「ざく煮」
主な伝承地域 高崎市
主な使用食材 こんにゃく、根菜、するめなど
歴史・由来・関連行事
群馬ではもともと、秋のえびす講・正月えびす講(春えびす講)や節分などの行事にけんちん汁を食べる習慣がある。このけんちん汁に似た郷土料理で、高崎市で伝承されているのが「ざく煮」である。けんちん汁と同様、祝い事などの際に食べることが一般的ではあるが、特に特別な行事の際に、材料を細かく切って作ることが特徴となっている。また、けんちん汁の場合はまず具材を多めの油でしっかりと炒めるのが特徴だが、ざく煮の場合は油を使わないほか、けんちん汁では加えないするめをだしとして使用する。その歴史は長く、少なくとも60年以上も前から作られていたと言われている。
食習の機会や時季
正月にはお節料理の一品として食べられるほか、節分や祝いの席で供される行事食となっている。また、商売繁盛を願って行われるえびす講でふるまわれることもあるほか、屋敷祭りの定番料理でもあるという。神様に感謝を伝える行事・屋敷祭りでは赤飯や尾頭付き魚(丸干しいわしなど)と一緒にお稲荷様に供え、願い事をしてから家族で食べることが習慣となっている。
飲食方法
一般的なけんちん汁は野菜を油で炒めてからだしで煮込んで味つけを行うが、ざく煮では油を使わず、また、だしにするめを加えることなどが特徴となっている。かつては婚礼時に供されていたため、夫婦が水と油にならないようにという願いが込められてのことだった。婚礼時にはいつものざく煮に結び昆布などを加える。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的に作られているほか、飲食店ではざく煮をアレンジした料理を提供する店舗も見られる。また、高崎市では「子どもが喜ぶ伝統食」講座を開講し、ざく煮の知識や作り方を継承するよう努めている。さらに20年ほど前から数年間、地元JA隣接の店舗でざく煮の販売を行っていたこともあった。今後は地域の公民館などで調理実習を行いながら、ざく煮を継承していくことも検討されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/32_14_gunma.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます