「うどと凍み大根のどんころ煮」
主な伝承地域 最上地域
主な使用食材 うど、凍み大根、身欠きニシン、さつま揚げ、醤油、酒、砂糖
歴史・由来・関連行事
「凍み大根」や「凍み餅」などは、東北地方でよく見られる保存食の製法で、雪国ならではの寒さを利用してつくられる。「凍み大根」を仕込むのは寒さが最も厳しくなる1月。大根は皮を剥き、輪切りか20cmくらいに切って縦長に割ったものに穴を開けてからゆでて、アクを抜くために水にさらしてから雪の上に並べて凍らせる。そのあと、軒先につるして乾燥させ、3月ごろになるとようやく完成。手間のかかる作業だが、こうすることで大根の味わいがぎゅっと濃縮されて保存性も増す。
「うどと凍み大根のどんころ煮」は、春に芽吹く旬の山菜のうどと凍み大根とを合わせた料理。”どんころ”というのは丸太のことで、うどを切ったときの断面が丸太に似ていることからこう呼ばれるようになったとされる。また、「うどと凍み大根のどんころ煮」の材料となる身欠きニシンは、ニシンの干物のことで、「どんころ煮」は海の幸と山の幸が調和する郷土料理。
この身欠きニシンにも歴史があり、古くは江戸時代、北海道から関西へ物資を運ぶ商船「北前船」によってもたらされたといわれている。
食習の機会や時季
うどは、独特の香りとほどよい苦みが特徴で、油との相性が良く、煮物や炒め物、天ぷらなどにも使う。「うどと凍み大根のどんころ煮」は、うどが芽吹く早春に食べられる郷土料理で、飲食店で提供されるというよりは、家庭料理として食べることが多い。
うど以外にもわらびやふきのとうなど、山形県では山菜が日常的な食材として広く浸透している。
飲食方法
うどは食べやすい大きさに切ってから、水にさらしてアクを抜き、凍み大根はお湯で戻しておくのが美味しく食べるポイント。身欠きニシンと一緒に調味料を加えてじっくり煮こめば、凍み大根に味がしっかり染みわたり美味しく仕上がる。「凍み大根」やニシンがくずれないように注意しながら煮ると良い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
いまでも「うどと凍み大根のどんころ煮」は、早春の味を楽しむ代表的な家庭料理として一般家庭でもつくられている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/udotoshimidaikonnodonkoroni_yamagata.html より
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