7回まで、パーフェクト・11三振、そして、ヒット、次の瞬間、4万人が総立ち、
「よくやった」
「ごくろうさん」
「いいものを見せてくれた」
これがAmericaなのだ、うん、これもAmericaなのだ、北朝鮮や中国ではこうはいかない、ニッポンから、いやニッポンの東北からやってきた少年のような若者に拍手、嵐のような拍手。
オオタニショウヘイにつながる数十の数百の数千のトウホクのオトコたち、この国の正史に一行の記載もなく消されていった人々、エミシ(蝦夷)と呼ばれフシュウ(俘囚)と蔑(さげす)まれ抹殺されてきた人々、4万人の観衆の中で、
青い瞳の日本人が泣いている
青い瞳の日本人が泣いている
この時、ヒトの営みは、初めて、意味を持った。
この時、ヒトの歴史は、初めて、価値を持った。