノ浦の戦いにおける敵同士を同じプロットで書き上げるなんて!

もちろん、アイヌエピソードはないが、上の巻は日本、下の巻は中国の設定であったり、義経と静御前と同じ関係性を知盛と白拍子若狭で表現したり、大仕掛けの船のシーンのクライマックスが崖であったり、若狭が飛び降りしたり、宝塚ではユキちゃんが演じた宋の武将乾王陵と同じキャラ設定の楊乾竜が出てくるし、船に女性を乗せたら沈没する件だったり、宋の国に行くことが目的であったり、金国と仲違いする件だったり、「この恋は〜」のまんまだったよ。

全然嫌いじゃない!

宝塚ではもう上演することはないと思っているので(ワタクシ的には、義経を演じられるのはカチャしかいない。だが他の役を演じられる組がね…)、主人公違いの同じプロット大歓迎だし、ぶっちゃけ、「この恋は〜」より筋が通ってた。

そう、義経率いるモンゴル軍の再集結を前に金国軍が戦わずして撤退するのがどうもいただけなくてね…。

不死鳥よ〜は、下村青さん演じる宰相武完(この恋は〜では、泉つかささん演じる役に匹敵)を知盛が殺し、その責任をとる意味合いも含めて知盛も死ぬ流れが自然だった。

ベルばらのアンドレ同様、刺されて死ぬまでが長いが…。

そりゃ、宝塚の方が出演者が多い分見せ場も多い、不死鳥〜も十分泣ける要素を盛込んでいるので全然文句なし。

キャスト陣が見事に植田御大ワールドを創り上げていたから、めちゃくちゃ世界観に入り込みやすかった。

團子君と隼人氏以外では、もちろん、ヒロインを若狭と金国の紫蘭を演じた壱太郎君の演じ分けがお見事だった。

若狭の可憐さと紫蘭の気強さ、そのギャップがお見事!宝塚では、静とカンと名前は異なるが同一人物である。コチラは全くの別人で顔が似ているという設定。知盛と紫蘭ののすったもんだ関係性も悪くない。

私は、静待てー!のシーンが最高に好きなんだけどね。

鴈治郎さん演じる通盛も、宝塚では静を踏襲しているが、気が狂った演技から素に戻る演技が大好き!なんせ、「この恋は〜」を踏襲しているシーンはどこも好き!

笑也さん演じる陽炎の粋さも素敵だった。宝塚ではリンゴさんこと小乙女幸さん演じるアイヌのチャレンカに匹敵する役でしたね。若狭と対照的な役柄設定がさすが御大!

そうそう、福ちゃんも歌も知盛の家臣として立派に役割を果たしていて、宝塚好きのハッシーが出ていないのが残念でならないが。っていうか三田ママが宝塚好きだとは知らなかった。

宝塚演出家作品に息子2人も出演していて、さぞかし三田ママも大喜びしていることでしょう。

そうそう、あの猿弥さんがめちゃくちゃ優しい人柄をイメージしたお化粧が新鮮で良かった!夜の部とのギャップがいい!

そうそう、金国の国王を演じた米吉君も数々の新作歌舞伎のヒロインを演じてきただけあって、この役は男役だけど育ちの良さが非常に活かされていたね。

ラスト、團子知盛が不死鳥となって宙乗りするシーンは最高に美しかった!

やっぱ植田歌舞伎と言われるだけあって、歌舞伎にピッタリ。ミュージカル風も全く違和感なし!ひさびさに御大作品の素晴らしさを味わえて大満足でした!



夜の部は、ぶっちゃけ書いて申し訳ないが、あまりにも昼の部の派手さとのギャップがありすぎて、正直眠たかった。ついつい鳴り物が眠気を誘う。

コチラは隼人氏が猿之助さんの代役で頑張っていたね。

ぶっちゃけ書いて申し訳ないが隼人氏の女形は似合わないねm(__)m

あんなに美型なのに、やはり立ち役顔だったというわけやね。

隼人氏にはこのまま立ち役を極めてもらって…。

團十郎さんもしかり、立ち役専科は、ケレン味たっぷりの役柄や作品がよく似合う!不死鳥〜の時もそうだったが、ど派手な立ち回りがめちゃくちゃカッコ良い!これからももっともっとを見せてもらいたいね。

夜の部に関しては、書く内容が少ないですが、

團子君の女形も意外と似合っていて、めちゃくちゃ自然でビックリ!知盛を演じた人だということを忘れさせるくらい上手かった!

やっぱ福ちゃんは歌舞伎顔だからめちゃ化粧映えする。ええ男っぷりでした。

隼人氏の役を代役することになった歌もチャンスをモノにしていて、勇ましさが増していて良かった。

若手が多いから、花道を走り抜けるとかスピード感が半端ないね!勢いがあって良いね!

最近は、玉三郎さん中心の舞台しか観てなかったし、主役によってメンバーが固定されつつあるから、今回の猿之助さんの座組は色んな意味で新鮮だった。

歌舞伎って、宝塚みたいにケレン味を売り物にしたショー要素が強かったり、演劇要素の強いお芝居があったりと見せ方が大きく二通りあるけど、

猿之助組は、圧倒的にケレン味中心の作品が多いのと同時に、玉三郎さんもそうだけどちゃんと若手にもチャンスを与えようとしている姿勢がめちゃくちゃ伝わってきた。当の猿之助さんはいませんが…。

でもね、玉三郎さんがお芝居中心に演じ方を教育しているのに対し、猿之助さんは大舞台での見せ方を伝承しようとしているのが今回の舞台で伝わってきた。どっちも大事な要素だからね。


今、若手と呼ばれる若い歌舞伎役者たちがめちゃくちゃ上手くなっていて、少なくともあと50年は歌舞伎界も安泰だと確信した。

ほんま、歌舞伎役者は、マジ男版ガラスの仮面の集団だから天才だらけ!

1日で覚えるなんて!!

追記:猿之助さん、1日も早く歌舞伎の世界にもどってきて下さいね!

猿之助さんにはまだまだ若手に教えることがたくさんある!まだまだお役目が残ってますから!





雪組「Lilac(ライラック)の夢路」「ジュエル・ド・パリ!!」

2023-05-25 01:45:59 | TAKARAZUKA
うーん、黒豹の如くの再来か…。

いやー、とても、「蒼穹の昴」を創り上げた雪組だとは思えないくらい、新公が終わったあとの作品だとは思えないくらい、まだまだ作品が温まってない。

謝先生には申し訳ないですが、脚本演出がアカンわ。生徒が可哀想すぎる。

もうさ、プロローグから軸がぶれてるんよね。

ドイツに鉄道を敷くことがメインなのか、魔女の正体を暴くことがメインなのか、どっちが主軸なんですか?

ドイツに鉄道を敷くことがメインで、魔女の正体はサブストーリーでしょ?

だったらプロローグはちゃんと鉄道の夢を描いて魔女が壊す…みたいなイメージのプロローグの方が良かったのでは?

確かに、ズンコさんと花ちゃんコンビの謝先生演出作「激情」はめちゃめちゃ良かった!あの抽象的な美術めちゃめちゃ好き!大劇場で観たときは、ラストは鳥肌ものだった。

でもね、「黒豹の如く」もそうだったけど、今作も抽象美術が全く活かされてない。私には、全く作品の世界観や空間を創り上げていていないし、お芝居で補完されているとは思えない。

ただだだっ広い空間に巨大オブジェが立ってるだけの印象。

魔女が出てくるから抽象美術にした気持ちも分かる。リアル美術だったらリアル魔女になりかねないからね。

でもね、ぶっちゃけ、全然ドイツじゃないんですよ。架空の都市みたいになってるんので、いつの時代なのか分からない。十分、鉄道が敷かれた未来になってるやん。って言いたくなった。

本来はちゃうやん。広大な草原や大地や農地に鉄道を敷く物語やん?風共と一緒やん?

せめてせめて、ホリゾントに風景画を描きましょうよ?

ホリゾントがまじイメージの邪魔。

きっと、野田さんみたいな舞台空間を創り上げたかったとは思いますが、「激情」が成功したのは、キャラ立ちしてるから。野田作品の特徴は抽象的な美術でも登場人物がキャラ立ちしてるからですよ。台詞でどの場面なのか分かるように説明していたからですよ。わざわざ説明できるのは言葉遊びを得意としている野田さんだからですよ。

今作、シーンは何処なんですか??どこに立ってるの?「黒豹〜」もそうだったからめちゃめちゃ置いてけぼり感を食らった。ドイツの現状が全く見えてこない。想像つかない。本当に鉄道必要なの?緊迫感なし!

近未来のドイツしか想像できない。果たしてそれでいいのか?


だったら、それくらい想像しろよ!パンフレット買えよ!ル・サンク買えよ!

と思ったアナタ!

お金頂戴!と言いたい。

m(__)m

アングラにしたいならもっとわけわからんアングラにしたらいいねん。そのときは、名物シーンが必要だけどね。

ま、それはさておき、

「ヴェネツィアの紋章」の演出がめちゃめちゃ素晴らしかったし、公演も終盤だからめちゃ期待しましたが、まさかの逆戻りで残念でした。

関税同盟の説明は丁寧だったのに、場所説明がない。あ、テロップに出せと言ってるんじゃないですからね。ここがどこか分かるようにどさくさ紛れに台詞で言わせるんですよ。

専門用語の説明は細かいのに、状況説明がほぼなし。抽象美術じゃなくてリアル美術だったら、それで十分説明されてるから台詞にする必要はない。

あと、ドロイゼンの登場人物は、特に5人兄弟は、5人である必要がありました?生徒愛は分かりますが、兄弟にすることでキャラが被るんですよ。いくら兄弟でも分身はね…。結局増えるんだから。そもそも兄弟愛が薄っぺらい。

少なくとも三兄弟まで。他は友人設定にして、キャラ被りは1人で十分。ちゃんとキャラ設定できるくらい、個性が出せるくらい台詞に意味がないと、説明台詞をただ割り振ってるだけなら昭和演劇です。

あとさ、鉄のアクセサリーは悪くないんだけど、株を勝ってもらって筆頭株主になって牛耳ってもらった方がよくないかい?牛耳ってもらっては困るけど、アクセサリー爆買いより現実味があると思いますが…。なんか取ってつけたハッピーエンド興ざめ。

もうね、脚本も美術も修正できないから、あとは生徒たちが、少ない情報量で奥行きがでるよう個性に膨らませ、あのだだっ広い宇宙空間を1800年代のドイツとイメージするしかない。イメージも足りない。

東宝公演までに頑張れ、雪組!としか言いようがない。

わざわざ、ワタクシのためにナチスドイツ時代でないドイツに設定して下さったり、守護天使、導き、魂、双子…などスピワードをふんだんに取り入れて下さったり、先生の気持ちはよーくわかりますが←そんなわけねーだろ!

(笑)

全然生きてませんから!

めちゃめちゃ取ってつけた感ありまくりで冷めます。兄弟設定もしかり。アクセサリーもしかり。

意味がないなら排除するのではなく、意味をもたせましょうね!

せっかく謝先生が選んだ言葉たちには本来ちゃんと意味があるんです。それを生徒の実力で生きた台詞にしてください。

大介先生のショーも、ワタクシのためにパリをチョイスして頂き、感謝感謝。

♪Diamonds Are A Girl's Best Friend ♪はまさかのムーランルージュアレンジに感動!何が何でも観に行く!藁

お芝居がいまいちだったから、相乗効果でショーがめっちゃくちゃ良かった!

あやちゃんのカンカン、ハバマイちゃんのエトワール、空くんのクレオパトラ、最高でした。

109期性のラインダンスがまじキュート!ダイヤモンドノフオーメーションも良かった!これからの宝塚人生を頑張って生き抜いてほしいね。

ということで、今日は個人評は書きません。

m(__)m








平成中村座「天守物語」

2023-05-20 21:26:20 | 古典芸能
まさか姫路で、しかも姫路城をバックに中村座テントで天守物語が観られるなんて!

しかも、しかも、玉三郎さんの演出で!!

しかも、しかも、しかも、玉三郎さんの打ち掛けで七之助丈が富姫を演じるなんて!!!

あー、午前の部も観たかった──(涙;)

ということで、人生初、平成中村座を観てきました!

やっぱ、天守物語は名作やわ!

今回、玉三郎さんの演出で音楽が、まさに宇宙の愛、宇宙の真理を説いたかのような宇宙空間を表現した音楽を使用していて、

最初はぶっちゃけ、音楽と照明が合っていないように感じましたが、話が進むにつれて、富姫がまさに宇宙の真理を語っていて、最後は完全に富姫ワールドに引きずりこまれていました。

せやねん、せやねん!

いくら主従関係といえども、お殿様の鷹を逃したからといってなんで切腹せなあかんねん?人間より鷹の方が大事なんかい?鷹はそもそも人間に飼われるためにいるんやない。広い空を自由に飛ぶもんや。それが自然の法則や。

富姫の、図書之助に問う姫の想い、めちゃくちゃ分かる!

誰が決めたか分からんルールや不条理なルールに、なんで命と引き換えにせなあかんねん。

はいからさんが通るで蘭丸が過ってお皿を割るシーンと同じや

泉鏡花、天才!!

誰が誰かを好きになるのは自然の営み。自分の権力を傘に、そのご都合主義のために不条理に殺したり、殺しあったりするのは人間の営みじゃない。そんなの動物の営みや!

動物は自分自分を武器に戦いに挑むが、人間は身を守るために武器をもつ。最初から負けると分かっているから武器を持つわけやん。動物の方がよっぽど人間より立派やと思うで。

戦争したいなら、武器も戦闘機も弾薬も捨てて、殺し合いせず素手で闘えや!

そんなにも力で解決したいなら、姑息な手を使わず君主同士、首相同士で堂々と戦えや。自分は助かって国民の命だけが犠牲になる理由と意味が分からん。

そもそもな、亡くなった国民にちゃんと哀悼の意を捧げとんか?本気で世界平和を目指せや!

と言いたい。


いつものごとく、話が逸れましたm(__)m



不条理なルールで殺されるより、愛する人に殺されたいと思うそのピュアな想い。

図書之助の想い、めちゃくちゃ分かる!

ワタクシ、10年に一度の割合で天守物語を観させてもらっていますが、今回ほど泣ける作品だとは思わなかった。

富姫の想い、図書之助の想いがこんなにも胸に響いてくることはなかった。

愛し合ってるなら、どんな障害があったとしてもその愛貫けよ!来世とかあの世で結ばれることを決めるのは死んでからや!生きてる間はその愛を貫くねん!それでもアカンかったら来世の課題や。途中で諦めたら来世もヘッタクレもあらへんねん!与えられた命、もう一度出直せや!

と誰かが書かせます。

m(__)m


富姫だって、ある意味権力を傘に(妖術を使ってかな?)図書之助を我がものにすることができるのに、図書之助の意志を尊重してさ。それが真実の愛かはさておき、素晴らしい人格者には違いない。本来あるべき人間の姿です。

さすが玉三郎さん、さすが七之助丈、さすが虎之介君!

めちゃくちゃ良かった!!

最高に良かった!!!

七之助丈が玉三郎さんに見える時があってビックリした。目が見えなくなるシーンね。

まさか七之助丈がこんなに大人の愛の表現をリアルに表現されるとは思ってもみなかった。マジ泣かされた。っていうか泣ける役だとは思わなかった。本当に素晴らしかった!

虎之介君は、やはり芸達者!ていうか、NHKの朝のテレビ小説に出ていてもおかしくないくらい、現代劇でも十分通用する演技力を持ってると思うねんけどな。あ、歌舞伎を辞めろといってるんじゃないからね。歌舞伎俳優の現代劇の演技力は臭すぎる人が多い!と言いたいだけ。


夜の部の最初の演し物が棒しばりで、ほんまに棒しばりでビックリした。

勘九郎さんが、まるでかくし芸大会のようにスゴ技を披露したり、

ハッシーの、先輩の勘九郎さんとの年齢差を感じさせない息のあったコンビぶりだったりと楽しい内容でした。

扇雀さんの、棒しばりでの立ち役と天守物語での女形のギャップがめちゃくちゃイイ!

扇雀さんが時折美輪さんに見えることがあって、ついつい歌舞伎版毛皮のマリーが観たくなった。

最近は、アニメやゲームの新作歌舞伎ばかり増えて、アニメもゲームも興味ない人間には全くアウトオブ眼中やけど。←古っ!

ま、若い世代を取り込むには致し方ないと題材だけどね。

ぶっちゃけ書くと、ゲームやアニメの歌舞伎化で若者の観客増えてるん??

それはそれ、これはこれになってない?

映画代と変わらない小劇場の方が若者多いで。

ナウシカは観ても天守物語は観ないやろ?

どちらも宇宙の摂理を説いた作品やのに。

そもそも、若者に見てもらうにはチケット代高過ぎ!

やはり、團十郎さんみたいに若者に人気のあるアイドルを使うほうが呼べると思うで。ジャニーズはマジ努力家やからな。宝塚同様選ばれた人たちやと思う。いいかえれば、生き残ってきた人たちや。素晴らしい!

たくさん集客できるチャンスがあるのに、なんでピンチをチャンスを変えないのかが分からん。何事も保守に回ってもお金は増えへんで。時代に逆らえる人間が金を回らせられるねんで。


私は、それこそアングラ帝王の寺山作品や唐作品の歌舞伎版を観てみたい。

本当は、今日は午前の部の当日券を狙って朝から並ぶ予定にしていたのに、午前中に仕事が入り観るチャンスがなくなってしまった。午前の部は、チケットを取っていなかったので別の日も並んでいたんですが、私の眼の前で売り切れたりと、結局ご縁がありませんでした。残念ながら残り日数並ぶ機会なし…。

ですが、最低限でも天守物語が観れただけでも、そして、まさか、夜の部でもホリゾント開けてくれる演出があるとは知らなかったので、もう大大大満足です。

ホリゾントを開けたまま3回もカーテンコールがあり観客総立ちで素晴らしい空間でした。

私は二階席でお城は見えず石垣しか見えなかったですが、外からの様子を伺っている方々が遠くに立っていて、めちゃくちゃ異空間要素満載でした。

姫路城が舞台の作品だけあって、天守閣屋上にいた富姫と図書之助が死んで天界人とならず、地上に降りてきて戦さのない平和な地で幸せに生きていて欲しいという祈りと願いが伝わってくるようでした。まさに演目にピッタリな演出でしたね。めちゃくちゃ素晴らしかった!

午前の部には、それこそ姫路城発祥の播州皿屋敷、三島氏の鰯売恋曳網、どちらも未見なので観たかったなー。

もう、姫路ですることは当分ないと思われるので、姫路城世界遺産登録30周年にめちゃくちゃ相応しい企画と作品と小屋でした。

ちなみに登録元年に、平幹二朗さんとウタコさんのベニスの商人を観た。あ、これも親父と一緒に観たわ!車で連れて行ってくれたから。

若い頃は、終電を逃して何回か姫路まで迎えにきてくれたなー。当時は、新聞配達のバイトをしていたから絶対泊まることができんかってん。なのに、めちゃめちゃ遊びまくってた(笑)

今思えば、自分も次の日仕事あるのに姫路まで迎えにきてくれて、ええ親父やったなー。

なんの話や!

姫路とワタシ。

(笑)

オマケ写メ↓


たまたまだけど、加工せずに幻想的な
空が撮れた。姫路城が紫にライトアップされるなんて!さらに幻想感が増す。

っていうか、うん十年ぶりの姫路城、やっぱ規模がちゃうな~。確かに美しい!

若い頃は、へ〜ただの城やん…としか思わなかったのに…。


TAR/ター

2023-05-16 23:57:30 | 映画
全くもってわけワカメ!

(笑)

これって陰謀モノなん?誰かに嵌められたん??

えっ、自業自得とちゃうん?起こるべくして起こったというか…。

私には栄光と挫折と再出発の話だと思ったけど…全然ちゃうんの???

ということで、いつものごとく予告編を観た時に、ケイトの演技に魅了されて観てきました。

あまりにもわけ分からん状態だったので、買うつもりがなかったパンフレットを買ってしまった…。

ぶっちゃけ、日本語字幕だけでは情報量が足りなくて、もっと英語力があれば…と思う作品だった。

コレ、158分もあったとは思えないくらいめちゃくちゃ短く感じた!

さすが、ケイト!狂気を演じさせたらさすがの同郷ニコールでも太刀打ちできんわな!

それから、まさかベルリンが舞台だとは思ってなかったから、個人的にはめちゃくちゃ楽しめた。まさにお導き!藁

トッド・フィールド(トッド・ヘインズと勘違いしてた…汗)、ええ仕事してはりました!

ほとんどのドイツ語の台詞には英訳なし。だから日本語字幕なし。

言ってる内容は、(演奏を)初めからやりましょう!何番の何小節のからやりましょう!素晴らしい!など…大した内容ではない。

しかも、台詞の中にBunkamura(渋谷)とか大阪とか、日本贔屓な単語も出てくるし。あれはベトナムなのか?アジア贔屓なのも伝わってきた。

158分、謎が全く解明されることなく終わったから、全く退屈しなかったよ。ずっと謎を推理しながら観てた。結局答えは見つからずだったけど…。

そもそも、これが陰謀モノだったら一体誰が黒幕なん??と言いたくなるくらい、登場人物皆怪し過ぎ!だれもがター(主人公)を陥れる動機ありすぎ!

いまは、パンフレットをちゃんと読んでないので、感じたままを書きますが、

1番怪しいのはパートナーのシャロンになるよね??フランチェスカもか?

一体誰なん???


でも私の解釈は…、

ターには元々性癖があったし、依怙贔屓癖もあったし、情緒不安定で精神安定剤を飲んでたし…。

精神安定剤を飲む状態というのは、現実と想像(妄想)の境い目が分からなかったり、情緒不安定であったり、感情のコントロールが出来ない、または精神の均衡が保てないからやん。

ぶっちゃけ、ターが見てる世界(観客が見せられてる世界)も現実とは言えないはずだと思うんよね。

私もそうでしたが、精神が病んでる時は、神経が研ぎ澄まされているから、小さな音に超敏感になるんですよ。普段なら全く気にならない音がめちゃくちゃ大きくクリアに聞こえる。場合によってはメッセージだと勘違いすることもある。

結局のところ、ターは誰かに陥れられたというより、昨今の悪質なSNSメッセージと同じで、陥れるというより普通にムカついたから動画や画像をアップしただけに過ぎないと思うんよね。やった側は遊び感覚かもしれないけど、やられた側は犯罪行為だと思うよね。

訴えられたのもポイ捨てするからやないの?人を粗末に扱いすぎやからその報いじゃないの?

現実的には、ターはその性癖が故に、1人の女性を自殺に追い込んだだけでなく、パートナーも恋人?愛人?も裏切りまくってたわけやん。気に入らない人間はクビにしたりしてさ。

何がたちが悪いかというと、感情を抑えきれないこと。理性がない。理性さえあれば、優っていればもっと家庭を大事にすれば、訴えられることはない。

誰かが陥れなくても、自ずと墓穴を掘ったに過ぎないと思うんよね。

これ、現実視より妄想力が優ってしまって自ら落とし穴に落ちてしまうことは大なり小なりよくあること。

感情をコントロール出来ない、冷静になって客観視出来ないことが原因。ついつい他人のせいにしてしまい、自分に原因はないと思い込んだり、または考える余裕がない。

ぶっちゃけさ、人間は仏様じゃないから、喜怒哀楽は当然の感情。極端に感情を出すことが問題なだけ。

だかといって、精神疾患者の人生は生き地獄なのか?と言いたいのではなく、薬に頼らず、もちろん薬に頼ってもいいが、冷静に物事を判断できるようになれば、人生は再出発できる!ということトッドは伝えたかったのではないかとワタクシは解釈しました。

ま、精神を病んだことがある(今もか…汗)私だから、ついつい精神世界にくっつけてしまいがちではありますが…。

確かに、人によっては陰謀モノなのかもしれないが…。

いずれせよ、ケイトの役作りは素晴らしかった。気が狂っていく過程がお見事としか言いようがない。

エブエブより先にこっちを観ていたらケイトを推してしたね!藁

他の女優さん方も男優さんも素晴らしかった。誰もがターに振り回されて不憫でならなかったが、

ターのどこがいいの???と思わざるを得ないくらいターは酷い人間。

だからこそ落ちぶれるのは当然だし、そこから心入れ替えて、しがらみを捨てて再出発するのも生の営みです。

ぶっちゃけさ、説明が足りないし、名前と人物が一致しないし、音楽関係も話もよく分からないから、本当にわけワカメ状態だったが、感覚だけだと、人生捨てたもんじゃない!と解釈したが…、

ちゃうか???

(笑)







最後に、私のブログを読んで下さる方は、私と似た感覚人間だと思っているので、あえてメッセージを書きます。これこそ病気発言(汗)

噂は噂。たとえSNSで拡散された噂であっても、たとえそれが真実たったとしても、証拠がないならやっぱり噂にすぎない。

犯罪を冒したわけじゃないねんから気に病む必要はない!いちいち感情に振り回されるな!エリザベートの姑ゾフィーが言うように、冷酷なまでに冷静でいることが大事。それさえできればもう何も怖くない。

犯罪なら償ってください。ただそれだけ。二度と繰り返さなければいいねん!自殺する必要なんて一切ない!!

と誰かが書かせます。←人のせいにするな!

m(__)m