噛みつき評論 ブログ版

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朝日より過激な弁護士有志

2014-10-13 07:31:32 | マスメディア
 世の中には凡人には想像もできない考え方をする人がいるものだということを改めて知りました。凄いセンセイ方のお話です。

 9月11日、朝日新聞は吉田調書を基に「所長命令に違反 原発撤退」とした5月20日の記事の誤りを認め取り消しました。これに対し、弁護士有志は「報道は誤報ではない」「記事全体を取り消さなければならない誤りはなかった」とする申し入れ書を朝日新聞側に提出し、関係者を処分しないように求めました。有志とは中山武敏弁護士、宇都宮健児弁護士ら9人。他にも全国の弁護士191人が賛同しているそうです。(詳細は弁護士ドッドコム)

  申し入れ書には 「『命令違反で撤退』したかどうかは解釈・評価の問題です。吉田所長が所員に福島第一の近辺に退避して次の指示を待てと言ったのに、約650人の社員が10キロメートル南の福島第二原発に撤退したとの記事は外形的事実において大枠で一致しています」と書かれています。つまり言葉尻を捉えればこのような解釈も可能だ、としているわけです。子供が屁理屈で争うのとよく似ています。

 「外形的事実において一致」ということは形式的、表面的には記事は間違っていないということを意味します。朝日は他紙の指摘を受けた8月、記事を再検討し、外形的な事実に誤りはないとして訂正の必要なしと判断しましたが、これと同じです。しかしその後、意味・内容は間違っていたと朝日は判断し、記事を取り消しました。外形より中身が大切なのは当然です。それと、吉田調書が公表されたら強弁はとても通用しそうにないという判断もあったのでしょうけど。

 一般論で言えば、外形や形式より内容や意味がずっと大切です。「命令違反で撤退」という記事が実態に反し、東電などの関係者だけでなく日本の名誉を傷つける結果になったという記事の意味はどうでもよいとお考えなのでしょうか。こんな主張を目にすると、朝日さえがまともに見えてくるから不思議です。

 2年ほど前、インターネットで馬券を大量購入していた大阪市の会社員が約5億7千万円を脱税したとして所得税法違反の罪で起訴されました。約1億4千万円の収益に対して約5億7千万円の税を課せられたわけです。こんなアホなことが起きたのは税局と大阪地検が外形での判断を優先したからでしょう。税の応能負担の原則にも反します。税金を取ることに熱中するあまり常識をお忘れになったのでしょうか。その後、一審と控訴審で会社員の主張が認められました。

 この弁護士有志は原発反対のようですが、原発反対のためには間違ったことを言ってもかまわないという信念をお持ちのようです。実に朝日とよく似ています。独善の正義というべきでしょうか。その裏には驕りが感じられます。

 法の世界では外形重視もありかと思いますが、吉田調書のように外形と内容が相反するとき、外形を優先するという判断は一般の社会ではとても通用しないでしょう。彼らは自称「平和と人権・報道・原発問題などにかかわっている弁護士」だそうですが、人権や原発に熱くなりすぎて常識をお忘れになったのではないでしょうか。200人もの弁護士が賛同したとなると、そこには独自の価値観や論理、宗教的な情熱さえ感じます。日本の過激派とならなければよいのですが。