「デンデラ」

2011-06-28 00:51:11 | 映画
ついこの間、私が好きな邦画で「楢山節考」を挙げたばかりなのに…、これまた偶然というかタイミング良く、故・今村昌平監督の息子さんの天願大介監督が姥捨山の続きを映画化した作品をこのタイミングで観れるとは…。本当、不思議な巡り会わせを感じています。

「楢山節考」の続きだと思ってある程度話の続きを想像していましたが、ものの見事に裏切られました。というか、完全に度肝を抜かれました。特にラスト。言いたいけど、観て欲しいから言わない。

この作品を観ていたら、たくさんの映画がフラッシュバックされました。例えば、「南極物語」「あゝ野麦峠」「マタギ」「ドッグヴィル」、とんちゃんの舞台作品「弥々」など…。

私が大好きな日本画家の東山魁夷氏の絵のような風景のショットがたくさん観れて、それだけでも大変満足してます。まだまだ日本には美しい自然が残っているんだと再確認できました。

そう、もし私が日本アカデミー賞の審査員だったら、浅丘ルリ子さんに主演女優賞差し上げますね。他の女優さんにも、特に草笛さんに助演女優賞を差し上げたい。監督賞と脚色賞もあげたい!

ある作りものに対して多少違和感を感じましたが、そこは皆さんの演技力でカバーされてました。素晴らしかった。

浅丘さんが何故ラストで「デンデラ」と言いたくないと監督に訴えたのかその理由が分かりました。私もカユさん(浅丘さんの役名)なら言いたくない!カユさんは他の人とは違うからね。

あ~、あの終わり方も好きだな。カユさんってやはり「楢山節考」の坂本スミ子さん演じたお婆さんに性格が似ている。原作を読んでいないのではっきりとしたことは分かりませんが、そこは監督の脚色の力であって欲しい。

「デンデラ」って「八日目の蝉」と共通点があって、やはりそこにも思想があって色々考えさせられましたね。

もうなんて言ったらいいか分かりませんが、生きる力をもらったというよりかは、それ以前のものを感じました。今まで忘れられていた感情というか…。

なんせ、もしこの私に悩み事の相談をしてきたら、「くだらんことでいちいち悩むな!このバカヤロゥめが!」と一喝入れたくなるような感情。


今の現代に忘れられている感情がそこにありました。

「楢山節考」とは全く別の感動を味わいました。ほんま度肝抜かれた!

帰りの電車の中で、封印したはずの感情がまた蘇ってしまいちょっと困ってしまいました。あ~悩むぅ~。それこそ、ここで一喝ですな(笑)

今日のまとめ:千円でこの出来なら非常に安い!

女優魂と登場人物の老女魂を感じて欲しいです。私はオススメします!



今だから書けること:封印してた感情とは東京に行くことです。7月は二連休が2回もあったので、東京に行って「ベッジ・パードン」「三銃士(帝劇)」を観たり、あと都庁に寄ってみたり…余裕があればまだ行ったことのない東宝で宝塚をと密かに計画を立てていたんですが、ものの見事に打ち砕かれてしまいました(涙)

去年もそうなんですが、どうも私は東京に行ってはいけない、というか行かさせてくれないんですよね。人から言われるだけでなく、おみくじにも書いてました。旅行は東はダメだと…。何年かぶりに大吉引いて喜んでいたのに…。

誰にも黙っておけば大丈夫!と思っていたら、仕事で阻害されたりと…。私の場合、仕事で生かされているところがあるので(仕事があってこそ宝塚や映画が観れる)、仕事より東京は選べません。仕事優先です。そういう運命なら無理してまでも逆らいません。

「ベッジ・パードン」は間違いなくDVDが出ると思うし、「三銃士」は…みたいだし、都庁は消えないし、東京に行ってもいいgoサインが出るまでは我慢します。

東京に行ける方は私の分も楽しんで来て下さいね!そして、東京でしか観れないお芝居などご覧になられたら是非とも感想を書いて下さいね。必ず探しだして読ませていただきますので。楽しみにしてます!

それでは、また!

宙組 千秋楽

2011-06-20 23:04:52 | TAKARAZUKA
希望した休みではないのに、本当に偶然の休みで立ち見狙いで行ってきました。

まさか、初日、中日、千秋楽と観れるなんてね…。しかも千秋楽の生観劇も初めて。なんか嫌な予感が…。まだ大丈夫!

千秋楽ならではのアドリブが満載で貴重な時間を過ごさせて頂きました。

それにしても、千秋楽のお客さんって独特ですね。ノリがいいというか、熱いというか、とてもいい雰囲気でした。

毎公演千秋楽みたいにたくさんのお客さんが入ってたらいいのにな~って思いました。

お芝居ではまた泣きのポイントが違いましたね。今日は三成と疾風が二人で茶々を守ろうと約束するシーンで涙が…。

カルマダンサーズの三成の葛藤のシーンも良かったな~。

今日は北翔のみっちゃんがとても良かった。いい意味で存在感をアピールしてましたね。特に、牢屋にいる三成に話しかけるシーンのみっちゃんが無言で立ち去るまでの間というか溜め具合がとても良かった!ジーンときました。

やっぱり、テル君の疾風が死ぬシーン、あの笠帽子の扱いがたまりませんね。ここも泣ける。

あっそうだ、立ち見席だったからかもしれないですが、点滅の照明、今日は台詞に集中できました。なんでやろ…?オペラグラス使ってたからかな…?

ショーは前回に続き良かったです。今日のテル君はストレートのロングでしたね。とてもお似合いでした。

今日で大劇場を卒業される御三名さん、東京公演も頑張って下さいね!りりこさんのエトワール毎回圧倒されてます。

祐飛さんの挨拶、“正義は勝つ…”その後なんて言ってたっけ…?客席から笑いが。

そうだね…、正義だけでは生きていけないもんね…駆け引きも必要。そういう内容の話じゃなかったな…。
後日スカステニュースで確認します。

今日のまとめ:祐飛さん、まだ辞めんといて下さいよ!トート閣下もバトラーもアンドレイも観ずに辞めるのは絶対嫌なので!


「カンディンスキーと青騎士」

2011-06-18 21:24:42 | 日記
この前も少し触れたんですが、字数制限上削除せざるをえず。なのでもう一度書きます。

職場の人ではないんですが、ある方が外出先からチラシを持って帰ってきたんですよ。

正直、なんであなたが???って言いたかったんですが、

本当によくやった!って思いました。

未だに信じられません。しかも来週で終わりじゃないですか!?本当ギリギリ。

青騎士の一人フランツ・マルクの動物の絵が本当に本当に大好きで、画集から切り取って部屋に飾るくらい大好きなんです。特に「虎」は一番大好きな絵なので、まさか日本でしかも地元兵庫で見られるなんて、本当に本当に信じられません!本当に何、このめぐり会わせ?って言いたい!

レーンバツハ・ハウスとか青騎士ってメジャーじゃないはずなのに。本当に信じられません。

ずっと封印してきたことなんですが、メインのカンディンスキーは、ドイツのミュンヘンより南にあるムルナウという小さな田舎町で絵を描いていたんですね。私ははるか昔そのムルナウでドイツ語の語学学校に二ヵ月勉強してました。だから余計懐かしくて懐かしくて涙が出てしまいました。

週末だけ五人(まで)集まれば安く電車が乗れる切符があって、毎週末はミュンヘンにサッカーを見たり(クリンスマンが現役だった)、それこそ美術館に行ったりしてたんで、レーンバツハ・ハウス美術館も思い出の一つなんです。

当時、本当に濃い二ヵ月だったので、本当に忘れられない思い出がたくさんあります。今でも走馬灯のように思い出が頭の中を駆け巡ってます。

亡くなられたHさん、ハンブルクで会おうと約束したのに遊びに行けなくて本当にごめんなさい。あの頃の夢叶えられませんでした。見捨てずに天国で見守っててね!


あの頃の仲間たち、どうしてるかな…?

思い出の写真はほとんど捨ててしまったので今では本当に後悔してます。あの頃頑張ってた自分(それなりに)がいたのに、自分で自分を全否定してた時期があってやけくそで捨てました。今思うと本当バカなことしたなあとつくづく思ってます。捨てたものは本当戻ってこないもんね…反省(しました)。


自慢話がしたかったんか!と怒られそうなので本題に入ります。

カンディンスキーってどの程度の知名度があるのか分かりませんが、幾何学的な抽象画で有名です。今回の作品展はその前までの作品が来てました。だからムルナウの絵がたくさん見れて本当嬉しかったです。

恋人のミュンターや青騎士のフランツ・マルク、アウグスト・マッケ、クレー(この中では一番有名です)の作品が少し来ていて、全体的には作品数は少ないですが、個人的には大満足しています。多分私だけだろうね、こんなに喜んでいるのは…?(笑)

カンディンスキーの色の使い方が独特なんです。色の乗せ方が大胆というか幼稚というか…。そのカンディンスキーの絵があの幾何学の抽象画に変化していくのが本当不思議でなりません。

画家に限らず芸術家の人たちって初めは誰もが自分のスタイル(表現方法)を模索して、その結果確固たるものが見つかる・出来上がるんもんなんだな、模索してる時期って絶対大事なんだな、絵画も演劇も同じだなと思いました。

今日のまとめ:本当に信じられません。なんで今なん?(なんかこればっかり書いているような…)
でもあの人がチラシ持って帰らなかったら間違いなく見損ねたはず。誰に感謝したらよいのか分からなくなりましたが本当にありがとうございます。

カンディンスキーの抽象画は、今回は絵葉書でしか見れないんですが、なんか暗号に思えてならないですよね。分かる人にしか分からない暗号。たとえばミュンターにしか分からない暗号。なんかロマンチックじゃないですか???と一人で喜んでました。←バカだね~(笑)


「イングリッシュ・ペイシェント」

2011-06-07 20:30:08 | 映画
この作品、最初に観たのはドイツの映画館でした。英語のドイツ語字幕ではなく、ドイツ語の吹き替えで、その頃は少しはドイツ語を勉強してはいましたが、何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。

でも、友達から粗筋は聞いて知っていたので、言葉は分からなくても映像と音楽で完全にあの世界観にひたってしまい、キップ(インド人の不発爆弾・地雷処理隊員)が不発爆弾を処理するシーンから涙腺崩壊のスイッチがオンになりラストは大号泣するくらい大感動したそんな思い出のある作品です。初めて大号泣した映画なので別格一位です。

サントラは持っています。この前もたまたま聴いていたらやはり映像を思い出してウルウルしていました。なんというか…魂が泣く音楽というか…そんな余韻にひたってました。

ついこの前、ミンゲラ監督の私がまだ観たことない作品の「こわれゆく世界の中で」をレンタルで観たんですが、正直、面白くなかったんですよ。いかにもジュード・ロウのための映画だったので。ま、今のロンドンの街並みが見れたのは良かったですけどね。なんか都市開発中のベルリンみたいでした。話が脱線しました。

そんなこんなで、久しぶりに「イングリッシュ・ペイシェント」を映像で観たわけですが、正直に言うと、まさかの新たな発見があって驚きました。

DVDは持ってなくてもテレビで録画した分を何度も観てたはずなのに、今改めて観ると今だから感ずる新たな発見があって、こんなこと言ったらなんですが、魂が観たがっていたのはこの作品だっだのかと思ってしまいました。

なぜかというと、正に美輪さんが歌う「愛の讃歌」の世界そのものだったからです。ピアフの男女逆ヴァージョンといった方がいいかもしれませんね。まさにピアフとマルセルの不倫関係と、あの歌詞の世界が映像となっていたからです。

愛するあなたのためなら祖国(この映画では祖国ではなく国の方が当てはまる)も友も裏切ってしまった、あの歌詞を実行してしまった内容でもあり顛末でもありました。

興味ある方は観て頂けると有難いんですが、こんなこと言ったらなんですが、私は不倫は百パーセント悪い行いだとは思ってません。
確かに悪い行いです。この作品に登場するコリン・ファース演じる浮気(?)された旦那を見れば分かりますが、許される行いではないです。

でも、本気で好きになった場合はもう仕方ないと思ってます。たとえ好きになってはいけない相手だと分かっていても、強力な磁石でくっついた関係は、第三者が中に割って入ろうとしてもただの藪蛇です。割って入ろうとしたものが逆にとばっちりを喰らうはめになることもあります。痛い目にあうまで待つか、見守るしかありません。第二者はそうはいきませんが。

その愛を貫くか引くかは、本人たちの選択であり責任です。「八日目の蝉」に通ずるとこもありますが、どちらを選択しても、この先待ち受ける出来事に対する「覚悟」は必要です。

覚悟があるかどうか、選択する上で大いに目安になるでしょう。盲目的な愛は誤算を生む確率が高いので、理性はどんな状況においても必要です。

と言いつつも、好きになったもんはしゃあないやん!っていうのが、正直な私の意見です。←なんのこっちゃ…。

まさか、映画を観てこんなこと書くなんてね…。

でも不思議だ…。「イングリッシュ・ペイシェント」を観ろ!って誰かに言われた感じがする。この偶然の導きはなんじゃらほい?って感じです。

今更なんですが、なんであの頃、あんなに泣いたんだろう…?不倫なんてしたことないのに…。なのにいつも不倫もので泣いている…。なんで今になって、グッドタイミングにこの映画にフィードバックしたんやろか…?

魂が求めたんではなく、逆に私が求めたのか…?なんのために!?

今日のまとめ:DVD要らない。サントラで十分。きっと何年か先になってこの映画を観たら、また考え方が変わっているのかもしれないね。

宙組公演二回目

2011-06-06 20:02:46 | TAKARAZUKA
まず石田先生に言いたい!

市が自害するシーンの三成が茶々と出会うところの照明、あれは何ですか?あの点滅の照明、気が散って大事な台詞が流れてしまうので元に戻して頂きたいです。こんな大事なシーンで銀ちゃんテイストは要りません。初日にはなかったはずなのに…。最初の大事なシーンの大事な二人の会話なので、あれじゃ茶々と三成がなぜ惹かれあったのか余計説得力に欠けてしまう。

また、愚痴から始まって申し訳ありませんでしたm(__)m

そのシーン以外ではやはり祐飛&すみ花コンビが紡ぎだす演技の魔力で涙が…。今日はラストのテル君の台詞でも涙が…。

この作品、賛否両論あるのは分かってますが、おそらく私は「誰がために鐘は鳴る」を観てなかったからかもしれませんが、この作品かなり好きです。

宝塚は直接的なメッセージがあるのが宝塚らしさだと思っているし、そのメッセージに何度も助けられているので、本当この脚本好きです。不道徳な内容かもしれませんが、それでも大石先生がどれだけ宝塚が好きなのかがよく伝わる脚本だと思っています。

「生かすことも愛、生きることも愛」、納得。私も「命こそ愛」だと思ってます(←これは『戦争と平和』より引用)。

ついでに、

「愛は、愛すること」(←これは宝塚の王道の曲「愛」より)

宝塚って、ファンも生徒も関係者も愛する(愛に溢れた)空間だと思うので、そういう意味でも良い作品だと思うんだけどな…?

ま、賛否両論ある割りにはお客さん入ってる方だと思うし、すすり泣きしてる人も結構いたし、賛の方が多いと思うんだけど…。

純粋に、たくさんの方に観て欲しいって思いました。

で、ショーの「ルナロッサ」…

がかなり良かった!全然退屈しなかったし逆に好きなりました。初日と内容は変わらないのに何かが変わってた。

見せ場がちゃんと見せ場になったし。中詰めで無意識に手拍子している自分にはさすがに驚いたけどね。

お芝居でもそうなんですが、テル君が完全に宙組に馴染んでましたね。全く違和感ありませんでした。

テル君の女役、今日はロングヘアーでしたが、あのシーン良かった!悠未さんが今度はルドルフとなって、マリーのテル君に翻弄されているように思えてならず、マイヤーリンクみたいでかなり好きになりました。私のイチオシ場面です。

全体的にパワーが満ちあふれていて本当良かった!パワーだけではないと思いますが、何かが違った。

それにしても、まさか、ショーが良かった!なんて書くなんてね…思ってもいませんでした。あ、ごめんなさいm(__)m

今日のまとめ:お芝居もショーも万人受けすると思うんですけどね…。

あ、そうそう、最近アンソニー・ミンゲラ監督の映画が観たいな~と思っていたのは、きっとこのショーを観たからだと気付きました。なので早速TSUTAYAで「イングリッシュ・ペイシェント」借りてきました。洋画では別格一位です。なのにDVDは持ってない…。また感想書きます。