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立憲民主党が正しい判断をした?

2020-03-01 21:50:19 | マスメディア
 2月14日、立憲民主党は新型コロナウイルスに対する対策本部の会合で「まだ政府を批判するタイミングではない。タイミングを間違えるとこちらに批判が来ることも考えられる」と幹部が述べたそうだ。実に賢明な判断だと思う。

 要するに今はわからないことが多いため、あとで批判が誤りであることがわかる可能性があるので、政府の失敗が明らかになってから批判を始めるということらしい。むろん立憲民主党としての何らかの提案をするわけでもない。「相変わらずの卑怯もの集団」「なんにも協力しないで、後で非難するわけね」という声が上がっている。その通りだが、これは立民の伝統でもある。

 新型コロナウイルスに対する最初の対策は水際作戦である。この時期に日本は中国の湖北省、続いて浙江省からの入国を制限したが、それ以外の地域からの入国を放置した。米国の措置に比べで甘かったため、それは中国に対する忖度のためだと保守層からも批判を浴びた。しかし米国では厳しい入国制限を実施したにもかかわらず、感染が広がる兆候が出始めている。

 厳しい措置をとれば一定の効果はあるだろう。しかしそれには様々な犠牲を伴う。厳しい措置の結果、水際で食い止められたらよいが、今回の新型コロナウイルスは発症前に他人を感染させることなどのため、それは難しく、世界中に感染が広まる勢いである。水際で阻止できるか、できないかはウィルスの性質、感染力によるところが大きい。とにかくわからないことが多いので、どのような対策も失敗の恐れがある。

 また、このような問題では対策の効果の評価が難しい。科学実験のように同じ状況を再現して別の対策を試すと言ったことができない。何がどう影響したかは、たいていは推測でしかない。政府は小、中、高校の休校を要請したが感染の広がりにどの程度役立つかはわからない。あとで休校しなかった場合との比較実験ができないからだ。そして効果ははっきりしないが、逆に子育て女性の仕事が困難になるなど、その副作用は明確に予測できる。ここが悩ましいところである。

 余談であるが2月25日、米疾病対策センター(CDC)は感染拡大に備えるよう警戒を促した。これを受けてニューヨークの株式市場は暴落した。WHOの声明には反応がなかったと思う。市場の反応はCDCが信頼されている証であろう。

 皮肉なことだが、今回の立憲民主党の「まだ政府を批判しない」という態度は全然立派ではないがある意味で正しいと言える。少なくとも、根拠も不明なままいい加減な批判をするよりマシである。相手の正体がわからないのにああだ、こうだ言っても意味がない。立憲民主党には黙っていただくのが公益上望ましい。ひたすら週刊誌を読み込んで、政府批判の材料をお探しになるのが本来の姿である。そして失敗が明らかになってからの「後講釈」が最良の方法なのである。ただ週刊誌記事の増幅装置以上の意味はないが。


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