入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「夏」(20)

2020年06月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 深夜目覚めて、昨日の帰りがけに目にした光景や状況を思い出していたら、眠れなくなってしまった。もう一度、疲労と酔いのチャンポンを味わうしかない。嗚呼。

 ほぼ昨日の呟きのように、一日はそれなりの疲労と、それに対するささやかな報酬である自己満足を得て、いつものように終わるものと思っていた。
 帰りかけて、第4牧区に出した牛たちの様子を見にいくと、何頭かの牛が妙に通常牧柵ぎりぎりの場所で草を食べている。牛と牧柵の間には、8000ボルト前後の電流が流れるアルミ線が並行して張られているはずで、おかしいと思い車を停め、一段高い牧区に入って呆然、息が止まりかけた。
 驚いた。すでに至る所でアルミ線が切られて、電牧はその用を全くなしていなかった。かなり早い段階で断線したのだろうが、そうなってしまえば牛にとって電牧は単なる細くて脆い金属の線に過ぎず、脅威でも何でもない。何故か牛たちは牧柵の際に生えている草を食べたがる傾向があるのだが、その際にはアルミ線ばかりか、支柱や碍子までも邪魔だとばかりにあのような狼藉を働いたのだろう。こんなことは初めてのことで、もっと入牧頭数が多かったころでも、またあの雄牛がいたころでさえなかったことだ。それはまさにテイ沢の丸太橋が大水で流された時と同じくらいの衝撃だった。
 さらに血圧を上げることになったのは、ナント牛たちと一緒になって10頭以上の鹿の群れが逃げもせず、すぐ近くからこっちの方を眺めていたことだった。まるであざ笑っているかのようで、鉄砲でも火炎放射器でも、あれば奴らに向けてぶっ放してやっただろうと、そのくらいの怒りが湧いた。
 どうやってそれを知るのか、同じ偶蹄類である鹿は、自分たちよりか余程図体の大きな牛を仲間と思うらしく、恐れない。そして、牛と同じように自分たちも扱ってもらえると誤解して、塩場の塩を舐めにきたのだとしたら、「どうぞ」とでも言えば良かったのか。冗談ではない。
 夕暮れの迫る中、あれこれと算段をしてみたが、ついに精も根も尽き果て、諦めた。
 
 本日の電牧の修理は、ほぼそれの立ち上げと同じくらいの手間がかかる。それは覚悟するが、感電の脅威を学習できなかった牛たちはまた同じことをする可能性がある。さて、と考えても妙案なぞない。

 MSWさん、通信は落手してます、多謝。きょうの続きは明日。
 PS:三角形の底辺に当る800㍍くらいの横線が復活。頂点の小入笠の頭に向けて、これから左の縦線へ向かう。南無。
 
 
コメント
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