日本の外交の中核は対アメリカである。
そして日本は市場経済を重視する西側先進国の主要な一員である。だから西側先進国が皆ウクライナを支援するというならば、それに従うのは致し方ない。ここで小さな正義感なんぞ振り回しても役に立たないのは明白だからだ。
それは分かるが、日本にとって重要なのはウクライナとの友好関係よりも、ロシアとの冷静な関係だ。第二次世界大戦の講和条約さえ締結していないロシアではあるが、この難儀な隣国との安定的な関係は、日本の平和にとって重要な課題である。
もちろん敵の敵は味方といった視点から、ウクライナとの友好関係を重視する考えもあろう。しかし、北コリアにホイホイと核兵器を渡すような国であり、正直言えばあまり信用できない。
日本のマスコミは、変に偏重しているのであまり積極的には報じないが、ウクライナの敗北はほぼ確定ではないかと思う。欧米からの支援があるので、かろうじて戦線を持ちこたえているに過ぎない。たが、国防の最前線では兵士たちの逃亡が続出している。
ウクライナの民は決して怯懦な人たちではない。ナチスドイツの侵略に体を張って戦い、ソ連に強要された飢餓危機にも耐え忍んだ屈強な民族である。その彼らが国を捨てて逃げ出し始めている。平和ボケした日本と異なり、彼らは肌感覚で生死をかぎ分ける。
当然にゼレンスキー大統領は、その惨状を知っているはずだ。しかし彼らは戦争を止められない。何故ならウクライナの政治家たちは、西側からの援助に寄生して生計を立てているからだ。負け方にもよるが、最悪亡命も必須かもしれず、そのための資金を貯める必要がある。まだ戦争を止める訳にはいかないのだろう。
おそらくはアメリカのトランプ大統領がどう関わってくるかで、戦争の行方は決まると思われる。いかなる結果になろうと現在のウクライナ首脳には厳しいものになるだろう。当然に国民はそれ以上に過酷な結果を受け入れざるを得ない。
ウクライナの復興をビジネスチャンスと捉える向きもあるようだが、それほど甘くないと思う。遠い日本としては、西側先進国諸国と連携を取りつつ、ロシアとの関係をどうするかこそが今後の課題となるはずである。国際関係は善意や友好だけでは計れない。その教訓として欲しいものです。