二銭銅貨

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花のうず潮

2006-08-29 | 邦画
花のうず潮  ☆☆
1958.04.01 松竹、カラー、横長サイズ
監督:大庭秀雄、脚本:柳井隆雄、馬場当
出演:岡田茉莉子、佐田啓二、小山明子、大木実、宮城千賀子
   田村高広、高千穂ひづる、笠智衆

メロドラマ。

恋の多重三角関係、
片方向にしか矢印の無いベクトルが行き交う、錯綜した恋の空間。
解がなかったり、不定だったり、
もつれたり、ずれたり、一致しなかたり。
難解な数学の問題のような関係。
ベクトルの向きは、あっちに向きこっちに向きで、つながらず、
線形空間にもなりません。かと言って、
非線形という訳でもなく、ただただ難問で解析不能な恋の物語。
どうやって解決されるのでしょう?

たくさん衣装を変えて出てくる岡田茉莉子が主役なのでしょうか?
鋭いベクトルのような視線で画面を切り裂きながら、
恋がよろめく心の物語を形作っていきます。
苦悩する大木実。
人生に打算的で、適当に生きている宮城千賀子。
いつでも明るい佐田啓二。
清楚で、京都美人の小山明子。
笠智衆はいつも通り。

まじめで真摯な田村高広。
高千穂ひづるは忠実で素朴な女中役。
こちらの話は素朴でまじめな恋のドラマ、
この人物が一番メロドラマっぽかったかも知れない。

全体として、絵の構図がしっかりしていると感じた。
映画の中でテレビ塔というのが出てくる。
東京タワーができる前にあったものなのでしょうか。

上映ではフィルムの色があせて、ほとんど赤しか色しか残っておらず、事実上のモノクロ状態だった。
2006.08.26 川崎市民ミュージアム




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