まだ、終わっていなかった、やっつけてしまおう、今年は、何が起こるか分からない。
「街道を行く」には「オホーツク街道」があるのだが、この中で、司馬は、町の床屋さんの説を紹介している、
「おかしいなあー」
シロウトである、当時、オホーツク文化の第一人者は駒井和愛(こまいかずちか 1906-1977)で東大の教授を歴任している、万事にソツのないシバさん、どうしたことか、しかも、昼食に魚が出たのだが、
「コマイ(氷下魚)だな」
「そういえば コマイという学者がいたなあー」
その道の第一人者をスルーして、町のシロウトの考えを披露する、そして、コマイをサカナの一種にする、これほどの侮辱があろうか。
なんという態度だろう、しかし、ここにこそ、司馬遼太郎という人気作家の巧みな処世術があったのかもしれない。