令和6年7月21日
25府県がカメムシ注意報 大量発生、果物被害に懸念
もはや“季節外れの暑さ”が珍しくなくなっています。
こうした異常な暑さの影響によるとみられるのが、各地で起きているカメムシの大量発生です。
「6月半ばでの注意報発表数としては過去最多」と、
農研機構東北農業研究センター・水田輪作研究領域上級研究員の田渕研さんは指摘します。
家に侵入して強烈な臭いを発生させることのあるカメムシですが、
果物や米、野菜などの農作物に被害をもたらすことが知られています。
猛暑や暖冬との関係など、各地のカメムシに今何が起きているのか教えていただきましょう。
平年の30倍超「カメムシ」大量発生で県が緊急対策会議 農薬追加散布で果樹被害防止
(鳥取・倉吉市)
梨や柿など果物への被害をもたらすカメムシが大量発生するなか、
7月16日、倉吉市でJAや県の関係者などが集まり、緊急の対策会議を開きました。
カメムシの被害を受けた梨。
果汁を吸われた部分がへこんでいます。
出荷できずに廃棄処分されます。
倉吉市のJA鳥取中央であったカメムシの緊急防除対策会議にはJAや生産者、
鳥取県の園芸試験場の関係者など16人が集まりました。
JA職員:
「普段は発生しない病害虫が春先から管内で発生しております」
県によると、梨や柿、ブドウなどの実の果汁を吸って被害を与えるカメムシは主に3種類で、
このうち梨の果汁を吸うツヤアオカメムシの発生量は2024年4月から6月に行った調査で
平年の34.4倍にのぼっています。
会議では定期的な農薬の散布だけでなく通常の1.5倍程度となる農薬の追加散布を果樹農家、
全戸一斉に実施することを申し合わせました。
JA鳥取中央東郷果実部・山田均指導会長:
「一斉防除、こちらで防除してこちらでしないとなればカメムシ、移動しますので、
みなさんが同時に防除するということを心がけていきたい。
おいしい梨、一個でも商品にしたい品質のいいものを作っていきたいという思いがあるので、
みなさんも協力いただきたい」
JAや県では出荷前に農薬散布のスケジュールを調整するとともに生産者には果樹園内外をこまめに見回り、
カメムシの早期発見に努めてほしいとしています。