デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
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アッピア新街道および「迷い方」
ひとりよがりな回想
/
2012-01-09 00:07:00
ピラミデの近くにある通りの標柱
クインティーリ荘から帰ってから、次の日はもう博物館と寺院をゆっくり堪能しようとホテルの中で考えた。しかし、陽が傾いてホテルまで帰れないリスクを回避するための、やむをえないクインティーリ荘見学でもあったことが心に引っかかったままであった。幾冊か持って行ったガイドブックの中に載っていたカザル・ロトンドの親指程度の小さい写真とイラストを見てるうちに、行かねば後悔すると思い始めた。
疲れもあったが、明日早起きできたら、もう一度アッピア旧街道へ行こう、カザル・ロトンドまで行こうと思った。行くのなら、まだ見ていないピラミデの傍から出ているバスに乗り、クインティーリ荘を経由して行こうと思った。翌朝は6時に目が覚めた。
ピラミデとアウレリアヌス城壁が見える
ピラミデ
街道沿いに墓碑を建てること習慣を持っていたローマ人だが、なかにはピラミデのようにエジプトを真似た墓を建てる人もいた。
大理石で覆われた小型ピラミッドは、古代ローマの法務官でかつ裕福であったガイウス・ケスティウスが前12年に没した際、遺言によって造られた。
アウレリアヌス城壁
ピラミデの傍にあるバス118番の停留所(P.le Ostiense)。だいたい一時間に二本。
私の持っていった有名なガイドブックの地図では、バスの118番を乗っていればクインティーリ荘前まで行けるような表記になっていて、クインティーリ荘まで行けばカザル・ロトンド通りまで歩いてもそんなにかからないと思っていた。
しかしこの見通しは思わぬ形で崩れることとなった。地図にある118番の路線図が間違っていたのである。
実際の118番が通るルートは、 Via Appia Pignatelli から Via Annia Regilla へ左折して終点の Lagonegro まで行き、Lagonegro からはアッピア新街道(Via Appia Nuova)の方へ行き、再びアッピア・ピニャテッリ通り(Via Appia Pignatelli)に戻って行きとは逆のルートでピラミデ方面に戻る。
つまり、 Via Annia Regilla へ左折した時点でごちゃごちゃと見慣れない通りに迷い込み、それでも我慢強くバスに居座り続けたところで、バスはアッピア・ピニャテッリ通り(Via Appia Pignatelli)とアッピア新街道(Via Appia Nuova)との合流点の手前までしか行かず、そこで降りたとしても方角が逆になってしまうのである。「迷い方」の冥利に尽きてしまったことは極めて残念であった。
私は地図が誤っていると分からなかったから、アッピア・ピニャテッリ通り(Via Appia Pignatelli)を左折してしばらくのところの Annia Regilla / Persio バス停で降りて、道を引き返してからクインティーリ荘を目指したが、引き返した先に Via Erode Attico の標識が見えて愕然とした。まだまだぜんぜん手前じゃんか!
仕方がないので、アッピア・ピニャテッリ通り(Via Appia Pignatelli)と Via Erode Attico の交差点からアッピア新街道(Via Appia Nuova)のクインティーリ荘手前のバス停(Appia / Squillace)まで歩くことにした。
アッピア新街道に抜けたところ
2km以上は歩いたが、その間歩いている観光客は私だけであった。クインティーリ荘手前のバス停(Appia / Squillace)まで来たら偶然にも654番のバスが来たので乗車。カザル・ロトンド通りとの交差点らしきところまで外を見ながらという、根拠なき勘を頼りにした乗車であった。
http://www.atac.roma.it/
でローマのバスルートを事前に調べて行けば、こんな手間をかけないでカザル・ロトンド通りまで行けたろうと思う人もいるかもだが、当時の私はそんな知識など持っていなかったし、ましてやイタリアに住んでるわけじゃないので土地勘を得ようにも無理であった。
とはいえ、カザル・ロトンドまでのバスでの行き方は、遺跡を見た後の帰りのルートでしっかり把握できた。それは結局は、昨日のクインティーリ荘から地下鉄駅まで帰ったルートと同じ664番で、行きも帰りも事足りるという事実であった。
そして私がチェチリア・メテッラ通りから南東へ下って行った時にすれ違った多くの観光客は、(バスを利用していたらの話しだが)もしかして地下鉄A線 Arco di Travertino 駅からバスの765番で、エローデ・アッティコ通りとアッピア旧街道のバス停(Erode Attico / Appia Antica)まで来て、そこから北上しているのではないかと思った。外国のガイドブックを見てみたわけではないが、ローマ中心街からアッピア旧街道の始まりに行くのでなく、ある程度アッピア旧街道の見どころまで行ってから、歩いてローマ中心街へ戻ってくるという逆の発想ならば、(一概には言えないものの)外国のガイドブックに載っていそうな気がしている。
つづく。
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街道の女王9
ひとりよがりな回想
/
2012-01-08 00:00:03
犬を連れた夫妻?が前を行く
墳墓なのだろうが、修復されたとはいえそうにない遺跡が並んでいた。
勝手に撮れていたショットだが、今となってはいい思い出だ。
同じ方向に歩いていた夫妻?の犬が追い抜いていった
また来た道を振り返った。
歩いてくる人の大きさと比べてみると…。
この遺跡を目にしたとき、半信半疑だった↓の往時のアッピア街道復元図は誇張でもなんでもないんだな、と思った。この遺跡の詳細が知りたいと未だに思っている。
この辺りまで来たら、街道脇の草原に設けられた門の前に、年配の警備員らしき二人の男性の姿があった。アッピア旧街道を私の後から来た人が話しかけたので便乗して訊ねてみたら、なんとクインティーリ荘の別入口と教えられた!
アッピア旧街道側のクインティーリ荘入口
とうとうクインティーリ荘までやってきたのか!と感無量だった。クインティーリ荘に入りたい、でもカザル・ロトンドにも行きたい。
陽はだいぶ傾いてきてPM4:30になりつつあった。ここはカザル・ロトンドへ行くリスクをとるより、クインティーリ荘に入ってから、どうにかバスで帰ったほうがいいように思った。いくつかの有料の遺跡関係博物館に入れるアルケオロジアカードを持っていたので提示したら、警備員さんは内線で私を含めた3人が入るみたいなことを敷地内の博物館のほうに連絡した。そして英語で、(この入口からは?)30分後に入場を締め切るが、見学して行くなら正面出入口からアッピア新街道に出て、バスに乗って中心街へ帰りなさい、と教えられた。予定にはなかったとはいえ、広大なクインティーリ荘見学がこのような形で実現するとは思いもしなかった。
つづく
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街道の女王8
ひとりよがりな回想
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2012-01-07 00:00:21
エローデ・アッティコ通り、トール・カルボネ通りとの交差点を渡ったところにある水飲み場で水を補給。さらにアッピア旧街道を進む。
これ以上進んでいいものかどうか不安に思いつつ来た道を振り返る
名称不明の像
人間の像か、女神の像か、わからないが一際目を惹く像がたたずんでいた。
あちこちに墳墓か墓碑かの崩れた石が見られた。
まだ往時の石の舗装が見られるところがあった
煉瓦の遺跡
ネットの情報を参照したところでは、2世紀頃の祠あるいは墳墓と思われるものらしい。
つづく
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街道の女王7
ひとりよがりな回想
/
2012-01-06 00:00:33
別の墓が近づいてきた
解放奴隷ラビリイ一族の墓
名前の分かっている墓で、比較的完璧な形で残っているラビリイ一族の墓(墓碑は2000年までに修復されたようである)まできた。
アッピア旧街道に解放奴隷の身分であった人物とその一族の墓が残っているというのは、実にすばらしいと思った。映画の「スパルタカス」や「グラディエーター」などの影響からか、また奴隷という言葉のイメージが悪いせいか、ローマ市民は奴隷を打擲して言うことを聞かせていたような印象を持つ人も少なくないだろうが、頭からそう決めてしまっては話にならない。
私個人は、「人の価値」を計るという点で現代のヘッドハンティングと古代ローマの奴隷の起用の違いを説明しようとすれば、おのずと古代ローマと奴隷制については実は思いのほか誤解されていることが分かるかもしれないと思う。少なくともローマでは奴隷階級に生まれたら一生奴隷階級のままではなく、奴隷階級の出身であろうが才気を発揮して仕えたら、ローマ市民権を与えられたのである。解放奴隷の身分でローマ市民権を取得し、国政にたずさわる者もいた。詳しく知りたい方は塩野七生著『悪名高き皇帝たち(ローマ人の物語Ⅶ)』(新潮社)を読まれるがよい。
この辺りまで来ると、さすがに疲れてきた。チルコ・マッシモからカラカラ浴場、サン・セバスティアーノ門、ドミネ・クオ・ヴァディス教会、途中バスで移動したとはいえ、6kmは歩いたことになる。太陽も傾いてきたことだし、目的のカザル・ロトンドまでは厳しいかもしれないと思い始めた。
「装飾花づなの墓」
疲労がたまってきてたので体力的にもきつかった。水を口に含みつつ、どんなにか石碑に書いてあることを理解したいと思ったことか。街道沿いに建てられたローマ人の墓についての記述にも思いを馳せながら、じっくりと崩れた石碑を見つめた。
ローマ人は死者だけを一個所の集めずに、墓所は街道沿いに建てるのを好んだ。それは死んだ後も街道を行きかう人々の近くにいたいからであったという。街道脇に並び立つ墓碑は、街道を行く旅人の格好の憩いの時を提供する場でもあった。墓碑には、当時の人々の死生観が反映されていて、その健全さを示す碑文がとてもユーモラスである。
「おお、そこを通り過ぎていくあなた、ここに来て一休みしていかないか。頭を横に振っている。なに、休みたくない? と言ったって、いずれはあなたもここに入る身ですよ」
「幸運の女神は、すべての人にすべてを約束する。と言って、約束が守られたためしはない。だから、一日一日を生きることだ、一時間一時間を生きることだ、何ごとも永遠ではない生者の世界では」
「これを読む人に告ぐ。健康で人を愛して生きよ、あなたがここに入るまでのすべての日々を」
塩野七生著『パクス・ロマーナ(ローマ人の物語Ⅵ)』(新潮社)p257
「装飾花づなの墓」を振り返る
エローデ・アッティコ通り
アッピア旧街道をちょん切ったような普通のアスファルトの通りまできた。この通りからバス765番と地下鉄A線を乗り継いでローマの中心部まで帰ることができる。
つづく
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街道の女王6
ひとりよがりな回想
/
2012-01-05 00:12:12
墓碑についてのイタリア語で解説が始まった。イタリア語は分からないのになぜだか混じって話を聞いていた。この墓はDric tombと呼ばれているようだ。見てのとおり、この墓は修復されている。
現代ではお墓といえば、自治体、寺、神社、教会などが管理する集団墓地にあるのが、当たり前であるといえばそうだが、ローマ時代には街道沿いに墓が建てられた。
公道に面して墓碑や墓所を建てるローマ人の慣例の先鞭をつけたのは街道敷設の立案者のあの財務官アッピウスで、彼は自分の墓はアッピア街道脇に建てよと遺言して死んだという。
これは復元ではあろうが、現代に立てられたっぽいな。
だんだん現代の四角い石の舗装が多くなってきた
ヒラリウス・フスクスの墓
一族のレリーフが見られる。外面はきっと立派な彫刻で覆われていたことをうかがわせた。
往時のアッピア街道を描いた復元図
これを見てみれば、現在に残るアッピア旧街道がいかに原型を留めていないか、わかるように思う。『すべての道はローマに通ず(ローマ人の物語Ⅹ)』(新潮社)には、古代ローマ人が現代のアッピア旧街道を見たら憤慨して卒倒してしまうだろうと、書いてある。
旅行ガイドブックやインターネット上にある現在のアッピア街道の画像だけでも十分あこがれを抱けると個人的には思うが、元々ローマ軍が行軍するために敷設された街道であるという側面を今に残る街道から想像するのは確かに難しい。せめて昔は今とまったく違ったという思いだけは持っておきたい。
Tiberius Claudius Secondinusの墓
Quintus Apuleiusの墓
子供が墓所?の跡をよじ登っていた。
つづく
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街道の女王5
ひとりよがりな回想
/
2012-01-03 00:00:41
来た道を振り返ってみる
しばらくは途切れることの無く、往時の石の舗装がつづいていた。
やっぱり自転車じゃ走りにくいわなぁ…。
この辺りまで来たら、歩く人がかなり少なくなってきたのが気にかかりはじめた。そして私のように町の中心から南東へ東へ離れていく人もいるにはいるが、すれ違う人、つまりは町の中心のほうに向かって歩いていく人がいたことに気づきはじめたのである。その人たちは、行きも帰りもアッピア旧街道を歩いて疲れぎみ、といった風には見えず、どういったルート構成なんだろう?と興味を覚えだしたのだ。
円形の墓
共和制時代のものだとか。ということはカエサルが生きていた以前から残っているものだ。
ひっそりと民家が立つ
シクストゥス・ポンペイウス一族の墓
ちょっとした人だかりが。
レクチャーが始まるようだ。
つづく
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ドライバはどうなった?
Weblog
/
2012-01-02 00:43:33
ご覧のとおり、新PCである。先月からHDDとファンの異音が徐々に激しくなってきて、修理に出すよりはもう新しいパソコンを買ったほうがいいと思って、購入。家に届いたのは4日前。
前のPCより早くて快適なのは確かなのだが、前のPCの状態を引き継ぐために、ここ数日はいろいろとこまごまとした作業をしていた。
年賀状の返事を書くため、MS Accessをインストールしようとした時だった。DVDドライブでディスクを入れたら、回転はするが、ディスクを認識しなくなっていた。ドライブの状態を見てみると、デバイスのドライバに正常にインストールされていません、とかでる。ドライバを削除した覚えもないし、なぜ正月早々妙なトラブルに見舞われるのか、腹立たしかった。
新PCは大手の家電店のネット通販で買ったものだから、一応「対応店」に相談ができるかもしれんと思って、初売のため鼻息を荒くしている店員に、いわば「技術的なこと」を尋ねた。表情には出さなかったが、やっぱり迷惑そうな感じがこちらにも伝わってきた(笑)。
奥にひっこんでしばらく協議したのか、「対応」として届いたPCに付属していた「お客様センター」への電話番号を手渡された。失笑を禁じえなかった。
結局、DVDドライブが正常に動いていた「復元ポイント」までPCのシステムを戻して、それから再度アップデートのパッチを全てあてて解決した。「復元ポイント」まで戻したことによって、ソフトの再インストールなど、一度やった手間をもう一度かけて、前PCとほぼ同じ状態まで持ってきた。本当はもっといい解決方法があるのかもしれないが、ドライバのサイトがどこか分からなかったので、とりあえずこのままでいく。
これまで新PCで買って間もないのにトラブルに見舞われた経験はなかった。新しいものだから完璧に動くとは限らない、と学んだわけだが、これが正月休みの間に起こってよかったと思う。
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祝・新年
Weblog
/
2012-01-01 03:53:01
みなさまのおかげで、無事年を越すことができました。本年もよろしくお願いいたします。
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