
團十郎さんの公演ではほぼ出演しない、歌昇君、種之助君、福ちゃん、歌、虎之介君(松竹座十月公演には出ていた)、右團次さんのご子息、市川右近君が出るということもあり、もともと仮名手本忠臣蔵は一幕ものですら観たことがないので、せっかく「さまよえるオランダ人」を観に行くならば一泊してでも観たいと思い、出演者に惹かれ昼夜観てきました。
安い三階の角席で見させもらい、残念ながら花道が全く見えない席でしたが、
まさかの宙乗りもあり、善人の大星由良之助でも早野甚平でもなく、悪人の斧定九郎だったのが意外でしたが、宙乗りの團十郎さんを間近で見れて最高でした!
本来通しだと8時間?以上かかるような演目を4時間にまとめ上げ、しかも輪廻転生?前世の契り?要素もあり、仮名手本忠臣蔵観たことない人間のワタクシにはとても有難い作品でした。
表裏忠臣蔵と副題?にあるように、仮名手本忠臣蔵が表、創作部分が裏とのことですが、正直、ぼたんちゃんと新之助君のシーン以外どれが裏の創作シーンなのか分からずではありましたが、いかんせん仮名手本忠臣蔵観たことない…、分かりやすくて勉強になりました。
そもそも、なんで主人公の名前が大石内蔵助でないのか、吉良上野介でないのか不思議でならなかったし、高師直なんて、月組「桜嵐記」を観てなかったら存在も名前も知らなかった。それくらい、仮名手本忠臣蔵を知りません。
義経千本桜も通しでも観たことなかったので、短縮版の「星合世十三團」もしかり、この短縮版上演は、内容を理解出来るので本当に初心者には有難かったです。
っていうか、8時間ものを4時間って、何をはしょっているのか三月歌舞伎座公演が気になってしかない。
はしょっている割には、物語はダイジェスト感がなくスムーズな流れになっているし、テンポも新作歌舞伎のようなアップテンポではなく、普通に歌舞伎の間だったし、三月歌舞伎座公演もなんとかしか観てみたい気持ちにさせてくれる内容でした。
團十郎さんは、敵味方である、大星内蔵助と高師直の両方を演じ分け、特に夜の部二幕目は立ち会いが見せ場であるだけに早替わりの連続であっぱれでございました。
もちろん、早野甚平と斧定九郎の演じ分けもキャラ設定を見事に変えていたのたのでとても分かりやすかったし、全く物語に支障がない演じ分けでお見事でした。
児太郎君や國松君は團十郎さん作品の常連さんで、各々重要な役柄で存在感があり、特に児太郎君演じるおかるの甚平に対する一途さと純粋さを上手く表現されていてウルッとくるこてもありました。
最初に挙げた團十郎さんの作品には普段出ない面々が同じ舞台に立っているのが本当に観ていて新鮮でした。團十郎さんとの絡みがあったり並んだり、それだけでワクワクが止まらなかった!
一番はやはり、團十郎さんとええ声の歌昇君の立ち回りでしたね。歌舞伎座での襲名公演では色々あっただけに実にめでたい気持ちで観させてもらい、実にあっぱれなお二人の立ち回りでした。
虎之介君が、團十郎さんの息子役ということで出番は僅かではありましたが、その分大事な台詞が多かったし、声音を変えての表現も大変素晴らしかった。早くテレビ小説に出て欲しい!藁
福ちゃんが大先輩の男女蔵さんとの並びも違和感ない貫禄ぷり。毎回書きますが、歌舞伎顔だから化粧栄えしまくってカッコよい!3月南座公演、虎之介君、壱太郎君、米吉君、超珍しい競演が楽しみです。ヅカ友さんと観に行きます!
歌は、残念ながら目立つ役ではなかったですが、ちゃんとチェックしておりました。声が特徴的だからすぐ分かる。團十郎さんと同じ舞台に立ってるたけで絶対勉強になったと思う。
種之君は、ソロの出番がありましたが、いかんせん地味な役ではありましたが、團十郎さんの舞台に兄弟で出るのも滅多にないことなので、本当に新鮮でした。
右近君がめちゃ成長?大きくなっていてびっくり!右團次さんとの立ち回りシーンで、まさかとは思っていましたが、やはり相手は右近君やったんやね。あどけなさもありつつも声変わりもして立派に成長されおり、親子での立ち回りお見事でございました。将来が楽しみやね。
そして、ぼたんちゃん、いやいやいやいや、やはりあなたは凄い!とても10代の女の子の表現とは思えないくらい艶やかさと落ち着きがあり、何より着物が体の一部になっていたのが素晴らしかった!
その点、新之助君は、台詞回しはかなり成長が見られたが、衣装に着られている感があったのが否めない。かつらも若干…。姉弟の息があった舞が良かっただけにちと残念ではありました。早く声変わりして一皮剥けた新之助君を観てみたい。
ということで、出演者陣が素晴らしくて、本当に楽しく観させてもらいました。三月歌舞伎座、なんとか観れるように頑張ります。