うっすら、日が差し込んできました。なんだか嬉しいな。うっすらというのは嬉しいな。うっすらほどが嬉しいな。
ほのぼの、山に山霧がかかっています/なんだか嬉しいな。ほのぼのというのは嬉しいな。ほのぼのほどが嬉しいな。
やんわり、立ち上った雲が流れていきます。なんだか嬉しいな。やんわりというのは嬉しいな。やんわりほどが嬉しいな。
うっすら、日が差し込んできました。なんだか嬉しいな。うっすらというのは嬉しいな。うっすらほどが嬉しいな。
ほのぼの、山に山霧がかかっています/なんだか嬉しいな。ほのぼのというのは嬉しいな。ほのぼのほどが嬉しいな。
やんわり、立ち上った雲が流れていきます。なんだか嬉しいな。やんわりというのは嬉しいな。やんわりほどが嬉しいな。
おおいおおいおおい/声は/おおいおおいおおいを言うために/大声を出す/おおいおおいおおいの声を/聞いてくれている耳があるはずだ/大空という耳があるはずだ/おおいおおいおおい/野原の声が叫んでる/大きな声で叫んでる/ミゾソバの可憐な草に/声がある/谷の小川に/声がある/狐と鼬に声がある/おおいおおいおおい/わたしの耳にも/聞こえてる/
わたしの耳にも/聞こえてる/
バナナを一本食べました/これでお昼に致します/バナナの森がくれたので/わたしはバナナを食べました/バナナの森の土塊(つちくれ)が/バナナを育ててくれたので/わたしがバナナを食べられた/思って見ればふしぎです/どうして森の土塊が/おいしいバナナになったのか/それも分からず食べられた/わたしというのもふしぎです/
3
松は松で生き、椿は椿で生き、蒲公英は蒲公英で生きカヤツリグサはカヤツリグサで生きている。文句をつける筋合い、つけられる筋合いなど、何処にあるか。あるものか。生きたいように生きていい。そのように、それがまかり通れるように宇宙は造られている。そうであるのに、狂った眼で、ああだこうだ、上等だ下等だ、よろしいよくない、つまるつまらないなどと言いこわる。
言いこわって、言い募って、ひいては、己の生き方を狭くする。狭く狭くする。本来の広大無辺を狭くする。
2
猫は猫で生きライオンはライオンで生き、鼠は鼠で生き蚯蚓は蚯蚓で生きているのに、狂った人間の眼で見てそこに上下をつける。高低をつける。
それぞれの個を認めない。個は個らしくして生きているのに、個の生き方を認めようとしない。自由を謳歌しているのに、その自由を剥奪して掛かる。そしてついには、素晴らしい生き方をしていないといけないなどと勝手な制限を加えてしまう。
1
人間の眼は狂っている。すぐに色付けをしたがる。上下の評価をしたがる。下した己の価値観を己にも押しつけたがる。あろうことか人にも。絶対評価なんかないのに、絶対的評価を下して押しつける。人を潰して己も潰される。無用をことたてて有用化する。
6
ま、人は人だ。僕は僕でそれを探し出さなくてはなるまい。僕は社交が苦手だ。人の中を渋る。話をするのも面倒だ。だから、一人でいる。一人でいることが圧倒的に多い。喋る相手が居ないから、当然ながら、黙然としている。偶に口笛を吹くくらいだ。派手さがない。内に籠もるタイプで、行動半径も頗る狭い。だったら、仕方がないのではないか。楽しさを吹聴が出来ないのは。
5
なぜいきなり、そういう楽しさ満喫宣告を僕にしたくなったのだろう? 僕がとてもみすぼらしく見えて、それで元気を鼓舞してあげたくなったのだろうか。元気注入剤注射をしてあげたくなったのだろうか。老後の人生を彼は楽しく過ごしている、それは頗るいいことだ。
楽しさの中身は聞き出せなかった。或いは、日頃からそんな考えを抱いて行動をして、それがそこで満水状態を起こしていたのかもしれない。K君は老いても、それを覆すほどのいい生き方をしていると思う。
4
若いときから社交ダンスがとても上手だった。ダンスが出来るかっこいい男性は少ないから、引く手数多。いつも女性の手を握ってリードをしていられるようだ。羨ましい。老人会会長も引き受けているらしい。何とかゴルフをあちこちへ行ってしているらしい。あとで、そんな話を全体の同級生会の中で話していた。さもあらんさもあらん、筋肉隆々の若さを保っている彼だ。さもあらん。
3
昨日、同級生のK君に会ったら、いきなり、本当にいきなり、「生きているのは楽しい、楽しいねえ」と宣告された。僕は「ふううん」と答えたきりで、何がそんなに楽しいのかは聞き出せなかった。彼は力強い見事な体躯の持ち主。全身に健康が漲っていた。やることすることがたくさんあるのだろう。行くべき当てもたくさんなんだろう。