一カ月のヨーロッパ旅行から帰って、上野の駅に行く、改札口の脇に若い女性、次の瞬間、
「あっ ここはヨーロッパではなかったのだ」
色白で長身、白人よりも白人タイプ、足元にトランクが置いてあったから、今、UENO駅に到着か、だから、
「日本人とは 何者なんだろう」
その直後に、『人国記』の有名な一章に出会った、
「この国のひとは 日の本のゆえにや
色白くして まなこの色青きこと多し」
東北には青い瞳の人がいる、しかも大勢、それから東北を調査したのだが、しばらくして興味を無くした。それは、虹彩の色が青いのは、それほど重要なことではなく、日光量に比例した環境適応であり、あるいはその形質の遺伝、その極端が色白・金髪・碧眼、この3点セットがハリウッドのウリだった。
それまでのプロセスにいろいろなパターンが発生する、だから、うすい茶色や灰色の瞳であるケースもある、だが、それほどの違いではない、つまり、青い瞳だけでは人種を決定することはできない、ロマンチックではあるが。
ところで、今回の諏訪根自子さん、両親は山形県の出身、初めて彼女の容貌に接することができたのだが、アーリアン人種を人類最高と豪語するナチスの連中が一目置いた容貌・容姿、これは、あの人国記の描写と一致するのかもしれない。
黒白の写真なので瞳の色が分からない、どんなだったのだろう、突然話しが飛ぶが、奈良の東大寺の開眼式に出席したインド僧・菩提遷那(ぼだいせんな)の瞳は青っぽかった、千数百年前のことだ、ともあれ、このテーマは、もっと深いのかもしれない。