てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

ロースト・ビーフの思い出

2010-12-12 06:25:00 | レジャー
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ワシントンD.C.の議事堂前にて(社内報に掲載された写真)

 ある方から心入れの歳暮として、いつもの如く逸品のロースト・ビーフを頂いた。ロースト・ビーフを見る度に懐かしく思い出すことがある。19年前の4月に一週間かけて、アメリカ東海岸を旅した旅先での珍騒動の一幕である。先日の小欄「ナイアガラ瀑布に倣う」の記事もその時の旅で出会ったシーンを想起して認めたものである。

 《今晩は少し遅い夕食をアメリカらしく決めようと、数あるデリカテッセンの中からカーネギー・ホールの近くにあるザ・ニューヨーク・デリカテッセンを選ぶ。ガイドブックの『広さでは群を抜いて大きく、約500名分の座席がある。天井が高く、ゆったりとしたレストラン気分でデリカフードが楽しめる』に誘われて出かけた。案内されて席に着き、出されたメニューはもちろん横文字でチンプンカンプン。できれはBeef-Steakでもと思っていたので、適当にBeefの字が目についたものを指で示して2人分頼む。Waiterは、一瞬怪訝そうな顔をしたが、焼き具合いも尋ねず引き下がる。何だか変だな、とは思った。

 しばらくあって出てきたのはRoast-Beefである。しかも山盛りで、わが家族中かかっても平らげられる量ではない。おまけに野菜、ポテト・サラダ、パン、丸ごとピクルスなどが付いてくる。

 ハイネケン・ビールを2本空けるうちにも口の中でビーフ片は一向に減らない。結局パッケージを頼んでホテルヘ持ち帰った。家内も初めからロースト・ビーフと分かっているなら止めてくれればよかろうに、私が注文するのを、そんなに好きだったのかと再認識していたと言う。勿論お互いにこんなバカでかい量とは知る由もなかったが・・・。》(拙ホームページの旅まくら>アメリカ東部「アメリカ、二大発見の旅」より抜粋)

 当時、社内では「リフレッシュ休暇推進」、「土曜日出勤半減」の両運動がスタートした直後であり、当方の長期リフレッシュ休暇は何よりも宣伝PR効果ありということで、社内報に写真付きで紹介されるという曰く付きのものである。

 先述、旅のかけある記は、「大国アメリカは双子の赤字(貿易と財政)、エイズ禍の蔓延、失業者の増加、湾岸戦争終結後の諸問題などを抱え傷つき疲弊してはいるが、やはりわれわれからすれば“世界のアメリカ”には違いない。日経平均は27,000円の壁が厚くもたついている間に、とうとうNYダウは3,000ドルの大台に乗せ史上最高値をつけた」と締め括っている。これまた隔世の感がある。

※株価、NYダウ11,410$に対して日経平均10,211円(2010年12月現在)
 ドル/円 1991年4月1$=132円→2010年12月1$=94円
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ナイアガラ瀑布に倣う

2010-12-07 09:59:00 | 音楽
 「アルハンブラの思い出」を弾きこなしたくて、アラカンにして新堀ギター音楽院の門を叩き、途中母親の死去などのために1年間の休学を挟んで、丸1年を経た。

 村治佳織、斉藤松男、荘村清志など名ギタリストのプレーを教本に、アルハンブラの思い出マスターに向けて自己研鑽に励んで2年以上になるが、未だに中々イメージするトレモロの音が出ず試行錯誤の毎日だ。

 並行するもう一つの課題曲「愛のロマンス(禁じられた遊び)」については、中谷先生から5回~6回のレッスンの末に、このほどやっと及第点を頂き、いよいよ次回の個人レッスンから念願のアルハンブラの思い出にグレードアップすることになった。

 前回のレッスンの最後に「指の筋力不足の所為か目指すスピードまで上がらず、未だにトレモロがイメージ通りに弾けなくて・・・」と弁解しながらアルハンブラの思い出のイントロを弾いただけで、思いがけず先生から「(1年)前とはゼンゼン良いですよ!」と褒められ、少しだけ自信を取り戻した。

 三歩進んで二歩下がるではないが、遅々とした歩みながらも、日々の積み重ねこそが何時かは実を結ぶ。かのナイアガラ瀑布も一滴の水滴が集まって、やがて勇姿を表すことを思い知った。
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河豚の焼き白子

2010-12-06 15:08:00 | グルメと料理
 昨年、何かと話題になった映画「おくりびと」については、小欄「2009/3/20おくりびと」で触れたように多くの感動を与える映画だった。なかでも食のシーンも強く印象に残り忘れ難い。

 映画の後半、クリスマスの夜に骨付きフライドチキンをむしゃぶりつくシーン、更に秀逸だったのは山崎努扮する社長が自分がこの職業についた経緯を説明しながら「これだって遺体だ。生き物が生き物を食って生きている。申し訳ないけど美味い」といいつつ河豚の白子をチューチューと吸うようにして食べる。

 脚本を書いた小山薫堂氏は「塩をふった河豚の白子焼きは、ぼくも食べるたびに『申し訳ないけど、美味いな』と思いながら食べているんです。白子って男にとって、特に命をいただく感覚がありますよね、精子ですから。山崎さんは『困ったことに、美味いんだな、これが』と言いますけど」と述懐している。

 この二つのシーンが頭から離れなかったが、その機会にやっと巡り合えた。先日開催されたJA産直まつりにのぞいて念願の河豚の白子を入手した。
 白子が美味しい魚は数少なく、これからの時季、スーパーの店頭に並んでいるのはせいぜい鮭や鱈で、河豚は滅多にお目にかからない。

 店のご主人に聞くと、酢の物、汁物、鍋物、焼き物・・・何でも良しというが、映画の通り軽く塩をふった「焼き白子」をポン酢でいただいた。
 山崎さんのセリフ通り、「美味しいですね。困ったことに。」のお味だった。口にいれた時のふわっととろけるあのクリーミーな食感が堪らない。惜しむらくは値段が高いことと、そうそう何時でもある訳ではないことだ。
コメント (2)
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