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忘れられない
去年の暮れ、又奇跡が起こった。
ある朝、地下出口から地上に出たら、
信号待ちの、あの人に会った。
覗き込んで手を振ったら、
穏やかな顔でウンウンと、2回ほど頷いてくれた。
「頑張って。」と見えたのだろうか。
「行ってくるね。」というようだった。
わずか、5秒~7秒くらいの出来事だったろうか。
嬉しかった。
まるで、幻を見ているようだった。
以前、東京シティボーイズのきたろうが、
一番いい恋愛の形は、「片想い」だと言っていた。
もしかして、私の恋愛は、
「究極の片想い」ではないか、と思ったりする。
一方的な想い、メール。
口も、きいてもらえない。
異動したあの人に会うのは、偶然。
でもこうして、たまに起こる奇跡の一瞬に、
言葉も無いまま、意志を疎通させる。
いつものように、ニカッとした作り笑いではなかった。
私のメールに、閉口しているだろうに、
手を振られて、怒るわけにもいかず、
無意識に答えたのだろうか。
あの後、誕生日に送った、強烈なLOVEメールを読んで、
あの人は、どう思っただろうか。
眠れない
勤務シフトが変わって、睡眠時間も食事も、
生活サイクルの全てが、変わってしまった。
早く寝ても、眠れない。
マイケルの気持ちが分かる。
クスリに頼りたくもなる。
こんなに疲れてるのに、
起きなきゃいけない頃に、やっと眠くなる。
体調は悪くなるばかりだ。
トイレで会った人に、
「どうしたの?疲れた顔して。」と、言われてしまった。
自分でも、わかっている。
明らかに老け込んで、目元がタルんでいる。
更に嫌なのは、あの人の元カノと、
食事時間が、同じになってしまう事だ。
向こうも嫌だろうが。
おしゃべりバカ達が食事してるそばで、食べたくない。
今はもう、同じ職場で、
あの人が働いている事だけが、
私を動かしている。