入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「冬」 (5)

2018年11月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

       あれい星雲 M27                      Photo by かんと氏
 
 昨夜から今朝にかけての星空はどうだったのだろう。かんと氏はまだ眠っている。聞くところによれば、最近はカメラの精度が向上してかなり暗い星雲、あるいは遠方のものも撮影できるようになったという。当然、カメラの値段もそれに合わせて高額になるだろうが、間違えてもそっちの方へ迷いこむようなことはない。金も時間もだが、とにかく、かんとさんたちがやっているあんな細かいことは不向き、できない、無理。


 
 そんなことを嘯(うそ)ぶいていたら、かんと氏が起きてきた。そして、昨夜のうちだか今朝のことか、すでに1点だけ画像処理を終えた写真があると言ってPCに飛ばしてくれたのが、本日の写真「あれい星雲 M27」である。
 今回の本命は冬を代表する星座、オリオン座の「オリオン星雲 M42」だったが、それまでに時間があったので、西の空に残っていたこの星雲を撮影したのだそうだ。細かいことを言えば、夏の星雲になるらしい。
 なお、本命については、画像処理を終えたら送ってくれることになっている。ご期待を。

 素晴らしい好天。紅葉もいいが、大方の木の葉が散ってしまった初冬の今頃、静かな山の午後を歩くのがいい。まだそんな気配だか様子はないが、例年だと1週間もしないうちに初雪が降る。そのわずかな間に、牧を閉じ、冬支度も済ませなければならない。きょう、小屋の整理や掃除、水場のことをした。石油も荷揚げしたし、残る大きな仕事は電牧の雪対策か。しかしこれは鹿が相手、牧を閉じてしまっても雪が降るまではやらない。

 さて、これも冬支度になるのか、今冬の小屋の「営業案内」をまとめた。内容的には料金も含め、昨冬と大きな変更はない。いろいろなことを思い、考えながら、老いたHALを連れて雪の法華道を、今冬は何度登ることになるのか。

 そういうわけで「冬の営業案内」をご覧の上、是非おでかけください。予約はお早めに。

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     冬の営業案内

2018年11月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



                 Photo by かんと氏



 冬季営業とは、11月21日から翌年3月31日までの、不定期の営業期間を指します。この間もできるだけご要望に沿えるよう努力しますが、1月半ばになると例年、車で上がって来ることができなくなります。そうなると管理人は歩いてくるしかなく、そのため後に述べるような幾つかの条件を受け入れていただくことになります。
 また、気象条件など不測の事態により、お断りすることもありますので、あらかじめご承知おきください。

 料金:3000円プラス薪炭料500円(1名1泊)、最低受け入れ人数10名(人数についてはお問い合わせください)。
    なお、ブログにて利用状況をお知らせしますが、上記団体に便乗する場合の人数は問いません。管理棟内にも10畳2室あり。
 
 申し込み方法:年末年始の営業は検討中です。要望があれれば最低受け入れ人数に関係なく実施します。
        その他の期間は利用予定日の最低でも10日前までに申し込みを。早ければはやいほど有利です。
        
 申し込み先:JA上伊那東部支所組合員課(直通TEL:0265-94-2473)、もしくは管理人の携帯でも結構です。
       ブログのコメント欄なら確実ですが、その際は、こちらから連絡できるようTEL#を付記してください。

 小屋は玄関、廊下、台所2か所、トイレおよび48畳の畳部屋があり、12畳づつに仕切ることも可能です。備品は大型ガスコンロ、同ガス釜、食器、寝具、冷蔵庫などで、自由に使用できます。ただし、後片付け、掃除は利用者に負担してい頂くため、自前の寝袋、使い捨ての食器などが便利でお勧めです。暖房は石油ストーブが大型2台、中型3台、小型2台あります。水道は冬季間は使用できませんが、小屋の近くに取水場を設けてあります。
 なお、鹿肉1頭分以外の食料、飲み物等は一切用意してません。ご苦労ですが、担ぎ上げてください。鹿肉(無料)は早い者勝ちです。





  
 近年スノーシューズの人気が高まり、ゴンドラを利用して入笠に来る登山者が増加しています。しかし、もう少し足を伸ばして、是非とも伊那側の雪の森や林へ来てみることをお勧めします。静まりかえった白い森の中を好きなだけ歩き、時代遅れの山小屋でしっかりと酒を飲み、笑います。あとは寒さに耐えて凍れる星々の歌声に耳を澄ませば、空から感動が降ってくるでしょう。

  ご意見や質問をお受けします。よい企画があれば、それもコメント欄へお願いいたします。冬の入笠牧場およびその付近を知るには、他の年の同時期のブログを(特に2月)参照してください。
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     ’18年「冬」 (4)

2018年11月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 2台あるPCのうちの新しい方が充電ができなくなったと思っていたら、今度はiPhoneまで同じようなことに。技術的なことは分からないので、PCはしばらく放置していたが先日メーカーに修理を依頼、そして仕方ないからiPhonePは新調した。しかし、こういうことをすると決まって今度も、想定外のことが次から次と起き、血圧ばかりを上げることになる。

 きょう、ようやく実生落葉松の整備が終わった。ささやかながら、それででも達成感はある。最後の20本ぐらいは、歯が外れてもよしとしてチェーンソーを使った。ギーコギーコからギャーン、その能率の良さ、終わって実に気分爽快。ただこの作業も恐らく、他の仕事と同じように誰もその苦労に気付かず、知ることはないだろう。



 それときょうはもう一つ、管理棟の前に置いてあった3台の軽トラを処分した。これだけの広さの牧場だから、まさか管理人が一人だけとは思わないだろうし、そういう推測を裏付けるのが本日をもって廃棄処分にする管理棟の前のナンバープレートの無い3台の軽トラである。大概の人は、人相の悪い荒くれオヤジが何人か詰めていると思って、敬遠していたことだろう。
 それはともかく意外なことに、活躍してくれた3台を見送る段になって、1か月前に牛たちを見送った時のような気分がして妙に身に沁みた。さんざん酷使したし、それに充分に応えてくれた軽トラである。役目を終えて山を下り、鉄くずになるだけだろうと思ったらあの牛たち・・・、いや、そう遠くないいつの日かの自分の姿でも見たような気がした、のかも知れない。(11月8日記)



 今月の18,19日は安曇野穂高で毎年の集会があり、そうなるともう牧を閉じるまでには残り10日しかない。解放感もあるが、寂しさもある。
 
 冬季の営業のことをこの頃になって言っていますが、車でで来られる間は(1月初めごろまで)何人であれ、できるだけご要望にお応えしたいと思っています。しかし、それができなくなったら歩いてこなければならず、カテゴリー別「H28年度冬季営業のお知らせ」にあるような条件を付けさせてもらっています。何故か「H29年度」の営業案内は消えてしまっていることに只今気付きました。不手際をお詫びします。
 ですので、今冬の小屋の営業を希望される方は、今から、あるいはできるだけ早めの連絡をいただけるとさいわいです。

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     ’18年「冬」 (3)

2018年11月07日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょう立冬。こういう山道を毎日通っている。この写真はオオダオ(芝平峠)を少し下った辺りで、主にナラやミズナラの葉だろうか、落ち葉がすごい。芽吹き、繁茂させ、そして落葉する。一見、膨大な無駄にも思えることを毎年のように、長い歳月に渡って繰り返す。この落ち葉の数、自然の持つ底知れぬ力を見せられている。
 
 実生から育った落葉松をノコギリとチェーンソーを使い、処理している。もう、この作業は何日にもなる。落葉松の落葉の時季でもあり、身体のそこら中に細い針のような葉が入り込む。たまらない。
 木の根元の小枝や雑草などをあらかじめ取り省いておかないと、簡単にチェーンソーの歯が外れてしまう。危険でもあるし、歯を取り付けるには、急な斜面の現場では無理で下まで降りてこなければならない。そういうことを、今までに何度も繰り返した。だから最近は、ノコギリを主にして、チェーンソーは補助的に使っている。腕力を酷使したが、この仕事も一応きょうで大方けりが付いた。牧を閉じるまでには、まだ他にもやることが残っている。明日で終わりにしたい。
 ノコギリや斧しかなかった昔の人はもちろん、現代の作業者でも、日がな一日森の中の不安定な場所で延々と木を伐る仕事とは、なんとご苦労なことかと、自身でやってみて痛感している。やがて彼らは雪にまみれ、極寒の中で危険な作業を続けることになる。自然もエライが、人間もエライ。肉体作業というものはみなこうだろうが、老いを嘆き、身体の不自由を訴えてばかりいるあの文筆の人には分からない世界だろう。
  
 山は今が一番だと言う人もいる。静かだ。特に夕暮れ時の今はいい。

 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。

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     ’18年「冬」 (2)

2018年11月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨が降っている。作業日誌の雨の記録は、先月の14日以来だ。山道に散っているナラ、クヌギ、クリなど広葉樹の葉が一段と目立つようになってきた。きょうの雨で落葉が一挙に進み、来週の末ごろには初雪が、そしてここら辺りの森や林も程なく冬の眠りに就くだろう。

 昨日「法華道」を下った。無雪期の古道を歩くのは初めてだったが、初冬の山の雰囲気が実に良かった。つい、忘れていた上越の山の、同じ初冬のころを思い出させてくれた。
 一昨日も呟いたが、北原のお師匠は法華道の倒木のことをずっと気にかけていた。それについては、実は弟子は別な考えを持っていたのだが、一刻・一途なお師匠のこと、他人に頼んででも何とかしようとするだろうと思った。一応弟子を自称している立場上、師の案じている状況を見てみぬふりはできぬと、チェーンソーを首にぶら下げ、久しぶりの法華道に向かった。
 幸い、山奥氏という同行者がいた。氏に一昨日、下山後の諏訪神社から牧場までの便を頼んだ際、それとなく誘ってみたら「いいねぇ」という返事が返ってきた。まさか、それが翌日の朝、急に言われるとは思っていなかったようだが、「やることが一杯ある」が口癖の氏を最終的には観念させた。
 諏訪神社に氏の軽トラを残し、いったん牧場まで牧場の軽トラで上がった。簡単な準備を済ませ、御所平峠(本家)経由でイノシシの掘り起こした歩きずらい林道を下った。途中、目に付いた障害になるような倒木は除去した。山奥氏は初めての古道にすっかりご満悦のようで、また氏がどれ程山の熟達者であるかを、道中散々聞かされた。それも愉快だった。
 結局、問題の倒木の多い個所というのは登り口から「龍立つ場」までの、歩いてたった2,30分くらいの間に集中していた。問題になる倒木はすべてを伐採したり、片付けたが、それは「歩いて通行する」という条件付きでのこと、それ以外の目的については関知しないどころか、承知してない。

 伊那側は、富士見側と違い、行政の手がほとんど入っていない。その分、北原のお師匠や種平小屋などが個人の善意により、足りない点を補い整備しているのが現状である。しかし、二つの登路のある「法華道」は、どちらも味があり(種平小屋経由の赤坂口は無雪期にも歩いている)、特に初冬の山歩きには向いている。今回のことは、北原のお師匠ばかりでなく、山奥氏も喜んでくれた。

 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。


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