The End of the Third Age:Chapter 1: The Tower of Cirith Ungol続き
この辺りからクライマックスの滅びの山にかけては,話の進みも遅く,なかなか読むのが辛い所ですが,1つお楽しみを見つけました。
(その前に)ホビットらしく,こんな場面でも食べ物への興味をしっかりを見せるフロドとサムですが,モルドールのオークと言えどもまともな物を食べているんだろうと考えるサム
they have to live like other creatures.
のセリフにトールキンさんの,どんな生物に対してもの優しさが伺えてよいです。
ここで,フロドはオーク達が自分の荷物をどのようにしたかを話すのですが,
But they've taken Faramir's food.
ぼーっと読んでいたらそのまま見過ごす所でした。実は彼等は,TTTで十字路の手前でファラミアと別れた後,度々彼の事を思い出しているんですね。1度目はミナス・モルグルでアングマールの魔王の出陣を前にして,これを彼に知らせる事ができないと嘆くフロド。2度目は,シェロブとの戦いの最中,彼からおみやげにもらった杖が折れてしまったと。アラゴルンやガンダルフやメリーやピピンの事よりよっぽどたくさん思い出しているんですよ。そんなに大将の事を好きなのか? いや~,違うでしょう。(爆)
既にご存知の方ごめんなさい。実は,彼らがファラミアを思い出す事によって,ミナス・ティリスと同期を取っているんですね。フロド達がアングマールの魔王の出陣を見たのはおそらく,(映画とは時間がずれていますが)ファラミアが父の無理難題を飲んでミナス・ティリスを出た辺りの事でしょう。そして,杖が折れてしまったのは,彼が怪我をした時です。
そういう目で見ると,今回のこのフロドのセリフが意味するのは,この時は,ファラミアがラス・ディネンに連れて行かれてしまった頃という事です。
説明が長くなりましたが,いよいよフロドとサム,オーク姿になりきって,キリス・ウンゴルの塔を脱出です。
The End of the Third Age:Chapter 2: The Land of Shadow
また呼び鈴が鳴ってしまいました。ナズグルが1匹,様子を見に来ましたが,とにかくキリス・ウンゴルの塔の追手に見つからないよう,フロド,サムは先を急ぎます。
フロドはもう限界です。オークの鎧は彼には重すぎます。しかし彼は動けるうちはとにかく先を目指さなくてはなりません。
I haven't a hope left. But I have to go on trying to get to the Mountain as long as I can move.
こんなに重い重荷を背負って,なおかつ止まる事の許されないキャラって他にいたでしょうか? しかし,それでも進まなくてはいけないのです。
この時サムは,ミナス・ティリスの鶏や,ペレンノールの北側にいたセオデンや,アンドゥインを溯上中のレゴラスと同じ物を感じます。
Look at it, Mr. Frodo! Look at it! The wind's changed. Something's happening. He's not having it all his ow way. His darkness is breaking upout in the world there. I wish I could see what is gong on!
ここで,私は勘違いしていた事を白状しなくてはなりません。(汗;)フロドとサムはここでアングマールの魔王の断末魔の叫びを聞いたんだと,ずーっと思っていたのですが,‥‥違った~~。彼等が聞いたのは,彼の悲報を告げにバラド=ドゥアに飛ぶ,別のナズグルの声でした。(いくら何でもやっぱここまでは聞こえないのか‥)
しばらくして彼等は休憩を取ります。
they ate the half of what remained in Sam's bag of Faramir's provision: some dried fruit, and a small slip of cured meat.
これもまた同期信号(笑)ですね。この時ファラミアがアラゴルンに救われたのでしょう。ついでにもう1つ,
Sam saw a white star twinkle for a while. the beauty of it smote his heart, as he looked up out of the forsaken land, and hope return to him.
星はゴンドールを象徴する物の1つです。hopeはアラゴルンの幼名エステルの意味する物。ついに王様がゴンドールに戻ってきました。