「カラヴァジョの方がいいか」
「ああ、いい、絵は絵だからね」
「そんなにかい」
「色彩がいい、構図がダイナミック、それに、新しい、現代の画家が描いたみたいだ」
「あのモナリザはどうなの」
「あまり好きにはなれないね」
「人類の宝らしいよ」
「へえー、そうなの」
「神秘の微笑なんだよ」
「誰が決めたんだい、イタリアの政府かい」
「世間の評判じゃあないかな」
「中年のおばちゃんだろ、リサおばちゃん・・・」
「リサおばちゃんて、君、怒られるよ」
「誰にだい、観光局? それともルーブルの集金係」
「ルーブルの集金係ってね、話をユダヤの神に戻さないと」
「それには賛成だな」