今朝、富士見町から入笠へ上がる道路が、通行止めになったことを知らせる電話が入った。きょうからのようだ。
普段この道路は交通規制が行われているが、11月の中旬、確か16日からだったと思うが、規制が解除されていた。ゴンドラも冬季の営業を前に点検整備のため運休になっているから、これで富士見側から入笠へ来るには、沢入から歩いて来るしか他に方法はないだろう。
伊那側に関しては、こういう連絡を受けたことは多分一度しか記憶にない。現在も千代田湖からは、その先の枯れ木の頭付近の道路工事のため通行止めになっていて、あまり人には知られていな金鶏山の東側を迂回する千軒平経由の未舗装の道と、もうひとつ芝平からオオダオ(芝平峠)に出て、そこから林道を来る方法があるが、どちらもかなりの悪路である。(また消えた)。
昨秋、富士見側の道路の補修工事では事前説明会が行われたし、工事中も片側通行ができるような配慮をしてくれた。他方伊那側は、ある日いきなり通行止めの看板が出て、道路は封鎖されてしまう。それも毎年まいねんこの時季に限り、それも100㍍とかわずかな距離だ。業者は分かっているが、発注者は伊那ではなく、林野庁かも知れない。
ある年、杖突街道から芝平へ行く道路が一部通行止めになった時は、ここの住人らにとっては大変な遠回りになった。そのため、片側通行を要望したこともあったようだが、聞き入れられなかったらしい。
積雪の少ない1月の初旬くらいまでならオオダオまで行ける年もあるが、今冬は雪もだが、長いこと放置されたままのあの悪路はかなり手こずるはずだ。
そういうことはどうであれ、やがて伊那側も富士見側も雪に閉ざされる時が来る。富士見からはゴンドラが利用できても、伊那側からは歩いていくしか方法はなく、芝平から法華道を選ぶか、もしくはオオダオまで登り林道に合流するしかない。千代田湖、枯れ木の頭からも可能だが、かなりの時間を要することになるだろう。
しかし、冬の山である。降ったばかりの粉雪を蹴散らせて歩く、歩く。これが冬の山に入る本来の、普通の方法である。
森閑とした山道を、ひたすら登っていく。時に、モミのような常緑樹の枝に積もった雪が、その重みに耐えきれずにドサーと大きな音を立てて落ちる。風と自分の足音以外では、その時ぐらいしか音のない世界で、山は眠っている。
本日はこの辺で。