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感染リスクの認識がおかしい

2021-08-22 22:23:30 | マスメディア
 デルタ株の感染力は英国由来のアルファ株の2倍と言われている。さらに1人が何人に感染させるかという数値では最大9人という話もある。どちらが正しいかわからないが、ここではアルファ株の2倍としよう。現在の1日あたりの感染者数は全国で約2万5千人であり、これは現在までの1日あたりの平均感染者数は概算で約2300人(総感染者数を560日で除した数値)の10.8倍に達する。

 感染する確率はウィルスをまき散らす感染者数と感染力を掛け合わせたもので表されると考えてよい。とすると現在の感染確率は10.8×2で21.6倍にもなる。我々はこの現在の高い感染確率を理解し、それにふさわしい行動をしているだろうか。いままでとは状況は大きく異なって、ウィルスをまき散らす感染源がウヨウヨしているのである。人流の計測値が発表されているが、それを見ても大きく行動が変化したとは見えない。格段に強い対策をとらなければ感染の拡大は抑えられない。

 繰り返される非常事態宣言やまん延防止等重点措置に国民は「慣れ親しんで」その効果は低下傾向が顕著である。当然「オオカミ少年」効果もあろうが、政府の発表やメディアの報道にもその原因はあるように思われる。メディアは新型コロナニュースを連日トップで報道しているし、十分な時間・紙面を使っている。しかし人流の変化に表れているようにその効果は十分ではない。報道の方針に問題があると思わざるを得ない。感染確率が過去の平均の20倍余であることが理解されれば恐らく人は慎重にならざるを得ないだろう。

 デルタ株の感染力は予測されたよりかなり強いようである。というより予測自体が誤っていたと言ってよい。甘い予測で対応できると判断した政府・関係者の責任は大きいが、その判断にはメディアの報道も関係している。極論すればメディアの的外れな報道が政府・国民の甘い認識を生み出したという面が否定できない。感染の行方を左右するのは人々の認識である。その認識はメディアの見識にかかっている。