二銭銅貨

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紅の翼

2006-08-12 | 邦画
紅の翼  ☆☆
1958.12.28 日活、カラー、横長サイズ
監督・脚本:中平康、脚本:松尾昭典、原作:菊村到
出演:石原裕次郎、中原早苗、二谷英明、芦川いづみ

青い空、白い雲、紅の翼。

柔らかく薄い雲の上、
濃紺の海の細かい波に、きらきらと反射する太陽の光。
その上を、空間に浮きながら前進するセスナ機、
JA3031号、
紅の翼。

頑張って、エンジンをうならせて、破傷風の子の命を救うため、
羽田から八丈島まで飛行を続けます。
飛び続けます。
太陽に照らされて光る、
紅の翼、
がんばれ。

がんばったJA3031号。
主役の裕ちゃんが、
刀折れ矢尽きたJA3031号の機体を、
ぽんぽんと叩いて感謝します。
ご苦労さん、よく頑張ったね。
ほんと、
エンジンさんも、ご苦労さん。

映画の冒頭は、悪役の目線で見た、ワンショットの長回し。
事務所に入るところ、出て廊下を下がり、
螺旋階段を駆け下りるところまで。
そのあと、東京の街の空に風船が舞い上がる場面まで、
まるで、ハードなサスペンス映画のよう。
でも、その後から、ちっと軽快な喜劇調に変調します。
いろんな調子が混じって面白い映画です。

裕ちゃんは、明るく軽快。
二谷英明は苦しそう。
中原早苗は元気、能天気、
芦川いづみは短剣のような姿、
短剣のような鋭い視線、
その鋭い視線で周囲のカメラマンやジャーナリストを刺します。
セスナ機、JA3031号はしぶとく健気な名演技。
06.08.05 NFC
コメント
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