二銭銅貨

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ばらの騎士/新国立劇場10-11

2011-05-11 | オペラ
ばらの騎士/新国立劇場10-11

作曲:R.シュトラウス、演出:ジョナサン・ミラー
指揮:マンフレッド・マイヤーホーファー、演奏:新日本フィル
出演:元帥夫人:アンナ=カタリーナ・ベーンケ
   オックス男爵:フランツ・ハヴラタ
   オクタヴィアン:井坂惠
   ファーニナル:小林由樹 
   ゾフィー:安井陽子

演出はオーソドックス。オリジナルの演出もこんな感じなのかと思われた。豪華という感じではなく、幾らか質素な印象。演奏はのびのびとして、きらびやかだった。

ベーンケは落ち着いていて良いマルシャリンだった。ちょっと落ち着きすぎだったかも知れないが安定感があって頼りがいのある女性だった。歌も落ち着いていて、強くて美しかった。ハヴラタは外国人で唯一、変更の無かったキャスト。手馴れた感じで、すけべ親爺だけれども、ちょっと憎めないオックス男爵を軽々と演じていた。歌も安定していてうまかった。本当に楽々と成りきってやっていた。井坂惠はまじめなカンカン。おぼっちゃまな感じ。低音が通らないようで、相対的に声量が不足している印象ではあったが高音は美しかった。歌はまじめ、芝居はきびきびとそつがない端正な感じ。安井陽子は出だしのソワソワ感が真に迫っていて面白かった。落ち着かないハイテンションな雰囲気は、まるで初めてゾフィーをやる時のソプラノ歌手の高揚感のようでもあった。最後の3重唱と2重唱は当然のように美しい優雅なハーモニーだった。

一幕目のイタリア人歌手は水口聡。堂々と思いっきりベルカントで歌ってR.シュトラウスの音楽に全面対決していた。料理人の加茂下稔は、ほとんど出番が無いけれどもチョコマカと面白い芝居で楽しかった。マリアンネの黒澤明子はここぞとばかりにパワー全開で歌って印象が良かった。ヴァルツァッキの高橋淳は、いでたちや芝居が個性的で面白い。アンニーナの加納悦子は芝居も歌も良く、ハヴラタとのちょっとした2重唱は良いアンサブルだった。それににしても、オックス男爵は総ての女性に手を出すんだという事があらためて良くわかっって、彼はドンジョバンニみたいで偉いと思った。

震災の影響で指揮者キャストに大幅な入れ替えがあった。当初予定は以下の通り。
指揮:クリスティアン・アルミンク
元帥夫人:カミッラ・ニールント
オクタヴィアン:ダニエラ・シンドラム    
ファーニナル:ペーター・エーデルマン
ゾフィー:アニヤ=ニーナ・バーマン

井坂惠、小林由樹、安井陽子はカバー歌手。
    
11.04.16 新国立劇場
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シンデレラ/スターダンサーズ11

2011-05-09 | バレエ
シンデレラ/スターダンサーズ11

振付:鈴木稔、指揮:田中良和、曲:プロコフィエフ
演奏:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
出演:シンデレラ:吉田都、王子:ヴァレリー・ヒリストフ

演出は素朴で控えめ。子度向けを意識した、裏の無いストレートな作り。

ヴァレリー・ヒリストフは大きくて悠然とした動き、楽しそうで余裕だった。一方の吉田都も楽しそうに踊っていた。2幕目のバリエーションの最後、舞台を円形に回る、多分ピケターンとシェネによるマネージュの所で大拍手。

吉田都は庶民的な1幕目と3幕目の普段着の衣装が良く似合う。だから、最後に王子が「私はあなたを愛しているのですから、衣装はそのままでいいですよ」と言うマイムのセリフが良く似合っていた。豪華さは無いけれども強いメッセージが感じられて良いエンディングだった。

始まる前に解説の女性が舞台に子供を3人上げて、マイムの説明をしていた。「私」「あなた」「愛してる」「踊る」のジェスチャーを説明したが、これが伏線だったのだろう。ラストのマイムの意味が良く理解できた。「私は衣装でなく、あなたを愛しているのですから...」の意味が良く分かった。それは質実さを大事にするメッセージ。シンデレラの終わり方としては面白いと思う。衣装替えも省けるし。

演奏は荒削りな印象だったが力強くて良かった。

11.04.08 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
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