地球が滅ぶ時まで生命は営まれ続ける。
リアルガンダムの世界観なら、太陽が消滅するまで…かな。
ということで1年ぶりの浦井氏の舞台を観てきました!
いやー、公演発表なったこと時から気になっていた、浦井氏にしては新鮮過ぎる顔ぶれ。同じ役者だけど、専門分野が違うみたいな。本当に楽しみにしてました!
戯曲も現代ドイツ!ヘドウィグに通ずるものを感じた。東西分裂と統一だけだけど(笑)
ドイツの現代劇作家は、ハイナーミュラーしか知らない。ぶっちゃけブレヒトと同じように他人の作品をパクリまくりやけど。めちゃ詩的。
なので、本作が詩的なのも想像できる。浦井氏がアフタートークでも言っていたが、この戯曲の難しいさは、まさに日本語に訳したからだと思う。ドイツ語のままなら、間違いなく韻を踏む戯曲になっているはずだから、日本語に訳すと韻が生きてこない、音で楽しめない。日本語の単語や語彙で楽しむには無理がある。
が、まったく退屈しなった!
むしろ、感覚で楽しめた!
いやー、それにしても、びっくりするくらいの台詞量と登場人物!
誰が誰を演じているんかさっぱり分からん!藁
ただ、第一部は、息つく間がない間が良い!
休憩までノンストップの台詞の応酬。
頭で考える暇がないから、脳に留まった台詞や状況が観客のキーワード、キーシチュエーションとなる。
観た者の価値観で十人十色の感想が出てくるであろう作品だった。
第一部に関しては、最初は、これ、西ベルリンなのか東ベルリンなのか分からない若者文化に戸惑う。
意味不明なシチュエーションの応酬で整理がつかないけど、なんとなく伝わってくる不穏な空気が東ベルリンの象徴だと思った。ま、東ベルリンに限らないけど。
フンボルト大学、フリードリッヒ通りで東ベルリンと分かるが、知らない人なら、東ベルリンも陽気な街なんだと思うはず。実際そうだったんだろね。
東ベルリンって、こんなに西ヨーロッパ文化と変わらんかったん??
ベルリンの壁が崩壊する数年前の設定なのかと思ったら違った。
壁が崩壊する前から西ヨーロッパの音楽や文化が東にも入ってきていたのは知っていたが、
なまじベルリンの壁の崩壊の歴史を知ってる者にとっては、東から西に入ったら捕まる云々の台詞を聞いたら、いつの設定なのか頭がこんがらがる。
休憩時にパンフレットで確認したら、1979年の東ベルリンだった。
崩壊の十年前から西の文化が入っていたことに驚いた。
正直、第一部の状況というのは、東も西も関係なく同じ生活が営まれているように感じた。
好きな音楽聴いて、好きにセックスして、めっちゃ自由やん!?と思った。
が、さっき書いた、(国境を越えて)捕まる、という現実は、西ヨーロッパにはない。
が、生(性)活には、西も東も関係ない。ただ、自由に行き(生き)来するには、ベルリンの壁以上の大きな壁があったということである。
壁の内側にいるだけなら、命の危険はない。
だからといって、壁の内側にいるからといって平和でもない。人間関係の複雑さは内側も外側も関係ない。今の日本、いやコロナ禍で蝕まれている世界と変わらない。
と同じようなことが、第三部でも描かれていたように思う。
壁が崩壊して、東西統一して、本当に国民は幸せになったのか?
西の人達は、ほぼ変わらないけど、東の人間は法律、教育、生活が変わったから、急に自由を与えられて戸惑う国民もいたはず。小野田寛郎さんのように。
そりゃ、精神だって狂うよ!
当時は、BPSDなんて単語は一般的じゃなかったはずだし。
結局のところ、私に言わせれば、資本主義国家も社会主義国家も同じ。どちらも主導者がいるんだから。
資本主義、民主主義が国民に平等か?国民ファーストになってるか?
どうみても、ちゃうやろ!?
社会主義だって、金を持っているのは上位の人間。ま、資本主義のほうが圧倒的に富裕層は多いが。
いつだって、社会を牛耳っているのは、総理大臣でも大統領でもない影の支配者なのだから。
我々国民は、富裕層によって操られている、カイジのように。
だから、エリザベートがそうであったように鳥のように自由に生きることは、実は出来ない。特に一般市民は。それが資本主義の自由。
結局のところ、資本主義であろうとも社会主義であろうとも、目に見えない壁の中でしか自由を得られない。
本当に人類が鳥のように自由に生き始めたら原始時代に遡りや!それは嫌ややな。
正直なところ、舞台だって同じ。脚本というレールの上を役者は走る。そのレールから外れるようであれば、演出家という指導者から叱咤される。
ワンマンダンスなら自由でいいのかもしれないけど。
少なくとも、舞台は、劇場、照明、音響も含め制約の中にしか自由はない。むしろ、制約があるから限られた自由の海を泳ぐしかない。どの泳法で泳ぐかが自由なだけ。選択肢は実は限られている。
それも、生きている間だけ通用する。死んでしまったら終わり。
アフタートークで音楽担当の国広さんが仰ったように、間違いなく、
愛することは生きること、だと思う。
生命の源である。
セックスはもちろん快楽でもあるが、生命を生み出す手段でもある。というか、生命の営みである。
昔ドイツの学生寮にいた時、そりゃもうドイツ人は昼間からセックスしてますわ。音楽のボリュームをあげて。ほんまセックス好き。
同じフロアのトルコ系ドイツ人の友達に、日本は年を取ったら夫婦はセックスしないよ。って言ったらめちゃ驚かれたのを思い出した。ドイツでは、おじいちゃんおばあちゃんになってもセックスしてると言ってた。
だと思う!(笑)
ドイツ人のセックスは、ぶっちゃけ、愛があるからセックスするというより、一種のスポーツのように思えてならない。か、悪く書けば、動物の本能的な。
いや、マジの話。
愛があろうとなかろうと、人類の歴史はセックスなくして語れない。性の営みが社会を動かす。子供がいなきゃ国家は滅ぶ。
あ、決して卑猥な話じゃないから(汗)
限られた命の中でどう生きるか?が最大のテーマだと思った作品でした。
ぶっちゃけ、文句はありませんが、一つだけ気になったことがある。
ドイツ人の服のセンスは、あんなに良くないから!(笑)
辛うじて、水色のボトムが近かったが、ドイツ人の色のコーディネートにはセンスがない!ひと昔のドイツね。
日本人は、モノトーン系が好まれますが、ドイツ人は原色好き!そして、薄手のショール?マフラー?好き。ぶっちゃけ、これがダサいのだ!(笑)
私が衣装担当なら、もっと原色使って!と要求したね(笑)
個人的には、やはり
イッシ リーベ ディッシ!が良い。訛ったアイラブユー。
アインス ツヴァイ ドゥライ!
も笑えた!あ、1 2 3 の意味ね。
第一部が息つく間がなかった分、第二部は、間で芝居していて、そのギャップが良かった。高岡早紀さんの間が素晴らしかった!あ、浦井氏もね!
ト書きが台詞になっていて、ある種ラジオドラマを見てる感じ。浦井氏が映画監督で、高岡さんがプロンプターの設定。前田旺志郎君と岡本夏美ちゃんが役者。
第二部のラストはドラマティックで良い!第一部もそうでしたが、えっ、これで終わり?的な幕引きに驚いたが。
第一部も第二部も登場が多く、役者さんが何役も演じているから頭がこんがらがる。が、決して退屈感がなかったのが良かった。
アフタートークでも感じたが、このカンパニーの一体感が良い。
時たま、内輪の仲良さが観客に伝わればいい、みたいなことを言う人いますが、
内輪ギャグと同じで身内だけ楽しんで観客が蚊帳の外であることはよくある!!
でも、このカンパニーは、観客にも楽しさを伝えようとしているのがよく伝わってきたのが良い!
浦井氏がアフタートークで言っていたように、意味不明な内容だと観客はカンパニーの空気感を感じるしかない。内輪だけで盛り上がらず、ちゃんと観客を巻き込もうとしていたから、本当に良いカンパニーだと思った。
夏美ちゃんが言っていたように難解だったけど、感覚で楽しめました。
篠山輝信君もいいこと言ってましたが忘れちゃったm(__)m
読めば読むほど新たな発見ある物語だと思う!
山崎薫さんがめちゃ良い演技してた!若いのに年齢不詳な演技が良い!
浦井氏に対して、小さい頃から観ていたと言っていて客席爆笑!何歳なん!?とツッコミたくなった(笑)
小柳友君のピュアさに驚いた。お芝居ではリアルにいかついお兄ちゃんなのに、アフタートークは、めちゃピュア!旺志郎君との兄弟愛トークも楽しかった!
高岡さんのツッコミ最高!そりゃ、世の男どもは惚れてまうわ!なんとも言えないアネゴ肌感もありつつ、しっかり人間観察をされていて、根っからの女優魂を感じました。
そして、1年ぶりに拝見した浦井氏は、やっぱり君は主役の方がいいね。脇だと主役を引き立て役に回ってまうからな。高岡さんから、今日は、男らしさが出ていたと褒められていて照れてましたが、昨日までどんな演技をしていたのか気になる。藁
ほんま、誇大な台詞量に驚愕!ただでなくてもザク切りな言葉の集団なのに、ちゃんと状況を想像しながら喋っていたのが伝わったから凄い!と思った。意味不明な言葉の集合体なのに、ちゃんと咀嚼していたから、間違いなくそれば私以外の観客にも伝わっていたと思う。でなきゃ寝てる!藁
それは、浦井氏に限らず高岡さんも皆さんもね!本当に素晴らしいカンパニーだと思った。
あー、次はネイサンか!?
ぶっちゃけ、ワタクシは浦井氏が心配。絶対アドリブが必要だとは思わないが、井上君のアドリブに応えられるか?スカイとネイサンのアドリブ合戦が作品力に一役買うと言っても過言でないだけに…。
舞台袖では、共演者を楽しませていたようなので、是非ともガイス〜でも舞台上で楽しませてほしい。ほんま、親心としてハラハラドキドキもんです!浦井氏、頑張れ!
ということで、実は今日をもってこのブログを一旦閉店ガラガラにしようと、最後の挨拶を昨日の夜から考えていたんですが、
やめました!(笑)
別のブログで心機一転、読む人のためのブログを書こうと思いましたが、それはそれで書きますが、gooブログでの感想ブログはしばらく継続します。
今まで自分のために、たまたま読んで誰かの何かの役にたてば…と思って独り善がりブログを書いてきましたが、
私自身が自分のブログに助けられているので、このまま独り善がりブログを書きます!
ただそれだけ。
(笑)