必死剣鳥刺し

必死剣鳥刺し　☆☆
2010.07.10　東映、他、カラー、横長サイズ
監督：平山秀幸、脚本：伊藤秀裕、江良至
原作：藤沢周平
出演：豊川悦司、池脇千鶴、岸部一徳、村上淳、吉川晃司

槍のように突き刺さる、
幾筋もの強い雨の下に、
一人の侍が、幾人もの侍と対峙して、
永遠に続くかのように斬り合いを続け、
しまいには血を飛び散らせ、
泥まみれに、
多分、涙と無念も一緒に、
のたうちまわって、
そして、さらに斬り合いを続ける。
友人を斬らなければならない。

最後はスカッとした秘密の一太刀。

豊川悦司は素朴で黙々。にぶく錆ついた外見の中に鋭く磨かれた切っ先が見える。同様に素朴で、納豆のようなねばりけのある愛嬌にあふれた池脇千鶴。ちょっと棒読み風の芝居でワルなんだか善人なんだか良く分からないニュートラルな感じの岸部一徳はなんだか掴み所の無い焼き鶏肉のよう。村上淳は何か常に斜めにかしいでいる現代的なバカ殿で、吉川晃司は分家の、こちらはできるスマートな若殿様。

10.07.19 シネコン映画館