The End of the Third Age:Chapter 1: The Tower of Cirith Ungol続き
今日の所は,一部映画にも入っているのですが,原作と味わいが全然違います。映画しか観た事のない人には特におすすめ,というか,読んでおくべき,と言うべきかな。
シャグラトの行いを云々している暇はありません。彼はあっという間にサムのいる方へ。。サムは開き直ってつらぬき丸を抜き,構えました。‥‥すると,エルフの剣の力が効いたのでしょうか,意外にも,シャグラトは驚いて逃げてしまいました。
シャグラトが仲間を連れてくる心配はありますが,それよりフロドを見つけるのが先と判断したサム,さらに塔の上に上がります。
He cared no linger for Shagrat or Snaga or any other orc that was ever spawned. He longed only for his master, for one sight of his face or one touch of his hand.
しかし,もうそれ以上上に行く階段を見つけられなくなってしまいました。なんとか見つけようと捜し回りますが階段は見つかりません。ここで彼はシャイアの歌を歌い出しました。(この状況で歌うというのがすごい)歌う事によってまた少し希望を取り戻すサム。
彼はふと,歌に反応するかすかな声を聞きます。
その時,サムは彼を煽る1匹のオーク(スナガです)を発見。スナガは梯子を持ってます。上に上がる方法を見つけたサムは思わず梯子を上がると‥‥
スナガが何かの上にまたがって痛めつけようとしています。サムはすぐさまつらぬき丸でスナガを刺し殺しました。彼はついにフロドを発見したのです。フロドはぼろきれの上に全裸でうずくまっていました。しかも脇には鞭で打たれたみみず腫れ。久しぶりに会ったのに,想像を絶するその姿に,思わずサムと一緒に,
tears almost blinding him.
これは夢なのかと尋ねるフロドにサム,
You're not dreaming at all, Master. It's real, It's me. I've come.
サムは何か気持ちを表わさなくてはと思い,
He kissed Frodo's forehead.
(えっ,こんなの映画にないよっ;)
ところが,感動的な再会シーンが,一転。全てを奪われてしまったと嘆くフロドに,サムは,彼を安心させるつもりで,指輪を差し出します。しかしその時サムはフロドに何かおかしな変化を見ました。彼は
If it's too hard a job, I could share it with you, maybe?
と提案するのですが‥‥,フロドにはこの時,サムが貪欲なオークに見えたそうです。
No, no! No you won't, you thief!
しかし,それは痛々しく悲しげな顔をしたサムでした。
前の巻を読んでいた時,プロの兵隊さんや王様や大将だって怖い時は怖くて,後ろを向いてしまう事もある,と表現される様子を見て,リアリティがあっていいなあと思ったのですが,全くのしろうとのフロドとサムが,怖いのは当たり前なのに,どんなに怖くたって,後ろを向く事もできないし,恐ろしいものから目をそらす事もできないし,またそれを,人と分け合う事すらできないんですね。
O Sam! What have I said? What have I done? Forgive me! After all you have done. It is the horrible power of the Ring. I wish it had never, never, been found. But don't mind me, Sam. I must carry the burden to the end. It can't be altered. You can't come between me and this doom.
こんな状況が続いたら,人間壊れてしまうでしょう。これもまた指輪のこわ~い所なんだなあと,思いました。
それにしてもこの太字の部分,実はパルス・ガレンでボロミアがフロドに言った事と,ほとんど同じです。(汗~;)
気を取り直したサム,フロド様に着る物を探しに行きます。なるべく小さいオークのものをかき集めてきました。