平成29年4月30日
津山「鉄道ブーム」を支えるもの 路線存続へ地域遺産活用
岡山県北の鉄道網の結節点となる津山市が鉄道ブームに沸いている。
2007年と16年の大型観光企画・デスティネーションキャンペーン(DC)を追い風に、近代化産業遺産・旧津山扇形機関車庫をはじめとした鉄道遺産の地道な観光PRが功を奏した形だが、全国的に広がるローカル線廃止の動きを受け、存続を願う地元の強い思いもブームを下支えしている。
日本に1台しかないディーゼル機関車をはじめ、かつて県北を走っていた急行車両など13両がずらりと顔をそろえる。
全国で2番目の規模を誇る旧津山扇形機関車庫。
学術的価値高く
もともと県南に比べて開発の波に乗り遅れた津山市内の鉄道施設には、同車庫や転車台、JR因美線の木造駅舎などがそのままの姿で残っている。
吉備国際大学の小西伸彦准教授(産業考古学)は「ノスタルジックな雰囲気があるものばかり。
明治期からの鉄道史を語る上で、学術的な価値も高い」と評価する。
「廃線」への危機感
鉄道観光に津山市が力を入れる背景には、もっと深刻な理由がある。
人口減少が進む地方で広がる廃線の動きだ。
経営が悪化したJR北海道は昨年11月、全路線の半分に当たる計約1200キロの区間を「単独では維持困難」と発表。
そのうち1キロ当たりの1日輸送人員を示す「輸送密度」が200人未満の3路線は廃止し、自治体にバス転換への協議を呼び掛けた。
JR四国も、夏ごろ自治体などによる懇談会を立ち上げ、路線維持の判断材料にするために非公表だった路線ごとの収支状況を示す方針を明らかにした。
中国地方では、JR西日本が来春、利用者減に歯止めがかからなかった広島県三次市と島根県江津市を結ぶ三江線の廃線をすでに決めている。
津山市など県北の路線もひとごとではない。
JR西日本によると、15年度の輸送密度は、津山線津山-岡山間(58.7キロ)は3616人だが、姫新線津山-中国勝山間(37.5キロ)が875人、因美線東津山-智頭間(38.9キロ)が197人といずれも千人を下回る。
廃線になる三江線(108.1キロ)は58人で、因美線は次の廃線候補に挙がる可能性が否定できない。
津山まなびの鉄道館 ホームページ
美作スローライフ列車運行
5月13日(土)・14日(日)
津山「鉄道ブーム」を支えるもの 路線存続へ地域遺産活用
岡山県北の鉄道網の結節点となる津山市が鉄道ブームに沸いている。
2007年と16年の大型観光企画・デスティネーションキャンペーン(DC)を追い風に、近代化産業遺産・旧津山扇形機関車庫をはじめとした鉄道遺産の地道な観光PRが功を奏した形だが、全国的に広がるローカル線廃止の動きを受け、存続を願う地元の強い思いもブームを下支えしている。
日本に1台しかないディーゼル機関車をはじめ、かつて県北を走っていた急行車両など13両がずらりと顔をそろえる。
全国で2番目の規模を誇る旧津山扇形機関車庫。
学術的価値高く
もともと県南に比べて開発の波に乗り遅れた津山市内の鉄道施設には、同車庫や転車台、JR因美線の木造駅舎などがそのままの姿で残っている。
吉備国際大学の小西伸彦准教授(産業考古学)は「ノスタルジックな雰囲気があるものばかり。
明治期からの鉄道史を語る上で、学術的な価値も高い」と評価する。
「廃線」への危機感
鉄道観光に津山市が力を入れる背景には、もっと深刻な理由がある。
人口減少が進む地方で広がる廃線の動きだ。
経営が悪化したJR北海道は昨年11月、全路線の半分に当たる計約1200キロの区間を「単独では維持困難」と発表。
そのうち1キロ当たりの1日輸送人員を示す「輸送密度」が200人未満の3路線は廃止し、自治体にバス転換への協議を呼び掛けた。
JR四国も、夏ごろ自治体などによる懇談会を立ち上げ、路線維持の判断材料にするために非公表だった路線ごとの収支状況を示す方針を明らかにした。
中国地方では、JR西日本が来春、利用者減に歯止めがかからなかった広島県三次市と島根県江津市を結ぶ三江線の廃線をすでに決めている。
津山市など県北の路線もひとごとではない。
JR西日本によると、15年度の輸送密度は、津山線津山-岡山間(58.7キロ)は3616人だが、姫新線津山-中国勝山間(37.5キロ)が875人、因美線東津山-智頭間(38.9キロ)が197人といずれも千人を下回る。
廃線になる三江線(108.1キロ)は58人で、因美線は次の廃線候補に挙がる可能性が否定できない。
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5月13日(土)・14日(日)