
5世紀のエルサレムではすでに、聖母マリアの誕生を今日お祝いしていたそうですから、キリスト教の歴史の中ではとても古い祝日です。
「おめでとう!」と言うと、「もうお祝いしてもらって喜べるような歳でもないけど」などと返してくる人がたまにありますが、高齢者の介護施設に行ってもお誕生日はお祝いしてもらえ、ご本人たちは満面笑顔です。いくつになっても、この世に生を受けた記念日というのはついて回ってくるし、年に一度そのことにこころを留められるのはありがたいことです。
誕生、入学、就職、結婚、出産、あるいは司祭叙階や修道誓願、その他、その人の人生にとってのビッグイベントを、自分自身はもちろんのこと、親しい人に思い出してもらい話題にしてもらえるのは、何と言っても嬉しいものです。

同じ時代、同じ国に生きているのに、戸籍がない人がいます。いろいろな事情でそうなったのでしょうが、生まれてきたその人には何の咎もありません。生まれてきたからには親は必ずいるはずなのに、誕生日、出生地、親の顔や名前などを知らないまま育っていく子どもたちもいます。
そんな生を一生懸命生きている人々のことを忘れずに、祈りのうちに今日を過ごしたいものです。