おめでとう!

2009-05-25 03:48:33 | 映画
シャルロット・ゲンズブール、カンヌ女優賞おめでとう!

たった今CATVでカンヌ国際映画祭の受賞式を見終えたばかりでとても眠たいです。ですが、オンタイムで見れて良かったです。彼女が女優賞を獲得して私も思わずテレビの前で拍手してしまいました。

ニュースと数秒のシーンしか情報が入ってこないので、情報だけが頼りなのですが、情報が情報だけに本当に嬉しいです。今年の審査員は素晴らしい選択をしたと思います。

受賞式の衣装もとても地味なワンピースなのに、安っぽく見えずとてもキュートでチャーミングで好感が持てました。

受賞スピーチもでしゃばらず謙虚な姿勢が女優らしくない素人さんみたいで直一層好感がもてました。

また、閉幕前に受賞者全員がステージに登場する際も、喜びで前に出て来こようとする受賞者と違って、目立たないように現れ、テレビカメラが彼女を捉えようとしてるのに他の受賞者に隠れて捉えきれないのが伝わってくるくらい控えめでしたね。

そして、感極まりない受賞者の陰で、映画で共演し今回の受賞式ではプレゼンターとして登場したウィレム・デフォーにエスコートされてるこの二人の雰囲気がとても印象的でした。再放送をビデオに録って保存したくなるくらいです。

ちなみに、ウィレムもとてもいい役者さんですね。プレゼンターとして現れ、確か「グランプリ」の時だったと思うのですが、受賞した監督さんのスピーチの後ろで、彼に投げ掛けるウィレムの微笑みと視線がとても優しさに満ちて好印象でした。

ラースの作品で酷評を受けても平素心を保てるこの二人の役者さんには本当好感がもてます。

シャルロットのように控えめで、女優さんらしからぬ女優さんは本当に珍しいので、いつまでもその謙虚さを大事にして、これからも女優さんとして、プライベートでは奥さんとしてお母さんとして頑張って下さいね。陰から応援します。

彼女にはこの役でアカデミー賞等の賞レースに絡んで欲しいですね。

日本で公開される日が本当に待ち遠しいです。


今日のまとめ:イザベル・アジャーニ、久々に見ました。ふくよかな体型になられてびっくりしました。
今年から来年にかけて映画三昧になりそう…。それだけ公開が待ち遠しい作品が多いので嬉しい限りです!

FUR(邦題:「毛皮のエロス」)

2009-05-13 05:28:44 | ニコール・キッドマン
まもなく大阪でも美輪さんの「毛皮のマリー」が上演されるということもあり、よく似たタイトルということで、ニコール主演の「毛皮のエロス」を紹介します。

私は映画館でこの作品を観ました。見終えた後の感想は…邦題のタイトルが気に入らない!タイトルに「エロス」って入れるな!でした。

今回、紹介にあたり改めて鑑賞しました。確かに、「エロス」は間違いではないな…って思いましたね。決してやらしくはないのですが、見方によってはやらしく感じると思いました。誤解されそうなシーンは見てのお楽しみ!

内容的には「エレファントマン」「美女と野獣」「ヒューマン・ネイチャー」、一部「おくりびと」が混じったような作品です。寺山修司氏に代表されるアングラ演劇的な要素もあります。

ニコールの作品としては珍しくセリフが少ないです。抑えた演技が特徴で、内面の微妙な心理を表情と雰囲気で上手く演じてます。少しずつニコールが淫らに変化して行く過程が見所です。

作品的にもセリフによる説明部分が少なく、映像の雰囲気、役者の演技力やエキストラ的登場人物がとても重要な役割を占めてます。セットや美術を含め全体的に芸術的な作品になってます。

この作品、原題も邦題も「毛皮」がタイトルでテーマにもなっています。この毛皮には深い意味と愛が込められています。

毛皮のファッションショーとその毛皮となる動物たちが登場するシーンがあるのですが、あらためてこのシーンを見ると、陰ではファッションのために動物たちが殺されていることに再認識されます。それに対比して、自分の体毛でウィッグを作るシーンがあり、どちらが人道的で野蛮なのか考えさせられます。

そして、ニコールが最初に着ている毛皮のコートこそ原題のタイトル「FUR(ファー)」の真意だということが最後には分かると思います。なので、邦題の「エロス」は完全なる蛇足ということも分かってもらえるはずです。

突然ですが、ここで、上記以外でこの映画の見所と私のお気に入りを紹介します。

毛皮のファッションショーに興じる人達とロバート・ダウニーJr.演じる謎の男やその仲間たち。とても対象的に映像に写し出されています。何故、ニコール演じる女性が後者の人達に惹かれていくのかよく分かると思います。

ニコールのアパートの地下に住む女性。この女性、よく出てきますがどのシーンも魅力的に写し出されています。得に紅茶を飲むシーンが私は好きです。

ニコールのカメラ。アンティークで可愛くて魅力的。主人公の体の一部であり、作品中のキーアイテム。

白ウサギ。これもキーアイテム。最後に行く場所は…。

ニコール夫妻の次女。ニコール夫妻も対象的ならば娘二人も対象的。

ニコールの旦那の口髭。男はしょうもないところでライバル心を持つもんですね。

ニコールが隠し撮りしたフイルムたち。現像した中身は…。これも対象的なアイテムなので要注意。

ロバートの仲間達がパーティーで興じるシーン。雰囲気がとても好き。仲間に入りたい。

ニコールがロバートのプレゼントを受け取るシーン全体。癒されます。

ニコールがエアークッションの空気を感じてるシーン。斬新な発想。愛を感じます。

今回再鑑賞して1番のお気に入りが、ニコールとロバートがバスに乗ってる時のロバートの覆面。とてもチャーミング。

ロバートの演技は最高によかった。目が印象的で雰囲気も知的で惚れました。正直、〇〇がある時の演技の方が好きでしたが…。

最後に、どこに「おくりびと」的な要素があるのか探し出すのも見所です。

以上、ネタばれにならないように注意して書いてみました。

少しでも興味を持たれた方は、「エロス」ということで躊躇することなく勇気を持ってレンタルして下さい。きっと、その勇気がこの作品を観ることで勇気倍増なること間違いない!でしょう…。

今日のまとめ:スティーブン・シャインバーグ監督はかなりの奇才。
ダイアン・アーバスが実際に撮った写真に興味が出たので検索したら数枚しか見つからなかった…。


第二回の続き「ムーラン・ルージュ」

2009-05-06 23:22:32 | ニコール・キッドマン
やっと更新できました。

この作品にはあまりにも思い入れが強いので、ニコールだけでもこの連休中にまとめきれず、更新出来なかったことに深くお詫びします。

たくさん書きたいのに本当にまとめられなくなったので、内容を変更して、私のお気に入りのニコールのシーンを紹介します。

この作品に出てくるニコールは、それまで私が抱いていた偏見を覆すほど、情熱的に、そしてユーモアセンスたっぷりに演じてくれてます。それを実証してみせたシーンを、私のお気に入りのニコールの表情が見れるシーンを三つ紹介します。

その1:オープニング過ぎ、作家青年のユアンを本物の公爵と勘違いして、ニコールの部屋で詩を吟じるユアンにエロスを感じているシーン。

やり過ぎ!って言いたくなるくらい一人ホットになるニコール(←卑猥に演じているのに決してやらしく見えない。逆に笑える)。そんなニコールの動きに目のやり場がなくて戸惑うユアン。そして思い切って「YOUR SONG」を歌う(←ユアンの歌声には本当にシビレます!)。その歌声に我に帰り、心からユアンに惹かれていくその瞬間のニコールの表情が好きです。その後、本物の公爵じゃないとわかった時の表情もいいですね。このシーンは全体的にユーモアがあって楽しい。まさに掴みのシーンです。

その2:ニコールに手切れ金を渡そうとして本番の舞台裏で、ユアンがニコールを追いかけている時のシーン。

ユアンに会いたいけど会ったらユアンが殺されてしまう、彼に近づいてはいけない…と、持病に苦しみながらも必死に逃げている時の表情。←複雑な心理状況を見事に演じているニコールに胸を打たれます。

ちなみに、CATVのCMでこのシーンが流れ、そのニコールの表情に突然エレキが走り、めちゃくちゃ観たくなって劇場に足を運びました。

その3:ラスト間際、舞台から立ち去るユアンに、ニコールが愛を叫ぶかのように「Come What May」を歌うシーン。

ユアンに別れを宣告され、戸惑い、悲しみ、そして後悔の念を払いのけて、力強くユアンに許しを乞いながら歌っている時の表情にもう涙が止まりません。

ユアンがニコールのために作った歌、本番の舞台では禁止されてしまったその歌をニコールが歌う。その歌に我に帰るユアン。振り返り一緒に歌うユアンとニコール。ユアンの表情といい、ニコールの安堵感に満ちた表情もいいです。セリフではなく歌で愛を確かめ合うというこの憎い演出に、これぞミュージカルの醍醐味が味わえます。何度見ても感動します。

付録:ユアンの表情で私が好きなシーン。

リハーサル中、本物の公爵に向かって「彼女はあなたを愛していない!」とつい口が滑ってしまい、咄嗟に「彼(シタール奏者)です」と言い直す時の表情。内心「しまった…言ってはいけないことを言ってしまった…」と言わんばかりのあの表情がたまらなく好きです。

以上です。

本来ならニコールの魅力をお伝えするはずだったのに…自己反省。書ききれない、まとめられない自分の文章力のなさに呆れ返ります。

こんな紹介でも観たい!と思ってくれた方は是非レンタル等でご覧下さい。そして皆さんの好きなシーンがあれば、見つかったならば教えて下さい!

ニコールの魅力は他の作品を通してジワジワ触れていきますので、これに懲りず遊びに来て下さいね!

今日のまとめ:口では言い表せないってまさにこのことですね。先に進めなくて辛かった…。