ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「あの夏の子供たち」

2010-06-30 | 映画のお話
「さよならパリ。父の匂いをこの街にのこして、私たちは歩いていく」
~幸せだった家族に突然訪れた悲劇と再出発の物語~
というフレーズを何度か予告編で見ていた。

久しぶりのフランス映画、それもパリが舞台?!という思いで楽しみにしていた。

父の自殺という不幸は前もって知っていたが
日本のビジネスマンのようなハードな仕事ぶりと
増えてゆく借金と資金繰りに世界も変わったものだなあと嘆息。
確かフランスは格段に映画への補助金や助成金が多いお国柄だったはず・・・
だから昨今、フランス作品のはずが
観に行ってみるとハリウッド俳優と英語の作品で
フランスなのは舞台だけというのがあったりして
がっかりなのだろうと思っていたのだが・・・

しろくじ中、二つの携帯電話で話しながら仕事にあけくれる父親はそれでも
食事におくれるとなると家族のひとりひとりに電話をかわり声をかける。
きまって週末は郊外の別荘で家族と過ごすのはさすがだ。
友人たちといっしょに過ごしたい娘が「みんなはパリですごすのに」
と不満をぶつけた時も父は
「郊外に別荘を持っていて家族と過ごせる幸せ」を静かに語った。

芸術を極めてこだわりの映画を作りたい監督とのかかわりと出費
それでも家族の生活とは別なのだ

旅行先のイタリアのいなかの歴史ある建物を子供に話しながら歩く時の楽しげな芸術家の顔

亡くなってからの妻の
「自殺は彼の将来の選択肢の一つだったのだから」という言葉の深さとしなやかさ
妻や小さな娘たち・そして年頃の娘への細やかな夫として父としての気遣いの人

仕事でのまわりへの気遣いの優しさや繊細さが彼の破滅へとつながっていたのだろうか

夫の死後、夫の会社の建て直しをしようと決意し
前をしっかり見つめて歩いてゆく妻の姿に勇気づけられる

映画の世界に将来入っていくだろう兆しを見せる娘の姿が印象的だった




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