友人に、夫婦で米作農家をしている人(通称=カネ。本名は兼博)がいる。田んぼは、16町ある。
「1ヘクタール=100アール=10000平方メートル=ほぼ1町=10反」早い話が、16町は、ほぼ16ヘクタール。「それなら、豪農だろう!」と、誰しもが思う所ですが、どうもそうではないらしい。カネが言うには、「うちの収入?15万円の給料取りに負けてる…」。つまり、月給にして15万円程度ということらしい。
TPPの話になると、カネが怒る。「米農家の30%は潰れる!」と。
私が、わざとカネの感情を逆撫でする。おもしろ半分で申し訳ないが(ぜんぜん申し訳ないとは思っていないけど)。「民主党は、農家に所得を補填する。そうすれば、農業が成長すると、言っているんじゃないの?政権与党が言うんだから、良かったね!カネ!」
カネ:「そんなことを言うなら、きちんと根拠を示せよ!そんなお金どこから出るのよ!」
そうだよなあ。「TPPで損をした所得の補填」そんな話実現できるのか?ということですね。方便を並べて、なんとしてもTPPに参加したいんだから…。東日本大震災に関わる補償問題があるのに、TPP関係で農家に補償する?お、お金はどこにあるの?
カネの家は、皆、頭がいい。兄は、農業定時制高校(4年制)から日大の二部へ進んだ。家が貧しかったので、自分で学費も生活費も稼がなければならなかったので、定時制高校へ行き、夜間の大学へ行ったわけです。日大二部で、勉強しまくり、働きまくり、貯金まで残した。そして、東大大学院ヘ進み東大の教授になった。姉も働きながら早稲田の二文を卒業。文筆でめしを食っている。カネは、中学を卒業して家業を継いだ。兄や姉に米を送るには、自分が農業を継ぐのが一番と考えたらしい。およそ7ヘクタールしかなかった田んぼを、48年間で16ヘクタールにしたのだから立派なもの。もっとも、自分で開墾したのではなく、離農した田んぼを買い取って増やしてきたわけ。
閑話休題。「カネ物語」ではなく、TPP…
農家への戸別補償制度…額面通り受け止めていいのか?本当に出来るのか?早い話が、枡の中に豆が無ければ、バラマキしたくても撒けないないと思うが。「農業保護のために日本がたち行かなくなってもいいのか」という声も。こんな言い方をされると、カネが怒るのも無理ないなとは思う。
「TPPを受け入れて、農業を強くするべきだ」
「TPPに参加せずに国力が落ちたら農家もやっていけない」
「TPPが来ても自分の農場はしっかりとした経営基盤があるから大丈夫」
「農産物を輸出しているからTPP賛成」
これら、TPP推進論…前向きで耳障りは良いが、理想であって、本当に農業のことを考えているのかね?
農業者の多くは、TPP加入に反対している。具体的には、およそ30道府県議会で反対もしくは、「慎重な対応を求める意見書」が採択されているしている。加入を「開国」として突っ走りたい政府のはずなのに、平野達男副内閣相が…解っちゃいない。「開国フォーラム(2/26さいたま市)」で、質問されてしどろもどろ…反対意見を封じ込めることなど全然無理でした。どーゆうこと?
歴史的に見ると、日本国の基盤であるはずの農業が翻弄されてきた。「農業基本法(昭和36年)」…これによって農家は分解された。減反政策(昭和45年)これは、「作れ、作れ」から一転して「作るな」ということ。そうこうしているうちに、米あまり。米価の下落。そこへTPP。「日本農業は壊滅する」そう危惧するのもうなづける。
カネの言葉を借りると…TPPは「自由貿易の犠牲になる農民」と、「新自由主義者」の戦いだ。オレたちが負けたら、民主主義だって破壊されかねないんだぞ。
民主主義の破壊…そこまで考えていたとは…!その割には、「オレたちの味方は共産党だけだ」などと言っている。カネにそのように吹き込む人がいるらしい。ずっと、自民党支持だったのに、急に宗旨替え…。
私としましては、日本は「自由貿易」で成り立ってきたのですから…TPPへの日本の参加については基本的に賛成です。ただですねえ、TPPは、農業だけではないんです。何から何まで全部含まれます。「場当たり政府」なものですから、そのことが心配。つまり、「そんなことになるとは予想しませんでした。やっぱ、参加しなきゃよかったっすねー!」と、ならないように…。
民主主義の破壊という言葉はどこから出てくるのか?
手っ取り早いところで、23年度予算案。コメの生産調整農家へは交付金が与えられる。さらに、政府が新規需要を見込むもの(飼料米、米粉、ソバ、ナタネなど)に8000億円が投入される。この補助基準が問題、作物別の赤字の度合いに従って多くなる(農林水産省の計算で)。特定の「赤字作物」に予算を投じるとどうなりますか?土地の生産能力と不釣り合いな農地代の上昇、補填を見込んだ作物価格の下落、農業従事者の非流動化、非効率な機械投資…これらを招くことになりませんか?結果的に農業全体の生産、収益性を阻害してしまう…。
TPP加入がいいのか悪いのか?いいとか悪いとかの話ではないですね。「しっかりした農業基盤を作る政策」これが出来ればTPPは何の問題もないのです。
どうやって農業基盤を作るんだって?にこやかに答えよう!
1 減反面積の削減。これは急には無理だから段階的に。そうすればコメ農家が先を見通すことができる。
2 農地の価格を下げる。不動産資産価値を下げることにより、地代と売買価格が農産物の収益が見合うことになります。
3 作物別の優遇政策の廃止。とりあえず、面積当たりで補助金を一律に支給するようにする。そして、それを徐々に減らす。
これらの提案で長期的に基盤作りが出来るでしょう。まず農家が欲しいのは、先の見通しです(原発もしかり)。見通しが出来れば、農業者は国民のニーズを考えた作物を作ります。それで、安く入ってくる外国のものに勝てるのかって?「安全で、美味しくて、ほしいと思っていたもの」つまり国民のニーズに合ったものなら多少高くても買います!
「1ヘクタール=100アール=10000平方メートル=ほぼ1町=10反」早い話が、16町は、ほぼ16ヘクタール。「それなら、豪農だろう!」と、誰しもが思う所ですが、どうもそうではないらしい。カネが言うには、「うちの収入?15万円の給料取りに負けてる…」。つまり、月給にして15万円程度ということらしい。
TPPの話になると、カネが怒る。「米農家の30%は潰れる!」と。
私が、わざとカネの感情を逆撫でする。おもしろ半分で申し訳ないが(ぜんぜん申し訳ないとは思っていないけど)。「民主党は、農家に所得を補填する。そうすれば、農業が成長すると、言っているんじゃないの?政権与党が言うんだから、良かったね!カネ!」
カネ:「そんなことを言うなら、きちんと根拠を示せよ!そんなお金どこから出るのよ!」
そうだよなあ。「TPPで損をした所得の補填」そんな話実現できるのか?ということですね。方便を並べて、なんとしてもTPPに参加したいんだから…。東日本大震災に関わる補償問題があるのに、TPP関係で農家に補償する?お、お金はどこにあるの?
カネの家は、皆、頭がいい。兄は、農業定時制高校(4年制)から日大の二部へ進んだ。家が貧しかったので、自分で学費も生活費も稼がなければならなかったので、定時制高校へ行き、夜間の大学へ行ったわけです。日大二部で、勉強しまくり、働きまくり、貯金まで残した。そして、東大大学院ヘ進み東大の教授になった。姉も働きながら早稲田の二文を卒業。文筆でめしを食っている。カネは、中学を卒業して家業を継いだ。兄や姉に米を送るには、自分が農業を継ぐのが一番と考えたらしい。およそ7ヘクタールしかなかった田んぼを、48年間で16ヘクタールにしたのだから立派なもの。もっとも、自分で開墾したのではなく、離農した田んぼを買い取って増やしてきたわけ。
閑話休題。「カネ物語」ではなく、TPP…
農家への戸別補償制度…額面通り受け止めていいのか?本当に出来るのか?早い話が、枡の中に豆が無ければ、バラマキしたくても撒けないないと思うが。「農業保護のために日本がたち行かなくなってもいいのか」という声も。こんな言い方をされると、カネが怒るのも無理ないなとは思う。
「TPPを受け入れて、農業を強くするべきだ」
「TPPに参加せずに国力が落ちたら農家もやっていけない」
「TPPが来ても自分の農場はしっかりとした経営基盤があるから大丈夫」
「農産物を輸出しているからTPP賛成」
これら、TPP推進論…前向きで耳障りは良いが、理想であって、本当に農業のことを考えているのかね?
農業者の多くは、TPP加入に反対している。具体的には、およそ30道府県議会で反対もしくは、「慎重な対応を求める意見書」が採択されているしている。加入を「開国」として突っ走りたい政府のはずなのに、平野達男副内閣相が…解っちゃいない。「開国フォーラム(2/26さいたま市)」で、質問されてしどろもどろ…反対意見を封じ込めることなど全然無理でした。どーゆうこと?
歴史的に見ると、日本国の基盤であるはずの農業が翻弄されてきた。「農業基本法(昭和36年)」…これによって農家は分解された。減反政策(昭和45年)これは、「作れ、作れ」から一転して「作るな」ということ。そうこうしているうちに、米あまり。米価の下落。そこへTPP。「日本農業は壊滅する」そう危惧するのもうなづける。
カネの言葉を借りると…TPPは「自由貿易の犠牲になる農民」と、「新自由主義者」の戦いだ。オレたちが負けたら、民主主義だって破壊されかねないんだぞ。
民主主義の破壊…そこまで考えていたとは…!その割には、「オレたちの味方は共産党だけだ」などと言っている。カネにそのように吹き込む人がいるらしい。ずっと、自民党支持だったのに、急に宗旨替え…。
私としましては、日本は「自由貿易」で成り立ってきたのですから…TPPへの日本の参加については基本的に賛成です。ただですねえ、TPPは、農業だけではないんです。何から何まで全部含まれます。「場当たり政府」なものですから、そのことが心配。つまり、「そんなことになるとは予想しませんでした。やっぱ、参加しなきゃよかったっすねー!」と、ならないように…。
民主主義の破壊という言葉はどこから出てくるのか?
手っ取り早いところで、23年度予算案。コメの生産調整農家へは交付金が与えられる。さらに、政府が新規需要を見込むもの(飼料米、米粉、ソバ、ナタネなど)に8000億円が投入される。この補助基準が問題、作物別の赤字の度合いに従って多くなる(農林水産省の計算で)。特定の「赤字作物」に予算を投じるとどうなりますか?土地の生産能力と不釣り合いな農地代の上昇、補填を見込んだ作物価格の下落、農業従事者の非流動化、非効率な機械投資…これらを招くことになりませんか?結果的に農業全体の生産、収益性を阻害してしまう…。
TPP加入がいいのか悪いのか?いいとか悪いとかの話ではないですね。「しっかりした農業基盤を作る政策」これが出来ればTPPは何の問題もないのです。
どうやって農業基盤を作るんだって?にこやかに答えよう!
1 減反面積の削減。これは急には無理だから段階的に。そうすればコメ農家が先を見通すことができる。
2 農地の価格を下げる。不動産資産価値を下げることにより、地代と売買価格が農産物の収益が見合うことになります。
3 作物別の優遇政策の廃止。とりあえず、面積当たりで補助金を一律に支給するようにする。そして、それを徐々に減らす。
これらの提案で長期的に基盤作りが出来るでしょう。まず農家が欲しいのは、先の見通しです(原発もしかり)。見通しが出来れば、農業者は国民のニーズを考えた作物を作ります。それで、安く入ってくる外国のものに勝てるのかって?「安全で、美味しくて、ほしいと思っていたもの」つまり国民のニーズに合ったものなら多少高くても買います!