浪花の恋の物語 ☆☆☆
1959.09.13 東映、カラー、横長サイズ
監督:内田吐夢、脚本:成沢昌茂、原作:近松門左衛門
出演:中村錦之助、有馬稲子、片岡千恵蔵、千秋実
東野英治郎、進藤英太郎、田中絹代
着物の黒、襟の赤、
真っ赤な血の色、情けの色。
精緻な動き、
三味線の音、
手先、シャープな動き、
歌いものの大夫の高い、通る声、
梅川の情、梅川の悲しみ、
ずっと奥にしまわれて、
微かに放射する、
有馬稲子の踊り。
切れるような視線、
静止、姿勢。
人形の梅川に変わる。
人形の梅川は人間の梅川よりもっと情が深い。
人形遣いのせいか、大夫のせいか。
目隠しの父親と薄幸の忠兵衛の間を取り持つ梅川。
その人間的な泥臭い残酷な悲しみの深さは、
有馬稲子の端正な踊りと良く対照している。
中村錦之助の忠兵衛はボンボンの弱々しさと、封印切りでの青筋だった気迫の凄みを良く際立たせている。有馬稲子の梅川はちょっとクール。片岡千恵蔵は堂々たる近松門左衛門。
上映後に有馬稲子のトークイベントがあり、思い出話を中心に語った。内田監督は左翼っぽい人だったとか、高倉健を不器用な人だとか、自分の梅川の踊りの良さを言うのに吉永小百合を引き合いに出したりとか、ネガティブな中傷するような言い方ではなかったが、それでも言いたい放題の感じで、自分のことを小生意気な女優だったと何度も語っていたが、今でも十分に小生意気だった。この女優の元気な評判通りのトークは楽しかった。面白い人だ。
10.08.08 新文芸座
1959.09.13 東映、カラー、横長サイズ
監督:内田吐夢、脚本:成沢昌茂、原作:近松門左衛門
出演:中村錦之助、有馬稲子、片岡千恵蔵、千秋実
東野英治郎、進藤英太郎、田中絹代
着物の黒、襟の赤、
真っ赤な血の色、情けの色。
精緻な動き、
三味線の音、
手先、シャープな動き、
歌いものの大夫の高い、通る声、
梅川の情、梅川の悲しみ、
ずっと奥にしまわれて、
微かに放射する、
有馬稲子の踊り。
切れるような視線、
静止、姿勢。
人形の梅川に変わる。
人形の梅川は人間の梅川よりもっと情が深い。
人形遣いのせいか、大夫のせいか。
目隠しの父親と薄幸の忠兵衛の間を取り持つ梅川。
その人間的な泥臭い残酷な悲しみの深さは、
有馬稲子の端正な踊りと良く対照している。
中村錦之助の忠兵衛はボンボンの弱々しさと、封印切りでの青筋だった気迫の凄みを良く際立たせている。有馬稲子の梅川はちょっとクール。片岡千恵蔵は堂々たる近松門左衛門。
上映後に有馬稲子のトークイベントがあり、思い出話を中心に語った。内田監督は左翼っぽい人だったとか、高倉健を不器用な人だとか、自分の梅川の踊りの良さを言うのに吉永小百合を引き合いに出したりとか、ネガティブな中傷するような言い方ではなかったが、それでも言いたい放題の感じで、自分のことを小生意気な女優だったと何度も語っていたが、今でも十分に小生意気だった。この女優の元気な評判通りのトークは楽しかった。面白い人だ。
10.08.08 新文芸座