昨日「無音の春を独占しながら・・・。」などと書いたが、あの有名なレイチェル・カーソンの「沈黙の春」から拝借したつもりではない。題名は知っていたが読んだことはなく、春が来たのに虫や小鳥の歌わないアメリカの地方の町のことではなくて、ここ入笠牧場の早春の話であったわけだが。
この時期は特にそうだが、本当に鳥の声の他には、広大な草原には音がない。たまに風の強い日だと、牧柵の支柱がボウ-ボウ-と低い音を立てることもあるが、それはバラ線を結線するため支柱に穴が開いていて、その穴が気まぐれに笛の役をしてくれるからだ。天気のよくない日にこの音を聞くと気分の滅入ることもあるが、今日のような春霞の立つ青い空の下でなら気にはならない。
単調な仕事に没頭していてふと、森の方から小鳥の囀りを耳にしてやっと我に返ることがある。そして初めて、音のない圧迫感というようなものに、ずっと包まれていたことに気付かされる。それにまた、大きな青い空に雲でも浮かんでいればだが、そうでないと音ばかりでなく動きもないという、まるで写真に写った景色の中で、一人だけが動いたり、音を立てたりしているようで、そういう自分の姿を想像してみるとこれもまたおかしい。
今日は東部支所の新しい所長が、組合員課のHさんと来牧、いろいろと気持ちよく話すことができてよかった。草刈と布団干しは、これまで通りやってもらえることになり、安堵した。山小屋「農協ハウス」やキャンプ場の利用料金も一応据え置くことで了解を得たが、やはり安すぎるとは感じたと思う。利用者のほとんどが長年のお客で、料金改訂の難しさも説明したが、これに関して私案がないわけではない。
今年もこの軽トラックが頼り。もう走行距離は10万キロ近いがよく走り、役にも立ってくれている。以前に、通勤と作業とを同一車輌では何かあっては困るし、危険だと訴えてみたが進展なく、毎日100キロ前後を走ってる。
最近は僭越ながらUme氏の作品と交互するようにお粗末な写真を載せているが、もう少し季節が進めばまたUme氏の傑作の数々を登場させていただくつもりなので、五領丸さんもお楽しみに。そういえばこのごろ沙汰がないけど陸(おか)にいるのか、海にいるのか元気ですかね。
牧場内の山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては、4月26日のブログを参考にしてください。
それにしても、ゴールデンウイークの営業、いや今年の営業、これではどうなることやら、このまま手をこまねいてよいのか。