安東伸昭ブログ

安東伸昭の行動日記

大豆収量伸びぬ日本 20年で2割減

2023年02月23日 | 大豆

令和5年2月23日

大豆収量伸びぬ日本 20年で2割減

 主産国と対照的 品種転換や湿害課題

 

大豆の10アール当たり収量が、2000年以降の20年間で主要産出国は伸びる中、日本は低迷している。

米国やブラジルは、品種や栽培技術の改良で単収が約3割増、中国では国内政策の転換を背景に15%増えた一方、日本は約2割減となった。

   

湿害や品種転換の進みにくさなどが背景にあるとみられ、農水省は食料安全保障の面からも、生産体制の抜本強化が必要とみる。

 同省が、国連食糧農業機関(FAO)の統計情報を基に、1999~2001年の3カ年平均と、18~20年の3カ年平均の収量を比較した。

 20年で生産量が世界最大のブラジルでは、32%収量が増えた。

農林中金総合研究所の阮蔚(ルアン・ウエイ)理事研究員は「品種改良の貢献が大きい」と話す。

中西部の「セラード地帯」は、酸性土壌で農業に適さないとされてきたが、適応した品種や栽培技術の開発により、産地化が進んだ。

 生産量がブラジルに次ぐ米国も収量は30%増で、「品種の転換や栽培技術の改良が貢献した」(農研機構)。

同機構による現地調査では、種苗会社の主導で多収品種の開発が進み、農家も毎年品種を切り替えていたという。

乾燥が減収要因となるが、かん水技術の進展や、特に乾燥する8月以前に収穫できる早生品種の普及も貢献したとみる。

 生産量が世界4位の中国は収量が15%増えた。

阮氏は「輸入依存から国産化に政府が力を入れ始めた」と指摘する。

中国政府はトウモロコシの買い入れ価格を維持する政策を長年続けていたが、過剰在庫を背景に16年に廃止。

一方で大豆への支援を手厚くしたことで、肥沃(ひよく)な農地で大豆への転換が進み、単収が増えたとする。

阮氏によると、除草剤耐性がある遺伝子組み換え大豆の生産が来年から許可される見通しで、「今後も単収は伸びる」とみる。

 各国では収量が伸びるが、対照的に日本では21%減少した。

農研機構は、梅雨に加えて水田転作での生産があり湿害を受けやすいと指摘。

日本では食用が主体で、食味や加工方法の変化に慎重になりやすく、飼料用が多い米国・ブラジルより品種転換も進みにくいとする。

土壌が酸性に傾くのを防ぐため、土壌分析に基づいた適正施肥の推進も課題に指摘する。

 同省は食料安保強化に向け進める、食料・農業・農村基本法の検証作業の中で大豆収量の動向を取り上げた。

大豆自給率(カロリーベース)は7%にとどまる中、同省は国産の増産が必要として、大豆で水田を畑地化した場合、

10アール当たり2万円を5年間助成するなどの事業を新たに措置している。

 

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