ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

役所の逆鱗

2025-01-22 09:21:50 | 社会・政治・一般

聖域を侵すことは、誰であろうと許さない。

そんなお役人様の憤りが見て取れるのが、国民民主党の玉木氏のタレント愛人報道だと思う。玉木氏は財務省出身であり、だからこそ非課税枠103万円の大幅引き上げ178万円を主張したのだろう。

私も全ての年度の歳入内訳をチェックしている訳ではないが、税務の現場に居るものとして180万円以下の納税者の負担する所得税や住民税がさほど高くないことは分かっている。むしろ配偶者の非課税枠の中で働きたいとして、労働者の活力を削ぐ側面が無視できないとさえ考えている。

実際問題、この手の相談を受ける場合、もっと働きたいと考える配偶者の方には年間180万以上稼ぐ気持ちがあるのならば103万円の枠内に拘る必要はないと説いている。税金の負担はさほど多くないが、なによりも社会保険の負担が大きい。だから150万程度では却って手取り収入が減ってしまう。180万以上稼いでようやく収支が合うのが実情だ。

この180万程度の収入だと、税金よりも社会保険の負担のほうが大きい。その意味で玉木氏の主張する178万円は理解できる。ただ役所は嫌がると思っていた。役人様は国民一人一人の手取りが増えるよりも、その増えた分を役所が管理するほうが良いと考える。いわゆる「所得の再分配」である。

極めて社会主義的な発想だと思うが、その結果が失われた30年とも云われる日本経済の長期低迷である。大企業や投資家にはそれなりに恩恵のあったアベノミクスだが、庶民の財布の中身は薄くなるばかり。その原因は政府の「所得の再分配」を最優先する姿勢にあると私は考えている。

しかし、日本の役所は自らの過ちを決して認めない。あくまで自分たちは正しいとの前提に立つ。だからこそ非課税枠の拡大には本能的に反発する。その結果が玉木氏のタレント愛人報道ではないかと思います。

愛人を抱える政治家、大企業経営者、天下り官僚は少なくない。出世志向の強い人は、公私ともに欲望が強い。もちろん家庭第一の堅物が多数派なのは事実だが、そうでない人も少なからずいるのは知る人ぞ知る事実だ。ただ大手のマスコミが報じないだけ。

では、何故に玉木氏のタレント愛人報道は騒ぎになったのか。それを考えない人は馬鹿だと思う。あのタイミングで一個人を狙い撃ちにした報道こそ、お役人が如何に国民民主党の玉木代表を嫌たかが分かろうというものだ。

もちろん証拠などない私の下種の勘繰りの可能性は否定できない。でも、あの報道に意図的なものを感じないのはおかしい。真実はどうであれ、この報道により玉木氏は代表を降りざるを得なくなった。

もう目的は果たしたからこそ、その後の追求は尻つぼみである。これこそあの報道が作為的であったことを証明するものだと思いますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする