アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

かき氷

2013年08月25日 | Weblog
 この夏は例年になくアイスを食べました。その昔は、「アイスキャンディー」と呼びました。1本5円。カップに入ったアイスクリームは、30円でした。高嶺の花でした。アイスキャンディーのスティックは、割り箸でした。食べ終わったら、その割り箸をじゃぶる…甘みがなくなり木の味がするまで…。今は、「アイス」で通じてしまう…不満はないが、「アイス=氷」の世代なもので…釈然としない気持ちは残ります。

 かき氷…自宅に「かき氷器」が普及したあたりから魅力がなくなりました。やはりかき氷は、大きな機械にランドセルほどの大きさの透明な氷を挟んで削らなくては。周囲に氷の破片が飛び散って、顔にかかると気持ちがよかった。

 何十年ぶりかになりますが、かき氷を食べました。山盛りの氷なので、最初の匙を上手に入れなければ氷山が崩れる。で、出先なので手を洗っていないのに両手で氷の山を押さえつけて落ちつかせてから匙を入れる。これ、庶民の知恵。決して、品がよいとは言えない。
 頭が、「キーン」と痛くなり気を失いそうになる。気持ちをしっかり持って耐える…。かき氷は、年配者の食べ物ではないことを思い知らされなから食べる…。
 また、「清少納言さんよ、あなたの感性はどうなってんだ?かき氷は、正直、上品な食べ物ではないだろう!」と、思いながら食べる。

 清少納言が何か言ったのかって?
 枕草子の42段の「あてなるもの(高貴で美しいもの)」に、「上品なものといえば、薄紫のうちかけ(袿)の上に着た白のかさねの上着。鳥の卵。金属製の椀に盛ったかき氷、水晶の数珠、藤の花、梅の花に雪が降りかかった光景、可愛い子が苺などを食べている様子」
 かき氷が上品だと…。冷凍庫などない時代の夏にかき氷…こぼれる程盛らないでしょうから、上品なのかねぇ。清少納言さんも大変だぁ。どこでイチャモンがつくか分からない。