わたしを生きているのはわたしです。ほかのひとがわたしを生きることは出来ません。
嬉しく嬉しく嬉しく生きていいのです。わたしの思い通りでいいのです。
今日を嬉しく嬉しく嬉しく生きることにします。
わたしを生きているのはわたしです。ほかのひとがわたしを生きることは出来ません。
嬉しく嬉しく嬉しく生きていいのです。わたしの思い通りでいいのです。
今日を嬉しく嬉しく嬉しく生きることにします。
「寝物語」 薬王華蔵
おしまいになると
はじまる
お婆の話は
もう一回をねだると
もう一回がはじまり
もう一回もおしまいになる
寝てしまうまでこの調子
寝てしまったら
その日の夜はふける
すやすやすやすやを
寝物語が引き受ける
こうして
こどもらはお婆に
寝るまでの短い間を預ける
なあにいっときのことさ
まもなく死ぬこの男が呟く
これで諦めをつける
生きて目が覚めている間は
この世の寝物語が続く
しんしんと更ける冬の夜の
冬の夜というお婆の
寝物語が続く
***
この詩は、今日の佐賀新聞読者文芸詩部門の3席に選ばれていた。貝原昭選で。嬉しい。
われらは、冬の夜というお婆(ばば)さまの寝物語を聞いて、とろりとろりと眠りに就いているのだ、生涯に亘って。