地震その後 そして春

11日の地震から、揺れがまだ続いている。
昨日はあまり揺れなかったような気がしていると、
朝からの大揺れに驚いたりする。
たいていは震度４どまりだが・・・

ライフラインが止まって水汲みや炊き出し、
とにかく何か食べるものを売っているお店探しに
連日奔走していたある日のこと

ふと「ふきのとう」がもうすっかり顔を出していることに気づいた。
きちんと春は来ていたのだと思った。

毎日の生活に追われ、季節のことなどとうに忘れていたんだ～

2月の初めに梅が咲き始めたけれど、今が満開。

何度か積雪があり、冬に逆戻りしても
春はもう来ないかもしれないと思っていたわけじゃないのに

毎年、あんなに心待ちにしていたのに・・・

奮発して、貴重な買い置きの油とガスボンベを使って
ふきのとうの天ぷらを揚げた。

でももう粉はこれで終わりだ。

春のほろ苦さを複雑な気持ちで味わいながら
そういえば、さくらのたよりもすっかり聞いていないことに
また気づいた・・・

今、さくらはどこまで来ているのだろう。


店先だけでなく、すっかり一階フロアまで入れるようになったスーパーで粉を探した。
粉物の棚はもぬけの空だ。
ふりかけ類もカップラーメンもインスタント食品も
安いものからどんどん無くなっていった形跡が見てとれる。

キャンデーもない。

昨日あったものが今日はなく、
ぐるりとガソリン待ちの車が並ぶ道路。

リュックを背負ってさっそうと歩く人と
やけに多い自転車族。
こんなところに自転車屋さんがあったんだと
人だかりで気づいたりする。

そうして
へえ～　お風呂屋さんがあったんだと
並ぶ行列でまた気づくことばかり。

一人10分でも、入れれば温まれるし、
少しはきれいになれるよと
じっと風を避けて並ぶ人々。

自分の住む街のあちこちで
小さな発見の毎日。

今年の春は気づかされることばかり