ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

セレブに岡本太郎美術館

2005-08-31 11:25:41 | おでかけ


元レーサーの妻である美人女優は、別荘の古城で、
「ここに来るのは、月に1度くらい。」と、セレブぶりを見せつけていたが、
マーブルは、500~600円で、セレブ気分になれる場所を知っている。

岡本太郎美術館。
OPENの記事を読んだ時から、いつか行ってみたいと思っていた。

気持ちのいい木立ちを抜けた奥に、それはあった。
市営なので、連れの2人は、65才以上の証書を見せて無料。
いいなぁ。こんなステキな場所に、タダで入れるなんて。
初めて老人を、羨ましいと思った。(笑)

思っていたよりずっと良い!
広さもちょうど良くて、空間の使い方も、表現も、とても斬新。

ピカソと見分けがつかない絵画の、赤、黄、青が、脳に直接入ってくる。
特に「赤」が綺麗で、みとれてしまった。
タイトルの意味も、何も考えずに、感覚だけで楽しむのがいい。

作品でもあるイスに、座る事もできて楽しい。
等身大パネルが、ところどころにあって、思わず肩を並べたくなる。

一番気に入ったのは、岡本氏自身の墓石にもなっている、「午後の日」と題された陶器。
頬づえをついた本人の顔なんだろうけど、とても可愛らしい。

「芸術は爆発」して、刺激的なのに、なぜか落ち着く場所。
堅苦しくない、遊び心のある、ステキな美術館だ。
真夏でも、中はかなり涼しいので、はおるものが必要。

併設のカフェテリアで、遅めのランチにする。
高くて座りにくい、3人掛けのテーブルに、老いた2人を促して、
ガラス越しに、流れる水とグリーンを眺めた。
平日に1人で来たら、もっとセレブ気分に浸れるかも。

自分の中の汚いものが押し出され、美しいものに入れ替わる、そんな感じ。
お金をかける楽しみ方より、芸術に触れる方が、贅沢だと思う。

カフェテリアの店員がしていた、ソムリエエプロンは、上品な蓮音に似合う気がした。
それを見て、憧れていたギャルソンエプロンを買った。
渋めのパッチワークで、気に入っている。
資生堂「マキアージュ」の、OR257の口紅も欲しいよぉ。

…本当は、こんな優雅な事、言ってられない。
お金が無くて、やっていけない。

でも台風の日、黒いアゲハ蝶が、大雨の中はばたいて川を渡り、
向こう岸の木の葉に隠れるのを見て、
逆らわずに、耐えて生きるしかないんだなぁと思った。

あの日恋したヴァンパイアに、キスしたくなった。
コメント (5)
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レゲエ青年に話しかける

2005-08-31 10:44:50 | ファッション


白いタンクトップに、ポケットがたくさんついている、ダブダブの黒パンツ。
銀地に緑文字の箱を、その黒ポケットにしまう。
それだけで、おしゃれに見える。

左腕には、わざとゆるくしている、ダイヤで囲まれたステンレスの時計。
腕を動かすたびにずれる。
大きめでも、ドレスウォッチ風にする事で、いやらしく見えない。

デニムキャップを深めにかぶって、音楽の準備をする伏せ目がちな彼を、ジロジロ見てしまった。

それは、色黒な胸元に下がっている、円柱のカプセルの中身が気になったから。
上から、赤、黄、緑。何が入ってるんだろう。

マーブルは時々、気になる物を持っている人がいると、知らない人でも平気で話しかけるが、
この雰囲気、無愛想な感じで恐い。
それでも気になる、カプセルの中身。

各駅停車はガラガラのまま、待ち合わせをしている。
横のBOX席に、彼は1人でいる。

「すみませ~ん。そのネックレスの中には、何が入ってるんですか?」
とうとう話しかけた。
予想とはうらはらに、
「砂が入ってるんです。」と、ニコニコして彼は答えた。

「その帽子にも同じ色が入ってますけど、同じブランドなんですか?」
「これは、レゲエの…色なんです。」
「この砂、濡れると混ざっちゃうらしくて、今はギチギチに入ってるんで、平気なんですけど。」
と、そんな事まで教えてくれた。

「その時計も、わざとゆるくしてるんでしょ?それもレゲエなんですか?」
「いや、これは違います。(笑)」
「いろいろこだわってて、おしゃれですよね。気になってジロジロ見ちゃって、すみませんでした。」
「ありがとうございます!」

あんまりしつこいと、面倒だろうから、それからは、だまって目を閉じた。
人がたくさん乗ってきて、降りる時も、振り返らなかったが、
ホームから窓越しに目を向けると、レゲエ青年は、こっちを見ていた。

「こだわっている」と言われて、嬉しかったのかもしれない。
軽く会釈されたので、マーブルも返した。

後日、レゲエ好きの知人に聞いたら、赤、黄、緑は、ラスタカラーと言って、
ジャマイカの神様を表す色らしい。
レゲエ=ジャマイカのイメージだからか。

ラスタカラーのネックレスは、彼の笑顔に、とても似合っていた。

小物って気になる。
そう言えば、穴が出来あがる前に、すでにピアスを、4つも買ってしまって思ったんだけど、
いろいろぶら下がってるタイプの物より、シンプルにワンポイントの方が、
「ピアスならでは」って感じで、綺麗なんだよね。

こうやって、身につけている物を見るように、心の中まで観察される事を、蓮音は嫌う。
ごめんね。
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