伊良原ダム ( いらはらダム ) は福岡県京都郡みやこ町犀川伊良原地区、
二級河川・祓川の中流域に所在する県営ダムである。
祓川は急流であるため、1979年(昭和54年)6月梅雨による大雨や、
1980年(昭和55年)8月に豪雨などでたびたび河岸の決壊や氾濫、洪水を起こし、
家屋の流出、全半壊や浸水、農地の浸水などの被害が出ていた。
その一方で猛暑の影響で渇水が起き水不足が深刻な問題になっていた。
そのため、洪水調整や周辺の農業用水の確保、
田川地区および北九州地方への水道水を確保することを目的とした
多目的ダムが建設されることになった。
それがこの伊良原ダムである。
計画では高さ83.0メートルの重力式コンクリートダムで、
堤高81.3メートル、総貯水容量は2,870万立方メートル、
集水面積は36.8平方キロメートルにも及ぶ。
田川地区水道企業団 ( 田川市、田川郡川崎町、同糸田町、同福智町 ) と、
京築地区水道企業団 ( 行橋市、豊前市、京都郡苅田町、同みやこ町、
築上郡築上町、同吉富町、同上毛町 ) への上水道水供給を予定している。
2018年3月4日竣工。
事業着手から竣工まで43年を要する長期化ダム事業となった。
ダム・貯水池の諸元など
型式 / 重力式コンクリートダム
堤高 / 81.3メートル
堤頂長 / 295.0メートル
堤体積 / 419,000立方メートル
集水面積 / 36.8平方キロメートル
湛水面積 / 1.22平方キロメートル
総貯水容量 / 2,870万立方メートル
有効貯水容量 / 2,750万立方メートル
水没総面積 / 141ヘクタール
水没戸数 / 86戸
水没農地面積 / 49ヘクタール