噛みつき評論 ブログ版

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面従腹背が座右の銘

2017-06-26 09:02:55 | マスメディア
 「面従腹背」とは「表面は服従するように見せかけて、内心では反抗すること」である。人の心を表す言葉として、最悪の部類に属する。そのレベルは卑怯や卑劣に勝るとも劣らない。裏切る危険性が極めて高い人間である。表面の見せかけは虚偽であるから嘘つきということにもなる。「時の人」前川喜平元文部科学省事務次官は「面従腹背」を座右の銘にしているとテレビで言い放ったそうである。

 教育行政のトップに立っていた人物が「面従腹背」を公言するとは、まことに驚くべきことである。この言葉の持つ意味を知らなかったわけではあるまい。しかし「面従腹背」を公表することは自ら裏切り者だと認めることになり、それが世間にどう受け取られるか、ご存じないようである。夜な夜な出会い系バーに通っていたことを調査のためだと言い訳されるのを見ても尋常の感覚ではないようである。

 過去に在籍した組織で知り得た事実を公にすることは事情にもよるが、一般には褒められたことではない。この人の場合は組織を裏切った形であるが、座右の銘「面従腹背」とよく符合する。

 気になるのがメディアの反応である。加計学園問題を取り上げるのはとても熱心だが、この元事務次官の裏切り行為を批判する気配すら感じられない。森友学園問題では籠池氏の詐欺が疑われる事態となったが、詐欺とはだまし取る行為であり、彼もウソつきである。メディアは籠池氏に借りがあるのか、批判が感じられない。通例ならば数千万円の血税をネコババしたと騒ぎ立てるケースであろう。

 本当のことはわからないが、どちらも問題においても政府の説明は明瞭さに欠ける印象があるのは確かである。ただそのような印象を狙った報道が多いので割り引く必要がある。左翼メディアと野党の行動は安倍政権の足を引っ張ることに専念しているように見える。しかしこれほど大騒ぎに値する重大問題であるとは思えない。またどちらの問題ともウソつき氏の証言が元にになっているところが興味深い。

 国会を何日も空転させるほど重要とは思えない問題を、針小棒大に報道するメディアの姿勢が、一方でモラルの荒廃をもたらしているのではないか。政治は清潔になったが裏切りが横行する世になった、ではちょっと賛成しかねる。

 ついでながら生徒の自殺が相次ぐなかで、教育委員会がいじめとの関連を否定したものの、後で認めざるを得なくなってしぶしぶ謝罪するというケースが続発している。まったく格好悪い始末である。教育委員会と言えば地区の教育行政のトップである。数例のケースで全体を判断するのは適切でないが、教育界の頂点に立つ者がこんな調子では心配になる。教育行政のトップたる者は生徒の少しは模範的な人物であるべきで、面従腹背の人物や責任逃れの嘘つきは自分の素質に合う他の仕事をお勧めする。