昭和記念公園のほうからモノレールを見つつ、立川駅に向かい、階段を上って駅に近づくと、北口についた。写真のように、橋のアーチのような青い構造物が目についた。
あれは一体何か?何のためにあるのだろうと思い、調べてみると、「ペデストリアンデッキを吊りあげる構造物」なのだそうだ。
ペデストリアンデッキとは、道路と人間の移動平面を立体的に分けるために、2階部分などに歩行者専用の通路を作ったもので、車道を挟んだ建物同士を連結させるものだそうだ。
単なる歩道橋ではなく、ぐるりと張り巡らされているから、日本語では「歩行者用回廊」などともいうらしい。立川駅周囲が空中的だというのは、まさしくこの構造だからであって、駅やデパートなどのビルの2階同士が連結されているから、2階部分が普通の地上のようでもある。人間が1階部分に下りられないわけではなく、ちょっと日当たりが悪く地下風な感じがする程度である。2階を歩く方が断然便利ではある。北口駅前の1階はバスターミナルになっている。
ペデストリアンデッキは、「橋」であるから、構造も橋の原理が働いているのだろう。アーチ型の青い構造物は、単なる飾りやデザインから作ってあるものではないということがわかった。
(写真正面の建物が立川駅ビル・ルミネ)
街の作りとしては、立川と対照的なのが「吉祥寺」である。このあいだテレビでやっていたが、吉祥寺では極力地上を人間が歩くようにできているそうだ。だから、歩道橋というものがない。人間が階段を上ったり下りたりしなくていいし、街が平面的で明るいところがいいという。たしかに歩行者にとって歩きやすく庶民的で平和な感じがする。(車は渋滞して走りにくい)。吉祥寺は、昔ながらの配置のままそれ以上に発展のしようがないから、そうなっているとも言えるが、逆にそれを長所とし、歩行者にとって優しい街といえることはたしかだろう。店も百貨店よりも小さな店のほうが繁栄している感じだ。
吉祥寺はこじんまりと平面的で女性的な感じといえるかもしれない。
それに対して、立川は実際大きな駅であるが、周囲にも大きなビルが立ち並び、通路は立体的で男性的な感じだ。近隣にある公園にしても、吉祥寺の井の頭公園にくらべて、あの大規模な昭和記念公園は男性的である。
新宿より西側の駅の利用客では、以前は吉祥寺がトップだったそうだが、2009年に立川がトップに代わったそうである。
(左:多摩都市モノレール立川北駅と伊勢丹 ペデストリアンデッキはモノレールの駅にもつながっている。地上の横断歩道を渡る人や自転車もある。)
(右:ペデストリアンデッキをお掃除する人。正面中空にモノレールのレール。デッキとデッキの間の地上は道路。)