サン・セバスチャンへ、ようこそ

2024-01-26 19:53:11 | 映画
2020年の作品なんやね。そりゃそうか、じゃないとあんなスキャンダルの後で、こんな攻めた作品作れんわな。

と思ったら、去年、フランス、パリを舞台にしたフランス人キャストによる不倫ものの新作がフランスで上映されてたみたいやね。

やるな~、ウディ!

それでこそ、ウディ・アレンや!

ということで、てっきりスキャンダルの後の新作だと思って観てきました。

まあまあ面白かった。

まさに、主人公ウォーレス・ショーンが演じる教授?小説家?はまさにウディ自身やろ!?って言ってもいいくらいウディそのものだった。

日本贔屓してるところも最高だったな!周りはドン引きしてたが…藁

まるで、「カイロの紫のバラ」の主人公の男版であったり、フェリーニの「8¹/₂」や渥美清さんの寅さんのような主人公に思えたし、本心かどうかは不明だが主人公がドストエフスキーを目指しているという設定も個人的にはナイス!でした(笑)

それこそ、フェリーニ風な映像演出もあって、ひょっとしたら、イングマール・ベルイマンやゴダールを意識した演出でもあったのかもしれないが、古き良きヨーロッパの白黒映画の演出があって、ウディの映画愛を感じた。

そこに、日本の傑作作品も紹介してくれるサービスぶり。主人公はおじいちゃんだから、今の映画には合わないという設定ではあるんだけどね。

ぶっちゃけ書くとね、ウディにしては珍しくオチがないというオチに驚いた。

ネタバレしちゃうと、

え゙っ、そのままニューヨークに戻るの?スペインの女性医師とは結ばれないの?

的展開にマジ驚いた。

ウディ作品といえば、ラストの、最終的に主人公はどうなるのか予測出来ないオチやん。今回も、奥さんと別れてそっちと結ばれるんだ〜的なオチだと思ったら、そうじゃなかったというオチ。

毎回、ウディにはシテヤラレタリやわ!

私が考えそうなことを察知して結末を作ってるよね?←そんわけないやろ!?


毎回なんだかんだで騙されたり裏切られてる(笑)

そこがウディの脚本の面白さであるんだけどね。

そして、なによりウディの作品の良さは、

その土地の風景や背景。

今回はスペインのサン・セバスチャンが舞台になっていて、沢山の素晴らしい風景や景色を映し出してくれている。旅行に行った気分を味あわせてくれる。

昔の日本映画もそうだけど、土地開発される前の今はなき自然豊かな景色や街並みを映像として残してくれているのがいい。

オープンセットや人工の景色ではない、自然のままの、当時のままの景色。生きた景色が映画の中に残っている。

もちろん、脚本としてのストーリー描写も大事だけど、映画なんだから、ロケーションも絶対大事だと思うんよね。

ウディ作品は、100年後も記録映画として色褪せないものをもっていると思う。

私の嫌いな「恋するバルセロナ」もしかり、「ローマでアモーレ」、「ミッドナイト・イン・パリ」なんて100年後には立派な記録映画になってると思うよ。100年後には違う風景になっているかもしれないから、昔の街並みや風景に思いを馳せられる作品になってると思うね。

脚本としては、寂しいおじいちゃんの束の間の恋物語。ま、ジーナ・ガーション演じる奥さんの気持ちも分からなくはないが、結婚した理由がね…。まるで少女感覚。

それにしても、ジーナ、昔と変わらず色っぽい。最初に拝見したのがエロティックヒューマンドラマ?「ショーガール」だったからね。この作品、当時評判が悪かったけど、エロティック要素は抜きとして脚本としては素晴らしいと思った。全然舞台化できる!

それはさておき、

本作は、恋愛は、いくつになっても心を元気にさせるパワーを持っている!を訴えた作品だと解釈したので、

スポンサーや出資者がいる限り、ウディには世界中を舞台に、いつか日本でも…、映画を取り続けて欲しいと心から願ってる。

日本でも公開されるのかは分からないけど、「Coup de chance」の公開を首を長くして待ってます!




月組 「G.O.A.T」 ~Greatest Of All Time~

2024-01-25 23:12:48 | TAKARAZUKA
まず初めに、観劇してから数日経っております。状況的に直ぐに感想を書けなかったので、記憶が曖昧になっていることを前提に、興味がございましたらお読みくだささいませ。

ちなみにMCゲストがさち花さんの日でした。さち花さんとチナツ様がテンション高く登場してた!毎回違うのかは知らないけど…。


宝塚であって宝塚でないような、派手派手なショーではない大人な落ち着いた雰囲気があり、でもコメディー要素もあるバラエティーに富んだショーでもありコンサートでもありました。

ということで、最近のトップさんが卒業されるプレサヨナラ作品はコンサートがほとんどで、一度も参加したことなかったのですが、運良くチケットゲットしたので、レイコちゃんと海ちゃんのプレサヨナラ作品コンサートに行ってきました。

ひと昔は、トップさんのプレサヨナラ作品はお芝居が多かったのに、最近はめっきりコンサートが多いね。

は、いいとして、

石田先生の演出だけあって、まるで「銀ちゃんの恋」のプロローグのような映像演出から始まり、これまでレイコちゃんが演じてきた役柄を歌にしたり、オダチン剣心とレイコ四乃森蒼紫との殺陣があったり、タンゴやジャズ、クラシックのダンスシーン、8時だよ全員集合!(←超古い!藁)的な学園コメディーものがたり、レイコちゃんの片言の日本語を喋る先生やチナツ様の男前なJKぶり。そしてまさかの観客参加型座席チョイジャンプ(笑)はい、ワタクシも跳びはねました!藁藁

あと、トーク、アコースティックソングス、中島みゆきさんの名曲…。

ノンストップとはいえども、たった2時間とは思えないくらい密度が濃く、月組の組子たちの朗らかな関係性が覗えるアットホーム感もあって本当に楽しかった。

トップさんのコンサートは初参加だったので、宝塚で客席のペンライトも新鮮だった。色が何色も変わるんやね。曲によって色が統一されたりバラバラになったり、綺麗だった。見事な一体感でした。

石田先生のショーは、なんてたって、いっちゃんこと一路真輝さんのトップお披露目のショー「TAKE OFF」がマイTop10に入るくらいビデオをヘビロテしまくった大好きなショーだったから、あ、だから学園ものがあったんかー?(「TAKE OFF」のプロローグは、組子たちが学ランを着て雪組応援歌を歌うところから始まる)

石田先生のショーは、あの頃と同じくバラエティーに富んだ内容で楽しかった。お芝居と違って悪ふざけもないしね。あ、学園ものは悪ふざけだったのか???藁

アコースティックギターを歌うレイコちゃん、チナツ様、オダチンの3人の関係性て雰囲気がめちゃくちゃ良かった。ベッタリ仲が良い関係性ではなく信頼関係でなりたっているような関係性。チナツ様が上級生上級生らしくしてないのがめちゃくちゃ好感が持てた。スカステに入ってないから組子同士の関係性って分からないからね。

それはそうと、このコンサートでは、私のハートをピンポイントで突き刺してくる曲が用いられていて、

海ちゃんの「ミーマイ」のサリーの曲からの、海ちゃん中心の娘役による♪アパッショナード♪めちゃくちゃ大興奮!

そこから、レイコちゃんも海ちゃんもまだ歌劇団に入団する前の月組ソングが歌われる。

「ヴァンパイア・レクイエム」のデュエットソングに、他にもあったけど忘れた…(汗)

サン=サーンスの♪死の舞踏♪は、ついこの間までYouTubeで色んなバージョンの演奏を聴きまくっていたので、ピンポイントでプチ興奮してた。

♪cheek to cheek♪も思い出深い曲なのでめちゃくちゃ嬉しかった。

チナツ様が、エルトン・ジョンの♪your song♪を歌ってくれるなんて!!えっ、私のために?と思ったほど(笑)

まかのウタコさん時代の、知る人ぞ知る♪愛はるかに♪(ショー「ザ・ドリーマー」より)

レイコちゃんが、中島みゆきさんの♪銀の龍の背に乗って♪を歌ってくれて、今年は辰年なので今月の休みのほとんどは、東京に行った時も神社巡りをして辰年の大絵馬を写メ撮りまくったくらい龍神様大好き人間には堪らん曲でした。

ちなみに、一番の大絵馬は、橿原神宮でした。同じ柄の絵馬が欲しかったな…。

は、さておき、

レイコちゃんと海ちゃんのプレサヨナラ公演コンサートに参加できて感動!昔は雪組贔屓でしたが、今は月組贔屓なのでチケット取れて感謝感謝でございます。

あとは大劇場のチケットが取れるかどうかが悩みどころ…。

立ち見でいいのでチケットゲットできますように!m(__)m

























カラオケ行こ!

2024-01-24 21:33:55 | 映画
前置きとして、めちゃくちゃネタバレしているので悪しからず。


普通に良かった。

本来は全く観る予定になかったが、感想レビューの評価が高く、尚且つ中学生の男の子が合唱部の一員で声変わり中という設定ということで、ラストまでの流れも知った上(つもりだった)で観てきました。

やはり、百聞は一見にしかず、ではなく、十人十色だった。

ラストまでの展開を知っていたとはいえ、私の想像と違う展開だった。

てっきり、綾野剛君含むヤ◯ザの皆さんは、地上げ屋だと思いこんでいた。

土地開発の犠牲となった古き良き商店街と、男の子の声変わりという成長期においてもう数年前の声に戻れない現実とをリンクさせながら、綾野剛君演じるヤ◯ザとの友情と裏切りを描いた作品だと思っいたら、

めちゃくちゃ青春ドラマだったやん!?

私の妄想の世界では、

ダブル主演的存在の斎藤君演じる男の子の家は、商店街の中に佇む自営業のお店で、地上げ屋によって立ち退きを迫られている。近所のお店も次々閉店と立ち退きしていく中、斎藤君のお店だけは頑張っていた。だが、時代の流れと地上げ屋の圧力で斎藤君のお店も立ち退かざるをえなくなった。その地上げ屋のボスが綾野剛君演じる狂児だった。その事実を知った斎藤君は狂児の元に行き、なぜか、狂うように♪紅♪を歌う…

という展開だと勝手に妄想していたら、

全然違った!(笑)

私がレビューを見聞きした内容から想像した展開と全く異なっていた。

そういう意味では、百聞は一見にしかずだったが、作品としては、私の想像も妄想も越えない内容だったので感想は十人十色って感じでしたね。

ぶっちゃけ、私には普通でした。

もうね、斎藤君の家が自営業でもなく、団地住まいだった時点で、あれっ?なんか違うぞ???と首を傾げていました。

商店街エピソードも、ほぼ見せてるだけの商店街だったし、もちろん地上げ屋による立ち退きを迫るシーンもない。

そういう意味では、狂児のカラオケエピソードと斎藤君の学校エピソードだけしか映っていないので正直長く感じてしまった。

そもそも、狂児が歌の先生として斎藤君を選んだ理由は??どこで天使の歌声を聞いたの?

まさか最初の合唱コンクールで目をつけたわけじゃないよね?あの時はもう歌ってないはずだよね?ソロがない限り斎藤君のソプラノを聞く機会はないはずだし。

たまたま会場の階段で出会ったのが斎藤君だったってこと?斎藤君でなくてもよかったってこと??

歌っているシーンはなくても、せめて狂児が斎藤君に目をつけるきっかけとなるエピソードは映像でも必要だったと思うんよね。

私の妄想エピソードとしては、商店街で自営しているという設定を前提として、いつものように立ち退きを迫るためにお店に行った時に、二階から斎藤君の歌声を聞こえてきた。何度も何度も聞いていた。というエピソードならめちゃくちゃ腑に落ちるんだけどね。

という具合に、

映画を観ながら自分の妄想力を働かせつつ答え合わせをしていました。藁

残念なことに全然正解することはなかった。藁

あ、めちゃくちゃ批判しているかと思われるかもしれませんが、そうじゃないので悪しからず。

こんなこと書いたらなんですが、「春画先生」のトンデモ展開に比べたら、こっちは純粋に青春ドラマだったし、私の妄想力が勝っただけで内容は非常にシンプルで普通だったというだけのことなので作品としては普通に良かった。

ラストの斎藤君のスナックシーンは、ぶっちゃけウルウルした。素晴らしい♪紅♪だった。声変わりの過程も表現されていてお見事でした。スナックシーンは、私も騙された(笑)

私自身、小学校の頃、声変わりする前は私も斎藤君と同じくソプラノで合唱コンクールの選抜メンバーに選ばれていたので、コンクールシーンは非常に懐かしかった。

学年的に最後の出場の時は声変わりでソプラノも出なければ音程も取れない状態だったから、斎藤君みたいに歌えなかったけど…、私は斎藤君と違って出場を辞退しませんでしたが、コンクールでは歌わず口パクしてた。だから斎藤君の気持ちがめちゃくちゃ良く分かる!

映画では、合唱部の部活シーンがリアルで良かった。斎藤君はもちろんのこと、和田君役の男の子がめちゃくちゃ良い存在感だった。副部長の女の子も良かった。映画部の男の子も。

私が想像していた展開とは大きく異なっていたけども、私の青春時代を思い出すことが出来たのは良かった。私は、合唱コンクールで歌った「サウンド・オブ・ミュージック」のタイトルソングがミュージカルの出会いだったので、今思えば非常に感慨深い。当時はまだミュージカルにも演劇にも全く興味なかったからね。


ということで、レビューの高評価で観てきたわけですが、本当に斎藤君の演技は素晴らしかった。

ある方が仰ってましたが、子役にも新人賞ではなく男優賞をあげたくなる気持ちが分かる演技でした。やはり、大人が優先になっちゃうもんね。

主演の綾野剛君も歌が凄かった!♪紅♪を裏声で本当に通しで歌ったの?だったら凄い!

地声の♪ルビーの指輪♪♪タイガー&ドラゴン♪も良かった!

役としてもピュアーにヤ◯ザ役を演じられていて、最後までいい人だったのは、私の妄想とは裏腹に逆に良かった。ストーリー上、映画に出てくるヤ◯ザは基本悪い人ではない。私の妄想力では悪い人たちだったけどね。

思っていた以上にコメディー要素がふんだんに散りばめられていてクスッと笑えるシーンも多々あったし、ラストの見せ場とオチは良かったし、斎藤君のブチ切れシーンと歌は本当にウルッときた。

作品としては、本当に、普通に良かったよ!


そうそう、車のナンバーが「大阪」なのはダサくないか?やはり「なんば」か「難波」やろ?

あと、大阪のどこが舞台になっているのか、山が見えるから高槻?学校名から守口?キレた時の言葉が河内弁やったから岸和田?と思ってエンドクレジットで撮影場所を確認したら、

府中やん!?東京やん!?大阪ちゃうやん!?しかも横浜もあったよ。めっちゃ関西弁喋ってたやん!?

そもそも、ミナミ銀座なんて聞いたことないよ!

これが最大級のオチやったわ!(笑)

それにしても、映画館は、女性客が圧倒的に多くてビックリした。スマイルアップ主演・出演でも女性客は少なかったのに…。

綾野剛君ファンとしか考えられへんな。それなら凄いね!














星組「RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~」「VIOLETOPIA」

2024-01-19 22:06:50 | TAKARAZUKA
先ずは、

ヒトコちゃんと美咲ちゃんの花組次期新トップコンビおめでとうございます!

どんな作品を観せてもらえるのか楽しみです!

新作はもちろんのこと、再演作も楽しみです。エリザベートは置いておいて、エル・アルコンはどないでしょうか??ヒトコちゃんでダークヒーローが観たい!


では、ここから本題。

先に書いておきます。X等の評判で大いに楽しみにされている方は、めちゃくちゃネタバレしています、皆様のワクワク感を阻害する自信があるので鑑賞後にお読み下さいませm(__)m




あ〜、

途中までめちゃくちゃ良かったのに、なこっちゃんと詩ちゃんのシーンからモヤッと感が拭いきれない。

極美慎君の役設定はラストの大団円のことを考慮してのことだから百歩譲って良しとしますが、ネックレスの扱い方だけは残念でしかない。

あれだと取ってつけた感丸出しになってしまっていて、映画オリジナルのようにネックレスの存在理由や必然性が全くない。アリちゃんが持ってるだけで十分。なくても問題なし。

太陰のネックレスの存在が物語のクライマックスへ導くキーアイテムになるわけだから、そこはちゃんと生かす見せ方をして欲しかったな。

なこっちゃんと詩ちゃんのシーンとは別に、詩ちゃんとビームのシーンも絶対必要やと思うねんけどな〜。

そのシーンがあることで、ラーマへの誤解が解け、ラーマと共にイギリスに挑む絆がより強く熱くなったと思うんよね。カタルシスを味わえる最大の見せ場に持って行けたと思うんよね。

なこっちゃんを誤解を解く人物にしたらアカンと思うねんな。

それに、なこっちゃんと極美慎君の関係性もモヤッとして仕方ないんよね。なんで素直にトップコンビをくっつけないのか疑問でしかない。星組のトップコンビはいつも報われない作品ばかり。

ま、それ以上にネックレスの扱い方が残念で仕方ない。

結局のところ、ラストの大団円のために、こっちゃんとなこっちゃんをどう再会させるか?極美慎君をどう加わらすか?が谷貴矢先生の悩みどころだったと思うんよね。

だからといって、ワンシーンでなこっちゃんとをシータと出会わせてからビームと再会の流れにするのはな~、いくら100分で収めないといけいといえども、他の見せ方もあったと思うんよね〜。ネックレスを最大限に生かしてクライマックスに持っていて欲しかったな。

それ以外は、谷先生天才!と思ったくらい上記シーン+αを除いて脚色演出が素晴らしかった!

映画は、上映時間3時間以上。まるで中島かずきさんの脚本作品みたいに二転三転四転五転とバク転するんじゃないかくらいのどんでん返しの連続で、全く飽きさせない展開と見せ方だった。その作品を、たった100分でまとめた谷先生の手腕にはマジ唸るしかなかった。

映画を観た者としてはらなこっちゃんと詩ちゃんのシーンまでは本当に素晴らしかったんよね。

舞台ならではの、というより宝塚ならではの演出で、ナトゥダンスは最大限の見せ場だったね。

映画だと、アリちゃんの役がラストの主役になってしまうので、その匙加減も良かった。

こっちゃんとアリちゃんが協力して子供を助けるシーンとか、毒蛇に噛まれる、こっちゃんの正体が明らかになる、跪かないムチ打ちシーン、インド人に響くこっちゃんの歌…、映画の展開に忠実に脚色されていて、バイクの不具合をライフル銃に、車の故障を自転車に変更したりと舞台版の工夫も上手かった。

だからなおさら、しつこいですが、ネックレスだけは本当に残念でならない。

それまでの有頂天な心地を味わっていたのに、たったワンシーンで急転直下で奈落に突き落とさせられた気分になった。

裏拳で、なんでやねん!?ってツッコミたくなったよ。

そこから、豪華な客席降りでテンションが再び上がったのに、なこっちゃんと慎君が…な展開に

なんで素直に終わらせてくれないねんっ!?

と、再びモヤッとなったわけでございます。

ぶっちゃけ書くと、映画を観ずに観劇したほうが楽しめる作品だったとは思う。

映画オリジナルは、大評判だったのは知ってましたが、結局観てなかったんですよね。まさか取れるとは思ってなかった星組のチケットが取れたので、たまたま大阪の映画館でドルビーシネマで再上映されるということで、公演鑑賞前に映画を観てきたのですが、映画は本当に素晴らしかった。あえて感想ブログは書きませんが…。

映画が封切られてから、たった1年で舞台化&準備し、ここまで完成度が高い作品に仕上げた谷先生、ホンマに凄いと思った。星組も逆境の中よくここまで団結して作り上げたものだと感動してます。



ということで、運良く一般でチケットが取れたので、1年以上ぶりに生のこっちゃんを拝見して来ました!

「1789」はチケットを持っていたのに中止になってしまったから昨年は全くこっちゃんを見てない。

去年は、カチャが主役の全ツの星組公演しか観てないからね。

やっぱり、こっちゃんは、歌やダンスだけでなく、お芝居が本当に上手い!気持ちの揺れ具合や剥き出し具合とか感情表現が素晴らしい!何もかも良かった!

アリちゃんも、この作品のために星組に来たと言ってもいいくらい、こっちゃんとのダンスの相性がめちゃくちゃ良かった。歌も立ち振る舞いも男っぷりが上がっていて、見違えるほど立派になってた。軍服がよく似合う!そして、益々もりえちゃん顔に近づいてきてる!藁

なこっちゃんは、キュートさは維持しつつも歌の感情表現が更に良くなってた。宝塚版のために微妙に設定が変更になっていたのが、正直納得できないんだけど、相手役が誰であろうとも役に対して真摯に向き合っている姿が本当に素晴らしい!

こちらは大きく設定が変更になっている極美慎君ではありますが、ぶっちゃけ、映画オリジナル同様に完全なるヒール役として観たかった。正直、残念な役になった感が否めない。お客さんから笑いを取ってたので美味しい役だったのかもしれないけどね。

ここからは完全なるワタクシ個人の好みでございますが、総督の輝咲玲央さんが最高!ヒール役が良く似合う!

ほのかちゃんの役は、本来もっと意地悪な役だけど、オリジナルよりマイルドに変更されていたのは個人的には良かった。めちゃくちゃ透明感がある歌声が本当に素晴らしい。

朝水りょう様のイケオヤジぶりが今作でも光り輝いておりました。ほんのちょっとの出番でしたが、オペラを使っていなくても、あっ!と思ってオペラで観たらやっぱり朝水りょう様でした。我ながら嗅覚が鋭い(笑)ほんのちょっとなのにめちゃくちゃ熱演でしたね。オリジナルでは、お父さん役はラーマの守護霊的存在なので、正直宝塚版でも出番を増やして欲しかったな。

月組時代は、全くノータッチだった詩ちゃんを今回しっかり拝見させてもらいましたが、顔の印象と異なり声が大人っぽくて良い。


指田先生の大劇場デビューとなるショーは、前作の月組の栗田先生同様、ストーリー性があるショーでしたね。

栗田先生は日本を、指田先生はフランスをイメージしながらも、お二人ともファンタジー要素が強く、尚且つ選曲が素晴らしい!

指田先生の場合は、ストーリー性のあるファンタジックなショーとガラッと変わったチョイ悪ダンディーなフィナーレとのギャップが堪らなく良かった。

今や定番化しているKポップシーンもなかったし(多分)、普通に良かった。

ショーでは、朝水りょう様が相変わらずのキラッキラッのダンディーぶりを遺憾なく発揮されていて釘付けでした(笑)

お芝居では探せなかった稀惺かずと君を見つけることが出来て、めちゃくちゃかしげさんに似てたね!ほんと将来が楽しみな存在。

星組を観る限り、やはり宝塚は観客も含め一部を除いて、愛と夢を持って舞台に立ち、愛情を持って応援している方々で溢れているのが客席からも伝わってきました。

今年は前半で3組のトップスターが卒業し、新しいトップコンビが誕生します。

110周年は禊の年だと思うので、この1年で膿を出し切って新しい時代の宝塚を作っていってもらいたいですね。

ゴロがいい111周年を祝いの年になるように、この1年はどの組も踏ん張って乗り越えていってもらいたいです。



新春浅草歌舞伎

2024-01-13 23:45:34 | 古典芸能
凄いっ、ミゾレ?が降ってきたよ!これは龍神様のお通りやな。 

ミゾレ?雪?雨?で飛行機が飛ぶか心配でしたが、30分遅れで離陸し、終電ギリギリ一つ前で無事帰宅出来そうです。

飛行機は、LCCを使えば、空港までの往復の運賃を含めても新幹線より安いが、天候に左右されやすいから考えものだな~。

ということで、東京一泊して新春浅草歌舞伎を観てきました。

飛行機のチェックインの時間と三上さんの舞台の兼ね合いで、昼の部は全て観れましたが、夜の部は「魚屋宗五郎」しか観れませんでした。

を前提にぶっちゃけ書くと、「魚屋宗五郎」が一番良かった。

どなたかが演劇評で書かれていていましたが、松也君の台詞回しが、

菊五郎さんだった!

声だけ聞いたら菊五郎さんだよ!ってくらいソックリだった。

しかも表現力も素晴らしくて、ただの声帯模写ではなく、声は菊五郎さんだったけど、心はしっかり宗五郎だった。

めちゃくちゃ良かった!

石川五右衛門も素晴らしい表現で芸達者ぶりを遺憾なく発揮されていましたが、宗五郎に関しては、芸達者という言葉が逆に失礼になるんじゃないかと思ってしまうくらい、宗五郎そのものだった。

禁酒していた宗五郎だったが、訳あって酒を飲んで大暴れする過程がマジお見事!酔が醒めたあとのお芝居も良かった。

ついでに描くと、昼の部の「与話情浮名横櫛」の蝙蝠の安五郎もこれまた素晴らしい表現力だった。

これまたぶっちゃけ書くと、昼の部の「本朝廿四孝」「与話情浮名横櫛」も全幕通し上演じゃないから、起承転結の承転だけだったり転結だけだったりするので、物語として中途半端なんよね。歌舞伎上演では、1幕だけ上演はよくあることなので仕方ないんだけど、「魚屋宗五郎」の場合、起が語られるくらいでほぼ起承転結になっているから後味スッキリ。

しかも、松也君だけじゃなくて、奥さん役の新悟くんもめちゃくちゃ良くて、魚屋宗五郎の世界観をちゃんと作りあげられていてめちゃくちゃ良かった。

種之助君の奉公人も、キャラも良かったし、なにより松也君との息が合った掛け合いが更に良かった。

私の席の近くに外国人が座っていてめちゃくちゃ楽しんでいたのが伝わってきた。

そして、今回の注目作は、隼人氏の「与話情浮名横櫛」の切られ与三だったが、仁左衛門さんと玉三郎さんの歌舞伎座公演の、(睡魔に襲われたとはいえ…)、印象が強くて、今回は源氏店のみだったからかもしれないが、与三のバックグラウンドが薄かった。隼人氏の与三はめちゃくちゃ格好良かったんだけどね…。

いずれにせよ、南座3月公演の、これまた仁左衛門さんの当たり役「女殺油地獄」が楽しみでならない!

っていうか、2月はヤマトタケル、めちゃくちゃ引っ張りだこやん!くれぐれもお身体をご自愛下さい。

お富の米吉君は完璧だった。

「本朝廿四孝」の八重垣姫も、ザ姫感があって良かったし、お富は姫の時と声音を変えて年増の貫禄があったのが尚良かった。玉三郎さんのお富を観てたのもあったが、米吉君のお富にも今回上演されていない背景が見えて来たのが良かった。

マハーバーラタ戦記もそうだったけど、米吉君の年増声好き。

素の米吉君は、以外と毒気があって個性が強い女形さんなんよね…。最近YouTube等でよく見て知った。読書家なのか妄想家なのかは分からないが、役の掘り下げ方が実に上手い!素とのギャップが凄すぎ!歌舞伎界の井上芳雄君やな!(笑)

「神楽諷雲井曲毬」は、巳之助君の柔らかくて繊細な舞が持ち味なんだね。っていうか、「魚屋宗五郎」の役の声がめちゃくちゃ良い!「贋作桜の森の満開の下」の天然キャラから今回のヒール役まで本当に芸達者。大河の天皇役の今後の活躍が楽しみ。

声に関しては、歌昇君もめちゃくちゃ渋い!前からこんなに渋い声やったけ?ええ声やった。「神楽諷雲井曲毬」の曲芸では、最初は上手くいったが難易度が高くなるにつれて何度も玉を落とし…、あ、お年玉ならぬ落とし玉か!(笑)お客さんから温かい拍手を貰っていて、終わり良ければ全て良しやね。

今年で花形歌舞伎を卒業されるお兄さん方が主役であったり花を持たせる役をされていましたが、来年からはハッシーが長になるのかな?

成駒屋三兄弟、莟玉君、團子君、染五郎君、千之助君、虎之介君…。上方役者は出ないってことはないよね…。

誰が出るのかは分からないけども、来年の世代交代と演目が楽しみ。

松也君、歌昇君、巳之助君、新悟君、種之助君、米吉君、隼人氏、お疲れ様でした!