二銭銅貨

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運命の力/新国立劇場14-15

2015-04-18 | オペラ
運命の力/新国立劇場14-15

作曲:ヴェルディ
指揮:ホセ・ルイス・ゴメス
演出:エミリオ・サージ
演奏:東京フィル
出演:レオノーラ:イアーノ・タマー
   アルヴァーロ:ゾラン・トドロヴィッチ
   ドン・カルロ:マルコ・ディ・フェリーチェ
   プレツィオジッラ:ケテワン・ケモクリーゼ
   神父:松位 浩
   メリトーネ:マルコ・カマストラ
   カラトラーヴァ侯爵:久保田真澄

クリーンでクリア、美しい演奏。合唱と重唱が多く、ハープだけの演奏によるアリア "Pace, pace, mio dio!" とか小太鼓を使ったアリア "rataplan" とか、色々な趣向のものがあった。合唱とソリストのアンサンブルも多かったように思う。音楽としては多彩な点が特徴のように思えた。

ストーリーには復讐部分と、ジプシー女が出てくる賑やかな部分とがある。暗い重い流れと、明るい華やかな流れが交互に現れる重層構造。ただ、この2つの流れの関連性は希薄で、もしその関連性が濃ければカットバック的になって面白いのにと感じた。宗教的な色彩が濃く、美術ではルネッサンスの頃の宗教画のようなものが使われていた。

演出はスペイン内戦の時代を背景としたものになっていて、全体にワインレッドのような重い色調の赤が使われていた。人間界の運命の残酷と神の救済。前者を赤で表現していたのだろう。

タマーは深くて重いソプラノ。トドロヴィッチは真面目な感じの声量のあるテノール。フェリーチェは迫力に満ちたバリトン。松位の神父は迫力があってずっしりと重厚なバス。この役がこのオペラの中心である事を感じさせた。ケモクリーゼは元気の良いお姉さん。まるでカルメンのよう。カマストラは愉快な歌とお芝居。久保田は真面目な雰囲気で迫力があった。

ちょっと歌と演奏の速度が合っていないように感じられる時があったけれども音楽の美しさが印象に残った。

15.04.05 新国立劇場、オペラパレス
コメント
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