のぞみちゃん
「今日、のぞみちゃんが出るよ。」
近くに座っている人達の会話が、断片的に聞こえる。
(佐々木希ちゃんの事か。最近よく出てるもんね。)
夜、その番組を見たら、
「ポニョ」を歌ってる方の、のぞみちゃんだった。(笑)
ロッカー
あの人の小ロッカーの隙間から、
雪景色のイラストが描かれた、リゾートホテルの封筒がチラッと見えた。
「スキーはやらない。」って、言ってたのに…。
それにこんなホテル、1人じゃ行かないだろう。
一番上にあるから、最近取り寄せたのか。
つまり、これから行くって事だ。
わざわざ職場に持って来るなんて、見せる相手がいるって事か。
Rちゃんと一緒に行くんだ!
私は激しく落ち込んだ。
どうしようもない嫉妬にかられた。
頭が真っ白になった。
しばらくして、何気なく他の人のロッカーに、視線を動かした。
整理されていない、そのロッカーからは、
中に溜まった物が、あふれ出していた。
その隙間からはみ出していた物に、私は目を見張った。
何とそれは、彼のロッカーの中に入っていたのと、同じ物だったのだ。
全員に配られていた、宣伝用のホテルの資料…。(笑)
ああ、恐ろしや勘違い。
妄想は時として、殺人事件に発展するかもしれない。
もし、どのロッカーもキチンと整理されていたなら、
私は、多大な憎悪を、彼らに抱いていただろう。