ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「地震の日から」

2011-03-14 | きょうのできごと
11日と12日の夜は見つかったろうそくをともして過ごした。

あの日、並んでコンビニで買えたのは最後のおにぎり3個と食パン、仏壇用の小さなろうそくだった。
カップ麺や電池、ガスボンベはとうに売り切れていた。

雪の降る寒く薄暗い店の入口で店員が3人、段ボールに分けて入れた品物をとり、
ひとつずつ電卓をたたいてこなしていた。

ここはそのコンビニチェーンの東北1号店で、本部や研修所も同じ並びにある事に気づいた。
だから何とかやってくれていたのかもしれない。

他のコンビニもスーパーも全て、店という店が堅くシャッターを下ろしてしまっていた。

どの位時間が過ぎたのかもわからず、家に急いだ。

帰ると仕事に出ていた夫も娘も家にいた。
娘は鍵を持っていた事も忘れて、ドアの前で途方に暮れていたらしい。
自分のアパートに帰らず会社から実家に直行したようだ。


地震直後は出ていた市ガスもまもなく出なくなっていた。
やっと車から探し出したラジオのニュースでガス局の方で全て遮断したと知った。
仙台港のガス設備の損害がどうしようもないことを後から知った。

娘が風呂桶いっぱいに水を汲んでくれていた。
翌日から水道も断水してしまったので助かった。

今は全く使っていないガスコンロとボンベを出すと
予備が思いのほかあった。

石油ストーブを焚き、やかんをかけて暖をとり
お湯を沸かした。
灯油も先日買ったばかりだったのは幸運だった。

そうしてライフラインが全て止まった。

翌日は水道局のモニターをしていた時
地図で見てうろ覚えだった緊急用の地下貯蔵水がある場所を目指して
自転車にバケツを二つ積んで出かけた。
行列は長く、ちょろちょろしか出ない水はなかなか貯まらず
3時間もかかった。

それは序の口だった。
買いものの行列はすさまじかった。
どの店の列なのかもわからないほど並んでいて驚いた。

生協の店の入り口で店長がより多くの方に渡るようにご協力をと呼びかけていた。
買えるのはカップラーメンが一人○個までとボトルの水が○リットルだけだという。

なくなり次第終了とのこと、数百人分もあるはずもなく到底買えそうもなく諦めた。

この寒い中、いつもみなじっと並んで待っている。
騒ぎ出す者もいない。こんな時、東北人の我慢強さを思う。
自分も東北人だということも・・・

信号の止まっている交差点も何とか譲り合ってやり過ごしている不思議な世界。

でもこれが現実だ。




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