富士屋本店＠渋谷 「立ち飲み聖地 カウンター劇場」

またしても
無くしてはいけない
日本の宝を超えて
渋谷の宝です



再開発という名の歴史破壊にて
閉店のその日が近付いていると知って

はやる肝臓を
踊るガンマを
奥歯を砕いて
必死に抑えて

ようやくのこと
喪が明けました




迷える子羊というより

若者の雑踏にあぶれた
マトンなおっさんたちを
どんだけ救ってきたのかという
この街の数少ないサンクチュアリー




まあ思ひ出は
いくらでもあるけれど
「大人の駄菓子屋」
なんて呼ばれていたのが印象的

こんなお店が帰り道にあったらヤヴァいっスよ！！
大きなお友だちが
目を輝かせているシーンを
何度目にしたことか




ある日の遠いカウンターの対面から
なんだか若いにーちゃんが
幾度となくガンを飛ばすというか

目を逸していたけど
フッと戻すとまたコッチ見ていたりして

ああ ようやく帰るのか
ああ なんだったんだろう
なんて思っていたら
コッチに歩いて来たりして

すわ！！大惨事スタート！？
なんて構えていたら
代々木の煮込みやの
若いにーちゃんだったりして




いやー気付かなかったよ！！
っつかなんでガン飛ばしてんの！！

いやー ボク目が悪くてー
なんつてね

あんな忙しい店の
スーパーサブなソムリエにーちゃんも
休みのひとときにこの店でホッピー
実にオンとオフっぽくてイイなー
なんて思ったものですよ




とりあえずいまは
閉店特需って感じで
外まで溢れんばかりのお客が
押し寄せているけれど

震災のあのときは
この巨大なカウンターが
驚くほどにガラガラで




テレビから流れる
甚大スギる被害状況に
打ちひしがれながら

繰り返される余震で
ミシミシと鳴く店内におびえて

この国はどーなっちゃうんだろうと
陰鬱なキブンに満たされたのも
まるで昨日のように




たきおかや
晩杯屋あたりで
スムースにキャッシュオン出来たのも
上手い具合に小銭を散らしておけたのも

間違いなくこの店で
学ばせてもらったおかげで




お中元のハムの塊の使い方に
悩んでいた日がウソのように

この店と出会ってからは
「ハムキャ別」で飲るのが
まるで当然の作法に




何もかもが塗り替えられていく
この渋谷で

200円のハムカツには
もう一生
出逢えるはずがなくて

何かと別れが重なる
個人的にもシンドい今年のこと




ツラいじゃ (ﾟдﾟlll) ないっスカ！！

アレも
コレも
ソレも
根こそぎに

開発されていくのは
ツラくて悲しくて
もったいない思ひ出ばかり

ホントにコレで良かったのかと
ピカピカでなおさら落ち着かない雑踏に
立ち尽くすオレたちの未来画ばかり